学園へ
「ねえねえ、知ってる?あの噂。」
「え?…あ~もしかして、例の新入生のこと?」
「そうそう!それ、本当らしいよ。」
「ていうか、何で入学したの?」
「義務だからじゃない?異能が無くてもそうなのかは知らないけど。」
ここは奈良にある、第一異能学園だ。今、在校生は新入生の事で盛り上がっている。
僕は隣にいる双子の妹の手をとって、エスコートする。僕の妹は盲目なのだ。
元々は見えていたのだが、幼いころ、魔力による、目の機能不全で失明してしまった。僕はずっと、どうにかしてやりたくてダンジョンに潜り続けている。父さんと母さん、妹にもこのことは話していない。いつか、サプライズとして驚かせるのが僕の目標だ。
僕の妹の名前はナギサ。異能は風を感じ、操ること。風で物の場所や様子がわかるので、一人でも歩くことができるらしいのだが、お兄ちゃんは、心配なのだ。
「え!?あの子、可愛い。」
「うわ~、綺麗~。」
「あの人もかっこいいよ!似ているし、兄妹なのかな?」
「本当に年下なのかしら。大人びて見えるわ。」
そう、ナギサは可愛い。途轍もなく。身長152cmの低めの身長。枝のように細く、だが瘦せすぎているわけではない四肢。その肌は色白で、きめ細かく、健康的な印象を受ける血色のいい肌。控えめだが、確かにある形の良い胸。柔らかく、膝に乗せると温かい臀部。肩にかかる程度の長さの艶やかな黒髪。そして、人形のように整っている、小さな顔。そのぷっくりとした桜色の唇からは、とても心地よく、いつまでも聞いていたい程の美しい声。他にも…
って、落ち着こう。一旦、落ち着こう。
今の僕の最優先事項はナギサのエスコートだ。考え事は後にして、集中だ。
僕はナギサに声をかけようとしている男をはいjy「お兄ちゃん。」
…すいません。穏便に、ですよね。
僕はナギサの近くまで来た男に軽く殺気を当てる。
男は泡を吹いて倒れる。これで良し。
「こら。」
ナギサのカバンが風に運ばれて僕の後頭部に直撃する。妹からの愛の打撃だ。
「やりすぎだよ?お兄ちゃん。」
「いやぁ、すまん。軽くやって脅すだけだったんだが、あの男が思ったより根性無しでな?…いいか?ああいう男に付いて行ったらダメだよ?」
「わかってるよ。ナギはお兄ちゃんにしか付いて行く気はないもん。」
ああ、うう!可愛い!この気持ちを空に向かって叫びたい!
やったら一日話しかけても無視されたからしないけど。あの時は辛かったなぁ。
「ありがとう。ぐすっ」
やばい。いろんな意味で泣きそうだ。
「もう、こんなところで泣かないでよ。」
無理だ。っておや?なんだか気温が下がったような…
「おはよ。二人とも。」
「ああ、おはよう。」
「あ、おはよ!カエデちゃん!」
この子はカエデ。異能は冷気だ。僕達の幼馴染で、カエデは僕の事が好きらしいけど、僕にはナギサがいるからね。
「おお、もう皆揃ったか。」
「おはよ~だね!みんな~。」
一人目は僕の親友の、アキラ。ガタイがしっかりしている。異能は身体強化。
もう一人はナツメ。確か、去年にアキラにプロポーズされて、付き合い始めたんだっけ。ナツメの異能は電気だ。ある程度発生させられるし、操ることもできる。
「よし。皆揃ったし、行こうか。」
「ん。」 カエデ
「おう。」 アキラ
「は~い!」 ナツメ
「やっぱり、一人で歩け「ダメ。」…ハァ。分かったよ。うぅ///」