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朝ご飯
僕、樹にはとてもとても可愛い妹がいる。
16年間一緒に育ってきたとても大切な妹。
双子なのにあんまり似てなくて、大きな目も筋の通った鼻も形のいい柔らかそうな唇も、全部可愛い。
「こっち見んなよ、キモ」
朝ご飯の卵焼きを美味しそうに口に入れる妹の突き刺さるようなキツイ言葉。
こんなツンデレな性格も大好きだ。
だけど…。
僕はこの妹を殺さなければならない。
私、夢華16歳。
双子の兄がいる。
二卵性と言う事もあり、顔もあまり似てないし。
性格も全然似ていないのだが。
いつも妹の私優先に物事を考えてくれて、私の事を大切にしてくれている点は嫌いじゃない。
いつもはキモヲタの兄ではあるが、何かあると必ず守ってくれるし。私に何かあった時は一緒に考えてくれて、時には一緒に泣いてくれたりする。
「夢ちゃんは本当にかわいい!口元にケチャップついてるよ」
とまぁ、食卓の席で私にティッシュを渡そうとしてくるとか、本当にキモいんだけど。
私はきっとこの兄に殺される。
だって…。
前世で私(僕)は彼(彼女に)を殺して(殺されて)しまったのだから。