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第34話 突然のデート(1)

 その日の帰り道。


「ねぇねぇ、明日って土曜日でしょ? 学校休みだからデートでもしないかな?」


 その西沢さんの突然の提案に、僕は一気にピンチに陥ってしまった。

 ピンチもピンチ、大ピンチだった。


「あ、明日? 急だね?」


「うん。あ、なにか用事あった?」

「いやえっと、その……」


「ごめんなさい、急すぎたよね。佐々木くんだって予定あるもんね。急に言われても困るよね。じゃあデートはまた今度にしようね」


 言葉に詰まっている僕を見て一瞬寂しそうな顔をした後、すぐに笑顔でそう言ってくれた西沢さん。

 しっかりと自分の意見は言っても、決してそれを押し通したりはしない奥ゆかしい姿は、まさに僕が思い描く理想の女の子だった。


 だけど一瞬見せた寂しそうな顔が、僕の心をきゅっと締め付けてくる。


「日曜日じゃだめかな?」

 だから僕はそう提案した。


「わたしは日曜日でも大丈夫だよ。佐々木くんは予定とか大丈夫なの?」

「僕はあまり予定とかないから。日曜日なら全然大丈夫だから」


「じゃあ日曜日にデートだね。えへへ、実は男の子とは初デートなんだぁ」

「僕も女の子と遊びに行くのは初めてだね」


(まぁ僕の場合は女の子とだけでなく、男子の友達と遊びに行くことすらほぼないんだけどね)


「細かいことは土曜日にラインでお話する感じでいい?」

「うん、それで」


 というわけで僕と西沢さんは日曜日にデートをすることになったんだけど――、


「ヤバい、マジヤバい。ヤバすぎるってくらいにヤバい。どうしよう??」


 家に帰ってから僕は、夜になってもずっと頭を抱えていた。

 というのもだ。


「デートって何をどうすればいいんだろう? 女の子が好きそうなお店とか最近の流行とか全然知らないし。そもそもそれ以前の問題として、デートに来ていく服がないんだよね。どうしよう……」


 僕はそのことでどうしようもなく頭を抱えていたのだった。

 明日の土曜日を断ったのはこのためだ。


 とりあえず明日の土曜日は回避できたから、1日余裕がある間になんとかデートの準備をしないといけない。


 もちろん僕に、デートについてあれこれ教えてもらえるようなしゃれた友だちなんてものはいない。


 ネットでもあれこれ調べてみたものの。

 内容が全体的にふんわりしていて、何をどうすればいいのかイマイチイメージが掴みきれないでいた。


「背伸びしようとせず、自分が楽しむよりも相手が楽しむ場所を優先するようにしてみて下さい? だからそれがどこで何なのか皆目見当がつかないから困ってるんじゃないか! なんだよこのサイト、書いてる人は絶対底辺男子のわかってなさをわかってないよ!」


 僕は役に立たないふんわりサイトに文句を言いながらスマホを脇に置いた。


「ううん、それよりもまず服だよね。靴は去年お母さんに買ってもらったニューバランスのスニーカーがあるから大丈夫。友達がいなくて遊びに行く機会もないし、全然履く機会がなかったから新品同様で綺麗だし」


 言っててちょっと悲しくなったけど、おかげで靴は悩まなくてよくなった。


「だから問題は1に服で、2にデート場所だ」


 西沢さんは見るからにおしゃれそうだもん、デートが楽しみだって言ってたしすごく可愛い服で来るはずだ。

 だからせめて隣に並んで恥ずかしくならないような恰好をしていかないと。


「幸いなことにデート資金は余裕がある。お年玉も高校の入学祝もまったく手つかずで残ってるからね」


 友だちと遊びに行くこともなく、深夜アニメと格闘ゲームが主な趣味の僕は基本的にお金を使うことがほとんどない。


 毎月のお小遣いの使い道にしても、特に興味があるアニメの原作ラノベや漫画を買ったりするくらいだし。


「よし、そうと決まればまずは明日、デート用の服を買いに行こう。どこに行くかはその後ってことで」


 西沢さんと並んで歩いても恥ずかしくないように、高校のある駅の駅前にあるショッピングモールまでデート用の服を買いに行くことにした。


お読みいただきありがとうございます。

ブックマークと☆☆☆☆☆で評価していただけるととても嬉しいです……(´;ω;`)ブワッ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 佐々木君の自分磨きが始まりますね。 頑張れ~!
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