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第39話 突然のデート(6)

 …………


 ……


 結局、最初のショップで白シャツとネイビーのスキニーパンツを買った僕は、タグを切ってもらってその場でそれに着替えた。

 他にもいくつか買った服は、また後日のデートの時に着る予定だ。


 それなりにお金もかかったけど、高校入学祝に手を付けてなかったので金銭的にはまだまだ十分余裕がある。


(趣味なし特技なし物欲低めのないない尽くしが、珍しく幸いしたかな)


 それに僕ももう高校生だ。

 通学だって電車になったし行動範囲も格段に広がった。


 この先のことを考えれば、とりあえずお出かけ用の服を何着か持っておいて損はないはずだ……と思う。


 それにほら?

 少なくとも西沢さんとデートに行く機会はこれからもあるはずだもんね。


 そして西沢さんが見繕ってくれたこともあって、鏡に映った新しい服に包まれた自分の姿を見ると、まるで生まれ変わったみたいな気がする僕だった。


 もちろん実際はそう大きくは変わってはいない。

 それでも、今までファッションに疎くて常にマイナス要素だった服装に自信が持てるようになったっていう、気持ちの面での影響がものすごく大きいっていうか。


「うん、すごくカッコいいよ! 佐々木くんって物静かでちょっと大人びて見えるから、大学生みたいだよ? ちょっと年上の男性って感じで、わたしこの格好すごく好きかも」


「そ、そう? ありがとう、そう言ってもらえると僕も嬉しいよ。でもそれもこれも西沢さんが一緒に選んでくれたおかげだからね」


 西沢さんから尋常じゃなく褒められてしまった僕は、照れながらも、真剣に服を選んでくれたことへの感謝の気持ちを伝えたのだった。


(でも、嬉しさと気恥ずかしさのダブルパンチで、なんだか顔が熱くなってきた……)


 とまぁそんな感じで。

 服を買って着替えた後は、西沢さんとショッピングモールをいろいろと見て回った。


 主に話し上手な西沢さんの話を僕が聞き、時々僕の話もする。


 というか深夜アニメと格ゲー以外にこれといった趣味もなく、友人関係も極めて薄い僕にはあまり話せる話題がない。

 なので自然と西沢さんの話す割合が増えたっていうか。


 そんな感じでショッピングモールを回っていた僕たちは、流れでゲームセンターに入ることにした。


 いや、誓って僕は入りたくなかったんだ。


 だって昨日の夜にネットでデートや交際について少し調べていたら、「女の子は男子がゲームをやってると暇で暇でしょうがない」って書いてあったから。


 格ゲーとか論外。

 UFOキャッチャーも取れないことが多くてカッコ悪いからダメ。


 音ゲーだけは割とありだけど、それでもせいぜいプリクラを一緒に撮るくらいにして、さっさとゲーセンを出て別のことをしましょうって書いてあったのだ。


 だからデートをするにあたっては、最初から絶対にゲーセンにだけは行かないでおこうって思っていたんだけど――。


「へぇ、佐々木くんはゲームするんだ。ふんふん、格闘ゲーム? わたしゲームしないからそういうの全然わからないんだよね。だから佐々木くんがどんなのしてるか見てみたいかも。あ、そう言えばここって3階にゲームセンターあったよね、せっかくだから行ってみない? ね? ね?」


 こんな感じで、話の流れで格闘ゲームをするって言っちゃったら、やってるところを見せて欲しいって西沢さんにせがまれてしまったのだ。


 ネットに書いてある情報を鵜呑みにしてしまい、こんなにもわくわくしている西沢さんの提案を断るのはそれはそれでどうかと思った僕は。

 あまり熱中し過ぎないようにと心の中で強く自戒しながら、西沢さんとゲームセンターに入った。


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