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♥ 馬車の外


──*──*──*── 馬車の外


 馬車から降りたオレ(ベアリーチェ)は、生まれて初めて領地外の土を踏んだ。


 此方こっちには人影が無いな。


 反対側かな?


 オレ(ベアリーチェ)は人影の見えた反対側に移動する事にした。






 反対側に移動したら人影が見えた。


 なんじゅうにんもの武装した人達がなにかと戦っているように見える。


 なにと戦っているんだろうな?


 なんか、あっちの遠くに黒っぽいのが見えるし……。


 なんだろう??


 からじゃあ、く見えないよ…。


 10歳の子供の背丈じゃ見える物も見えやしないよな。


 ──そうだ!


 馬車の屋根にがろう!


 そうすれば向こうでなにが起きてるか分かると思うし!


 よぉ〜〜〜し、思い立ったら吉日だ!


 オレ(ベアリーチェ)は馬車の屋根によじ登る事にした。


 前世が大学生の男を舐めんなよ!


 ドレスを着てたって木登りぐらい出来るんだからな!


 今から登るのは木じゃなくて馬車だけど。


 オレ(ベアリーチェ)は早速、馬車の屋根にがる為に馬車をよじ登り始めた。











 ──ふぅ〜〜……馬車の屋根にがる侯爵令嬢なんて前代未聞だよな。


 れ、明らかに見晴らしのくなったこの高さからなら遠くでなにをしているかの分かるよな。


 えぇ〜〜〜と……武装した人達が軽装してる人達と戦ってるみたいだな。


 武装してるのは……騎士団かな??


 もしかしたら、領地外で怪物モンスターや魔物を退治して回ってる王国騎士団かも知れない。


 じゃあ、騎士団に戦いを挑んでいる──って言うか、騎士団を襲ってる軽装の人達はなんなんだろうな?


 黒っぽいのは馬車かな??


 倒れてるみたいだ。


 もしかして、あの横転してる馬車が襲われている所に騎士団がとおり掛かったのかな??


ベアリーチェ

「 ──セフィはるんだ? 」


セフィ:セフィロート

ます。

  ベリィ、馬車の屋根にがるとは、お転婆ですね 」


ベアリーチェ

「 セフィ!

  たんだよ?

  全然戻ってないんだもんなぁ。

  デザート、食べ終わっちゃったよ 」


セフィ:セフィロート

「 様子を見に行ってました 」


ベアリーチェ

「 様子?

  彼処あそこなにをしてるんだ? 」


セフィ:セフィロート

「 エルフの家族が乗っていた馬車が盗賊に襲われたようです。

  襲われている最中に騎士団がとおり掛かったのでしょう。

  騎士団が盗賊と交戦してますけど、どうやら盗賊はタダの盗賊ではないようです 」


ベアリーチェ

「 どゆこと? 」


セフィ:セフィロート

「 冒険者ライセンスを剥奪された者達が盗賊として領地外で好き勝手しているのでしょう。

  タダの盗賊ならば騎士団の敵ではないですけど、元冒険者である為かなり手強く、騎士団も苦戦してます。

  当分、決着は付きそうもないです 」


ベアリーチェ

「 セフィ、盗賊に襲われたエルフの家族は無事なのか? 」


セフィ:セフィロート

「 残念ですけど、手遅れでした 」


ベアリーチェ

「 えっ……全員殺されちゃったのか? 」


セフィ:セフィロート

「 そうですね。

  男性は全身を滅多刺しされて生き絶えてましたし、女性は身ぐるみを剥がされたあと、盗賊達に強姦された挙げ句に殺されたようです。

  子供は………… 」


ベアリーチェ

「 セフィ、子供はどうしたんだよ? 」


セフィ:セフィロート

「 3人ましたけど、全身を切り刻まれ、バラバラ死体となってました。

  生存者はません 」


ベアリーチェ

「 …………エルフの殺し方が一方的過ぎるし、残酷過ぎやしないか?

  物凄く恨まれていたのかな? 」


セフィ:セフィロート

「 さぁ…どうでしょうね。

  とおり掛かっただけのワタシには分かりません 」


ベアリーチェ

「 …………じゃあさ…、騎士団は盗賊に無惨な形で殺されたエルフの家族の仇を討つ為に盗賊と交戦してるのか? 」


セフィ:セフィロート

「 さて、どうでしょう。

  人間はエルフを敵視してます。

  エルフが手酷い殺され方をされたからと言って、騎士団がエルフの仇を取る為に盗賊を捕らえるような事はしません。

  エルフの家族殺しにはなにかしら裏があるかも知れませんね 」


ベアリーチェ

「 裏って…… 」


セフィ:セフィロート

「 人間社会は暗躍だらけです。

  面白い 」


ベアリーチェ

「 精霊には面白いだろうけど、人間には面白くないよ…。

  折角さ、クルチェの屋敷に招待されてクルチェと遊べるって、ワクワクして楽しみにしてなのに、道中に見ず知らずのエルフの家族が盗賊に襲われて殺されちゃった現場を横切る事になるなんてな…… 」


セフィ:セフィロート

「 今は傍観してますけどね 」


ベアリーチェ

なんかさぁ、胸の辺りがムカムカするんだ。

  なモノを見せられちゃったからかな? 」


セフィ:セフィロート

「 馬車の中にれば、いやなモノを見ずに済みましたし、知る事もなかったでしょうに。

  ベリィのお転婆さん 」


ベアリーチェ

「 まぁ、そうなんだけどさ…。

  気分が悪いから、あの盗賊を根刮ぎ一網打尽に出来ないかな?

  なんでエルフの家族の馬車を襲ってむごい殺し方をしたのか明らかにするんだ。

  それで、一体の誰が関与さてるのか調べて、吊し上げるんだ!

  人間の盗賊に仲間を殺されただけじゃなくて、辱しめられて殺された事が知れたら、エルフが怒って≪ バルハロン王国 ≫に戦を仕掛けてるかも知れないよ。

  エルフの使う魔法は人間の魔法より強力なんだろ?

  人間にはが悪いと思うんだ。

  この事件に裏があるなら、明らかにして犯人達をエルフに送り着けちゃおうよ! 」


セフィ:セフィロート

「 それがベリィの望みなら、ワタシはベリィの望みを叶えるだけです 」


ベアリーチェ

「 セフィ…。

  がとな(////)」


セフィ:セフィロート

「 妖精に任せましょう。

  ベリィの望みに応えてくれます 」


ベアリーチェ

「 うん! 」


セフィ:セフィロート

「 馬車に乗りましょう 」


 セフィにお姫様抱っこをされたオレ(ベアリーチェ)は、馬車の屋根から降ろされて、馬車の中へ入れられた。


 セフィが合図を出すと馭者が停まっていた馬車を走らせ始めた。

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