LV12 初めての討伐
今日はヴィオラと二人で初めてのモンスター討伐。――というものの、対象目的は最弱モンスタースライム。
スライムは料理店に欠かす事ができない食材で、この世界に唯一のゼラチンモンスターである。スライムから採取できるスライムゼリーは、料理のとろみ付けやスイーツに多く使われているのだ。
ちなみにスライムは軟体生物ではあるがちゃんと手足があり頭には角の様な触覚が一つ付いている。
街から少し離れた草原を二人で仲良く歩くヴィオラとフミヤ。
「二人でお出かけなんて久しぶりですね」
「そうだね」
軽快な足取りで草原へ向かう笑顔の二人。するとさっそく、草原を気持ちよさそうに歩いたり、お尻を使って跳ねたりしているスライムを発見。
*スライム達が現れた。
「任せてフミヤ、ライトニーング」
*ヴィオラは魔法を唱えた。
*スライム達を倒した。
数匹いたスライム達はフミヤが一歩も動く事なく一瞬にして消し炭になってしまった。
「……」
「フミヤ、ごめんね。結構加減したんだけど」
「あ、ああ」
*スライムレッドが現れた。
*ヴィオラはスライムを軽く殴った。
*スライムレッドは粉々に飛び散った。
周辺にいるモンスター達は、勇者ヴィオラの異常なまでの闘気に気付き、一目散に草原の奥へと逃げ出す。
ヒューーールルル
辺りに聞こえるのは寂し気な風の音のみ、フミヤとヴィオラの付近から魔物の気配が全てなくなった。
「……ヴィオラ、今度スライムがでたら俺がやってみるよ」
「うう……ごめんなさい」
「大丈夫大丈夫。しかし、本当に敵が一匹もいなくなったな」
「あっ」
ヴィオラは ピンと閃いた。
「フミヤ、いい方法を思いついたよ。」
ヴィオラは腰元の袋に入ったアイテム取り出し燃やし始める。
「おお、なるほど。ケマッタの実だね」
「そうそう、ケマッタの実の匂いは魔物が大好きなのよね」
「さすが、ヴィオラ!」
ケマッタの実は風に流され、周辺に香ばしく美味しそうな香りが広がる。
「おっ さっそく来たぞ」
*スライムが現れた。
スライムはテクテクとゆっくりこちらに近付いて来る。
「えええい」
フミヤは走り寄り、手に持っていた剣を振るいスライムを倒した。
*スライムが現れた。
「たああぁ」
*フミヤはスライムを倒した。
フミヤはヴィオラとの日々の生活により格段にレベルアップしている。
「どんどんこーい」
フミヤは初めての討伐がだんだんと楽しくなってきた。
「この調子なら大丈夫そうね。フミヤ--! 少し奥の方まで行ってくるね」
「りょーかーい」
ヴィオラは「ここなら安全だ」と思い、フミヤ一人を残し別の素材収集のため、草原の奥地へと進む。
淡々とスライムゼリー集めに勤しむフミヤ。
しばらくしてフミヤは、剣を鞘に納めた。ケマッタの香りも消えてなくなり、辺りにスライムの姿は見えなくなっていた。
「これだけゼリーが集まれば十分だ。店で新商品でも考案してみよう」
「……ヴィオラはまだかな?」
フミヤはその場に座り、ヴィオラの帰りを待つ事に。仕事の疲れからか、平原の奥地をぼんやり眺めながら、フミヤは次第にウトウトしだす。
その時、背後から忍び寄る大きな影がフミヤの体を覆う。
「ん?」
寝ぼけた表情でふと振り向いたフミヤ……。――が次の瞬間、まるで時が止まったかのように固まる。
*ジャイアントスライムが現れた。
*ジャイアントスライムはフミヤに圧し掛かってきた。
ズズーン‼
「ぎゃ!」
それから間もなくして、草原奥地から帰還したヴィオラは、地面にめり込むフミヤを発見し大慌てで介抱したらしい。
*フミヤは 即死耐性が3から4に上がった。
スライム 頭のてっぺんに一本の触覚を持つ二足歩行のぷよぷよとした軟体生物。可愛らしい外見をしているが敵とみなすと襲ってくる。
ケマッタの実 焼くととてもいい香りがする。モンスターの好きな匂いである。
ジャイアントスライム スライムの巨大版(全長は10m~20mに及ぶ。フミヤが出会ったのは10m級)




