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原点禁書――The Zero’s Forbidden Codex  作者: トランス☆ミル
第一章 誕生

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12/18

第十一篇 全越宇宙形成記

原初宇宙アルファバース。そこに生命が芽吹く前。大君主オーバーロードが世界の拡張に勤しんでいた頃。


観測という揺らぎが定着した後も、世界は止まることを知らなかった。


創造は尽きず、破壊は循環し、観測は意味を与え続けた。


可能性が一つ定義される度、それを受け止めるための器が求められた。


かくして、数多あまた宇宙ユニバースが次々と生まれ落ちた。


それらの宇宙ユニバースは、互いに干渉することなく、それぞれ異なる法則と結末を宿しながら、独立した物語を歩んだ。


やがて、宇宙ユニバース宇宙ユニバースを生み、世界が世界を内包する段階に至る。


創造された宇宙ユニバースは、単なる点ではなく、構造として重なり合い始めた。


多元宇宙マルチバースが生まれ、高多元宇宙ハイマルチバース超高多元宇宙スーパーバース極高多次元宇宙ハイパーバース――と連なり、世界は階層化されていく。


しかし、それら全ては未だ「散在」していた。


存在は増えたが、それを統べる「全体」はまだ定義されていなかった。


そこで、世界そのものが、一つの答えを導き出す。


――すべてを、内包する必要がある。


数多の宇宙ユニバース、無限に分岐した世界、定義された概念、定義されぬ事象、可能であるもの、不可能とされたもの。形而下も形而上も形而超も。


それらを分け隔てなく抱く構造が、必然として要請された。


かくして、数多の構造を包み込むように、一つの超構造が形成される。


それは、概念の外に在り、同時に概念の内に在り、存在と非存在、意味と無意味、秩序と混沌、創造と破壊のすべてを拒まず受け入れる器であった。


これを、『全越宇宙オムニバース』と呼ぶ。


全越宇宙オムニバースは、世界を「統べる」ために生まれたのではない。


世界が増えすぎたが故に、自然に生じた外殻であった。


それは王でもなく、神でもなく、意思すら持たぬ。


ただ、あらゆる世界を「世界として成立させ続ける」最終的な受け皿であった。


この瞬間、宇宙ユニバースは点から線となり、線は面となり、面は階層となり、階層は一つの全体へと収束した。


現代に至るまで続く、世界の初期構造が、ここに完成したのである。




しかし、全越宇宙オムニバースの誕生は、終わりではなかった。


それは、「全てを包含する」という一つの答えに過ぎず、やがて、その外側を問い始める者が現れる。


――全越宇宙オムニバースの外とは、何か。


全越宇宙オムニバースは矛盾に矛盾を重ねた構造だ。


だが、全越宇宙オムニバースは、その矛盾という視点すらも飲み込んで見せた。否定せず、正当化して見せた。


形而超学は、すべてを超えたと思い込んだ。だがそれは、超えるという概念そのものが、既に許容されている世界での幻想に過ぎなかった。数多の思想、理論、法則、事象、概念は、可能性の揺らぎから生じた淡い虚構であった。


そしてこの問いこそが、後に天越宇宙オメガバース神越宇宙ゴッドバース、そして、三位概念を経て原点ゼロへと至る、長き神話の起点となる。


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