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❗✒ 侯爵令嬢は悪役令嬢になって、王子殿下に「 婚約を破棄する 」と言わせた~~~い!!  作者: 雪*苺
【 十七日目 】 シュケルハン侯爵領 シュケルハン侯爵邸
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⭕ 【 ベアリーチェの誕生日パーティー 】 パーティー会場 5 / さぁ、ダンスの時間だ 1


ベアリーチェ

「( 話してると、あっと言うだな。

   教えてくれてがとな、セフィ。

   急いで戻るよ! )

  ──クルチェ,クレル,パム……ワタクシ、お色直しへ行きますわ〜~ 」


従姉:クルチェール

「 えっ?

  お色直し?

  もうそんな時間かよ?

  早いなぁ 」


従姉:クレリエンヌ

「 最後のお色直しでしたわね〜。

  楽しみですわ〜♥ 」


再従妹:パムミメーラ

「 ……ベリィはどんなドレスを着ても似合う…。

  ……絶対に可愛い…(////)」


ベアリーチェ

がとう御座いますわ〜~(////)

  行ってますわ〜〜 」


 クルチェ(クルチェール)クレル(クレリエンヌ)パム(パムミメーラ)に手を振ると、オレ(ベアリーチェ)は転ばないように注意しながら、ドルシー(専属侍女)の元へ向かった。











 3度目のお色直しを終えてパーティー会場へ戻ると、ダンスが始まろうとしているところだった。


 ダンス…。


 お披露目ダンス……。


 忘れてたぁぁぁぁぁああああああっ!!!!


 そう言えば、オレ(ベアリーチェ)の誕生日を祝う為に勝手に開かれた誕生日パーティーなのに、だか祝われる側のオレ(ベアリーチェ)が人前でダンスを披露しないといけない悪習があったんだっけぇ!!


 デビュタント……だっけ??


 招待に応じて出席してくれた親族,親類,親戚──一族への御礼も兼ねたダンス……。


 盛大なパーティーを開いて人を招待しないで、身内だけでパーティーしてくれていいのに、貴族社会ってなんいち(いち)豪勢なパーティーを開きたがるんだよ?


 この悪習もお貴族様(金持ち)の道楽かよ…。


 こんな大勢に囲まれた中で注目を浴びながら踊りたくねぇぇぇぇええええええっ!!!!


 視線がいよ!!


 特に野郎共のオレ(ベアリーチェ)を上から下まで舐め回すようないやらしい視線が過ぎるぅぅぅううううう!!!!


 初めて出来た友達にもオレ(ベアリーチェ)のダンスを見られるんだぞ!


 こんな大勢の前で失敗したら…………大恥を掻いて、シュケルハン侯爵の名前に泥を塗る事になり兼ねない!!


 オレ(ベアリーチェ)……立ち直れなくて、そのまま引きこもりのニートになっちまうよぉぉぉおおおおっ!!!!


 ピンチなオレ(ベアリーチェ)は一体どうしたらいいんだよぉぉぉおおおお!!!!


 オレ(ベアリーチェ)の顔は笑っているけど、心の中では両手で髪を掻きむしっていた。


 誰かオレ(ベアリーチェ)を助けてくれ────。


ベアリーチェ

「( ──セフィ、どうしよう…。

   オレ…こんな大勢のる人前でダンスなんて踊れないよ…!!

   折角、友達も出来たのに──。

   友達の前で不様な格好を晒して恥なんて掻いたら、どんな顔して会えば……。

   いや…もう2度と会えないかも……。

   そんなのだよ…。

   オレ(ベアリーチェ)がダンスで失敗して笑い者になったら、シュケルハン侯爵まで貴族界で笑い者になる!!

   身内が…家族が……オレ(ベアリーチェ)なんかの所為で……大恥を掻いて迷惑を掛けちゃうよ……。

   セフィ──、オレはどうしたらいいんだ??

   どうしたらダンスを失敗しないで最後までちゃんと踊れるんだ?? )」


セフィ

『 そんな事です?

