「何か胸がドキドキします。これって何なんですかね?」政府「いや、任務は!?」
15歳 夜野 海生は政府に3歳の時に引き取られる。(両親からの暴力を受け今も、両親は服役中)
5歳から徹底した訓練を受け10歳から政府の任務を受けるようになる。
同世代では彼に敵うものはいないほど、身体能力と経験を持っている。
そんな彼が15歳になり、ある高校に入学するように命じられテストにて合格。
そんな彼の入学式が終わった所からこの物語は始まる。
「はい、1年6組の担任の磯部 太一と言います。みんなよろしくね」
入学式も終わりクラスごとでの時間が始まった。入学式といえば地獄であった。
校長という偉い奴(?)の拷問にあったのだ。俺は修行の一環といて拷問の訓練も、精神攻撃への対処の訓練もしてきたが、あれほど非情で残酷な拷問は見たことがない。
それでも、周りの奴らはあくびをする程余裕があるのだから改めてこの学校の生徒のレベルの高さを思い知らされた。
眼力強い高等学校それがこの高校の名前だ。
偏差値は高く、運動に優れた生徒も集まる県トップクラスの学校。
勉学に優れた生徒も多く、運動に優れた生徒も多いと聞いていたが....まさかそれに加えて全員が拷問に優れた生徒とはな。
あの拷問の中、あくびをかくほど余裕があるとはみんなどんな訓練を積んだんだろうか?
「じゃあ、高校生にもなってと思うかもだけど、自己紹介をやってもらいます」
周囲から「ええー」「考えてないよ」などの声が上がるが、俺にとっては好都合だ。
何故なら今回のターゲットに近寄る為に情報は一つでも欲しいからな。
「じゃあ1番の子から前野くんよろしく」
「はい、僕は浅野 洋大って言います。
好きなことはサッカー。好きなセリフは
「安◯先生....バスケが、したいです」です。
よろしくお願います」
『いや、そこはサッカー漫画じゃないんかい!』
クラス全員から総ツッコミが入る。中々乗りのいいクラスだな。俺もついツッコミしてしまったが結果的にはみんなしたわけだから、
しないで目立つことがなくて良かった。
その後も中々個性の強い自己紹介が続き、
「22番の積木さん、よろしく」
ショートカットの落ち着いた雰囲気の女子が立ちあがる。
「はい、積木 夕といいます」
ついに来たか、早瀬成の幼馴染の積木。積木の自己紹介に注意をしつつ、俺は任務の内容を思い出していた。
*
上司からのリモートで次の任務を聞く俺にもたらされたワードは、
「早瀬 成ですか」
「そうだ、ハムハム、あの早瀬の子供だ」
早瀬 猛、それは政府が1番警戒している人物。常に彼の周りは10人以上の人員が配置され彼の一挙一動に目を巡らせている。
早瀬がテロの計画をテロ組織に売っていることは政府とて感づいてはいるが、証拠がどうも集まらず逮捕に至れない。
証拠消しのプロである。
「しかし、親が早瀬 猛とはいえ子供が同じように危険人物なんですか?」
俺は、親がそうなら子がこうという考えには抵抗がある。
「いや、そうではないのだよ。ハムハム」
「さっきから思ってたんですけど、何か食ってます?」
「ギクッ、や、焼きそばパンなんて食ってませんよぉ」
「成る程、また部下に買ってきてもらったんですね」
「な、何を根拠にそんなことを。あ、大橋君今日もパンありがとね」
「すごい。自分で否定した後にすぐに自白したぞ」
この残念なのが俺の上司霧峰 柊子さんだ。
いや、優秀なんだけどね。でも、時々残念である。
「それでハムハム、話を戻すんだが」
「すいません、内容入ってこないんで食ってからにしてもらえます?」
〜ハムハムタイム中〜
「で、さっきの話なんだが、最近捕らえたテロ組織の人間に自白剤を飲ませた所、何故か早瀬 成というワードが出てきたんだ」
「えっ!?」
早瀬 猛じゃなくてか!?
「それにだ、こちらは早瀬 猛を空き時間がないほど見張っている。なのに、最近テロのメンバーの活動が活発化し始めている」
「ということは」
「そうだ。早瀬 成が動かしている可能性がある」
珍しく、霧峰さんが真面目な顔をしている。
「でも、あくまで可能性ですよね?」
「あぁ、しかもまだ彼は中3だから可能性としては低いと思う。だが、どんな小さい可能性も見逃してはならないんだよ」
テロを許すわけにはいかない。
「ああ、そして彼は眼力強い高等学校に受験する予定らしいんだ、君も15歳だろ?」
「ってことは」
「ああ、まずは眼力強い高等学校に入学してもらいたい」
「分かりました」
*
「趣味は漫画を読むこ_____いえ、花を食べることです」
『バレてる上に、誤魔化した方のがダメなんですが』
また、クラスからツッコミがはいる。
趣味は漫画を読むことと。
積木は周りから「漫画を読む趣味は恥ずかしくないよ」と励まされてる。
まあ、本人は誤魔化せてると思ってるぽいが....。それは、それとして。
「じゃあ、23番の 手網くん」
「はい、手網 瞬太です。趣味は読書です。よろしくお願います」
手網 瞬太、それがこの高校での俺の名前だ。