⭕ 子供部屋 5
従姉:クルチェール
「 専属侍女は居たんだけど、今は帰省してるんだ 」
ベアリーチェ
「 帰省ですの〜〜? 」
従姉:クルチェール
「 うん。
おめでたでさ。
〈 セレネイ 〉が不在になる前だっかたから、無事に帰省出来たと思うよ 」
ベアリーチェ
「 そうでしたのね〜〜 」
従姉:クルチェール
「 〈 セレネイ 〉が不在になる前からバタバタしてたから、オレの専属侍女は未だ決まってないんだ。
まぁ、大抵の事は自分で出来るから良いんだけど… 」
ベアリーチェ
「 後任の侍女さんが早く決まると良いですわね〜〜 」
従姉:クルチェール
「 そうだな… 」
セフィ:セフィロート
「 クルチェール様もベリィお嬢様も、料理をいただいてはどうですか? 」
従姉:クルチェール
「 そうだな。
食べよう、ベリィ 」
ベアリーチェ
「 いただきますわ〜〜 」
オレとクルチェは向かい合った状態で、両手の指を胸の前に組むと〈 大陸神ティトドムヒ 〉に食前の祈りを捧げた。
祈りを捧げ終えたら、一緒に料理を食べ始めた。
昼食の料理は軽食だ。
スープと具沢山のサンドイッチと一口サイズにカットされた果物だ。
サンドイッチは具材の種類が豊富で食べごたえがあるから嬉しい。
果物も食べ易い大きさにカットされているから有り難い。
スープはサイコロサイズに切られた野菜が入っていて、おかわり自由なんだ!
おかわり自由、大好き♥
スープに入ってる薄切りのキノコがまた美味いんだよな〜〜。
スライスされたマッシュルームに似てるんだけど違うみたいだ。
今朝の色んなキノコがたっぷり入ったキノコのキッシュも美味かったんだよなぁ〜〜。
午後のティータイムに今朝と同じキノコのキッシュを出してもらえる事になっるから楽しみなんだよな〜〜♪
ふへへ(////)
食事を楽しみながら、クルチェとピクニックの話で盛り上がった。
マチルフォント家は、今月は何かとバタバタしているらしくて、ピクニックをするなら来月以降にならないと難しいらしい。
クレルとパムの予定もあるから、4人で会える日が中々決まらない。
クレルもパムも何かと忙しいらしいんだ。
だから、オレは駄目元で例の件をクルチェに話してみる事にした。
例の件が何かって?
クルチェにシュケルハン侯爵領の中にあるエンディミン邸に来てもらって、長期滞在してもらう件だ。
クルチェは剣術の稽古をしたがっている。
アンベート伯爵家へ行った際には、パムのお姉様とお兄様と一緒に剣術の師匠に剣術を習っていて、マチルフォント公爵家に居る間は剣術の師匠から教わった素振りや筋トレを護衛騎士に見てもらっているらしい。
剣術の鍛練は家族に内緒でしているらしいから、思いっきり出来ない事を悩んでいる。
エンディミン邸には過去に鬼剣神と呼ばれていたお祖父様が居る。
それにシュケルハン侯爵領地専属の騎士隊の騎士達もエンディミン邸に暮らしている。
剣術に長けた先輩達が沢山居て、剣術を習い易い環境となっている。
オレの婚約者様とライエルの護衛騎士も滞在している。
歳の近い剣術のライバルが居た方が、クルチェにとってもライエルにとっても良いと思うんだ。
剣術を通して仲良くなって、御互いを気にしだして、好き合ってくれるようになって、「 婚約したい 」って事になってくれたら、オレ的には有り難いんだよなぁ〜〜。
仲良くなって云々については、クルチェには言わない事にしている。
折角出来た友達から軽蔑なんか、されたくないからだ。
エンディミン邸には剣術に夢中になっても煩く文句を言ったり怒ったりする大人なんか居ないから、クルチェは好きなだけ筋トレが出来るし、広い庭を走り回ったりだって出来る。
オレだって、クルチェと一緒に羽目を外して羽根を伸ばせるってもんだ。
ダンスや勉強の類いはセフィロートが教えてくれるから、家庭教師なんて居なくても困らない。
──と言うわけで、オレはクルチェに提案の1つとして話してみた。
クルチェはオレの提案に対して瞳をキラッキラッと輝かせながら、身を乗り出して聞いてくれた。
食い付きが良過ぎるよ、クルチェ〜〜〜。
従姉:クルチェール
「 ──是非、行きたいよ!
良いなぁ、エンディミン邸…。
お父様とお母様に許可を貰わないといけないから、何時になるか分からないけど……。
でも、何時でも行けるように準備はしとくよ! 」
ベアリーチェ
「 クルチェと一緒に滞在出来る日が楽しみですわ〜〜 」
従姉:クルチェール
「 オレもだよ!
でもさ、正直に話すと許してもらえないかも知れないから、別の理由を考えた方が良いと思うんだよな。
何て言えば許可してもらえるのかな? 」
クルチェ……、侍女さん達が居る事を忘れてないか?
侍女さん達の前で堂々と嘘の証言をする為に考えるなんて、クルチェは度胸あるなぁ。
大丈夫かなぁ…?
う〜〜〜ん、果物美ん味ぁ〜〜〜い♥
何の果物かは知らないけど、シャクシャクしてて甘くて美味しい。
甘過ぎない程好い甘さだから、幾つでも食べれちゃうよ、コレ!
侍女
「 お嬢様、宜しいでしょうか? 」
従姉:クルチェール
「 うん?
どうしたの、ディスラ 」
侍女:ディスラ
「 はい。
エンディミン邸へ行かれたいのでしたら── 」
まさか侍女さん達がクルチェに案を出すなんて思いもしなかった。
マチルフォント公爵家の侍女さん達は、クルチェに優しいみたいだ。
クルチェの悩みに真剣に知恵を出し合ってくれている。
オレが口出しする必要はないみたいだな。
従姉:クルチェール
「 有り難な、ディスラ,モネリア,セルビナ!
ベリィ、ディスラ達が出してくれた案ってどうかな? 」
ベアリーチェ
「 ワタクシは良いと思いますわ〜〜。
セフィはどう思いますの〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 クルチェール様が剣術の稽古をする事を良く思って居られないのでしたら、良い案だと思います。
実際にワタシが家庭教師をさせていただきますし、嘘にはなりません 」
◎ 訂正しました。
ライムエント ─→ ライエムント