  ワタシのベリィ、ワタシに任せてください 』


ベアリーチェ

「( セフィ?

   なんとか出来るのか?? )」


セフィ

『 実体化したワタシとダンスを踊ればいです 』


ベアリーチェ

「( えっ…??

   セフィ……ダンスを踊れるのか?? )」


セフィ

『 ふふふ。

  踊れます。

  待っていてください 』


ベアリーチェ

「( う、うん……。

   分かったよ。

   セフィを待ってるよ )」


 オレ(ベアリーチェ)はダンスを踊り易いドレスを着ている。


 まさにダンスを踊る為に考えられた上品で可愛いドレス…。


 オレ(ベアリーチェ)ドルシー(専属侍女)と一緒に立っていた。


 暫くすると、まるで十戒のように人が道を開け出した。


 会場がザワザワとざわめき出したかと思うと、会場にる全員の視線を釘付けにしている人物が現れた。


 その人物は颯爽と歩いている。


 一目見て、実体化してくれたセフィだって事が分かった。


 オレ(ベアリーチェ)より頭1つ分ぐらい背の高いセフィの周りには、キラキラした光が幾つか浮いている。


 妖精さんだ。


 雪のように真っ白い髪をなびかせながら、オレ(ベアリーチェ)に向かって上品に歩いてる。


セフィ

「 ──御初に御目に掛かります。

  僕はタシィルドレテク・セロッタと申します。

  ベアリーチェ様、どうか1曲、僕のお相手をお願い致します 」


ベアリーチェ

「 ──喜んでお受け致しますわ〜〜 」


 オレ(ベアリーチェ)は迷わずセフィの手を取った。


 目の前のセフィはまるでぞの王子様っぽく見える。


 セフィのエスコートは完璧だった。


 全ての所作が人間離れしているみたいに美しくて、オレ(ベアリーチェ)とセフィを取り囲んで見ている大人達が、セフィに見惚れているのが分かる。


 本来ならばオレ(ベアリーチェ)に向けられる筈の視線も全部、セフィに向けられている。


 優雅で華麗な一切の無駄の無い洗礼された動きに、会場内の誰もが釘付けになっていた。


 セフィが視線を独り占めしてくれて、マジで助かるよ!!


ベアリーチェ

「{ ──凄いな、セフィ!

   みんながセフィに注目してるよ!!

   視線が釘付けだな }」


セフィ:タシィルドレテク

「{ ベリィが緊張しないように、ワタシを5割増しに見せてますからね。

   周りに浮いている妖精の力です }」


ベアリーチェ

「{ 妖精さんって凄いんだな! }」


セフィ:タシィルドレテク

「{ ワタシのベリィ、肩の力を抜いて、身体からだをワタシに委ねてください。

   ダンスは妖精がフォローしてくれます。

   始めましょう }」


ベアリーチェ

「{ おう!

   頼むよ、オレのセフィ!! }」


セフィ:タシィルドレテク

「{ ワタシのベリィ、きみの望むままに── }」


 会場に音楽が流れ始めた。


 オレ(ベアリーチェ)はセフィとダンスを踊る。


 オレ(ベアリーチェ)は苦手なダンスをちゃんと踊れていた。


 どうやって動いていいのか全然分からないけど、妖精さんがフォローしてくれているのか、自然と手足が動いてくれている。


 妖精さん、マジでパネぇぇぇええええ!!


 妖精さんの力って、マジで凄いな!!


 リズミカルなステップもターンも、どんといだぜ!!


 オレ(ベアリーチェ)自身の力で踊ってるわけじゃないけど、ダンスって楽しいんだな!


 セフィとなら疲れ知らずのままなん時間でも踊っていられる!!






 きょくが終わってしまった。


 楽しいダンスの時間は終わったんだな…。


ベアリーチェ

「{ セフィ… }」


 名残惜しかった。


 このままセフィの手を離してしまうのは、いやだな…。

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