LV48 初の食事
あれから数時間経ったであろうか? フミヤは、時の羅針盤を持っていないため時間が分からない。いよいよ本格的に迷子になっているフミヤとヤマダです。
「ドライアドさん、ドライアドさん。聞こえます?」
フミヤは必死に呼びかけるが、頼みの綱のドライアドからの返事はこない。
森の首飾は、周りに生息する草木のエネルギーを媒体にしドライアドと交信できる。だが、草木がほとんど生息していないサイテハの洞窟ではエネルギーが足らず、ドライアドとの交信が行えないようだ。
「うーん、どうしよう」
頭を抱え悩むフミヤ。
「お腹減りましたね」
「だよね」
疲れて座り込んだ二人の傍らに、トカゲがヒョコっと顔を出す。
*スモラーリザードが現れた。
*スモラーリザードはフミヤ達を見つめている。
「あいつ食べれそう」
「俺にはごちそうに見えるっス」
フミヤとヤマダは意気投合し、ジリジリとトカゲとの距離を詰める。
「うりゃー」
すばやくヤマダがスモラーリザードに飛びつき素手で捕獲する。
「イタイイタイ、噛むなよ」
ヤマダに捕まったスモラーリザードは必死に抵抗し手に噛みついている。
必死に抵抗するスモラーリザートを、フミヤはアクタの剣で止めを刺した。
「食料ゲット!」
「おお! フミヤさん食べましょう」
フミヤは、ヤマダに火起こしを任せスモラーリザードを捌き、こしょうと塩で下味を付けた。
「調味料持って来てよかった」
スモラーリザードを落ちていた棒に刺し丸焼きにすると、次第に香ばしい香りが辺りに立ち込めた。
「いい香りがします」
「うまそうだ」
二人のよだれは止まらない。
こんがりと美味しそうに焼き上がったスモラーザードを二人は食す。
「それでは頂きます」
「頂きますッス!」
一人と二匹は、スモラーリザードを仲良く分け合い食べる。洞窟に入り数時間、ようやく初めての食事にありついた二人は安堵の表情を浮かべる。
「フミヤさん見てください。この腕、アイツに噛まれた所がこんなに腫れてますよ!」
「……」
「よっぽど強く噛んだんですね」
「ヤ、ヤマダ君……それ毒じゃないよね?」
「えっ、毒?」
ヤマダの顔は徐々に青ざめていく。
「毒かも……」
「……」
*フミヤは今にも泣き出しそうだ。
「え・・と あ・・あぅれ」
次第に呂律が回らなくなるヤマダ。
「ヤヒャ だ・・こ・・りょエ。」
さらに時間差で、フミヤも同じような症状を発症する。
*ヤマダはピクピクしている。
*フミヤもピクピクしている。
メロが心配して二人の体を揺さぶり起こそうとしている。何故かメロは平気なようだ。メロには大勢があるのだろう。
フミヤは薄れゆく意識の中、ヴィオラと楽しく過ごした日々が走馬灯のように駆け巡っていくのであった。
*フミヤは毒耐性LV1を習得した。
*ヤマダは毒耐性LV1を習得した。
キラーバイソン 体長3~5mの大蛇モンスター
キングスパイダー 体長2m前後の大蜘蛛モンスター
スモラーリザード 体長30㎝ほどの小ぶりなトカゲモンスター(毒持ち)




