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❗✒ 侯爵令嬢は悪役令嬢になって、王子殿下に「 婚約を破棄する 」と言わせた~~~い!!  作者: 雪*苺
【 二十四日目 】 シュケルハン侯爵領 シュケルハン侯爵邸 ─→ エンディミン邸 ─→ フィールド ─→ シュケルハン侯爵邸
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✒ 【 阻止された暗殺 】 客室 2


 じぃさん(ステイン)め、オレ(ベアリーチェ)が話さなくても事情を知ってるくせに!


 なんわざ(わざ)オレの口から言わせたいんだか。


 ライエルに自覚させる為か?


 まぁ、いいや。


 聞かれたからには答えないといけないよな。


 オレ(ベアリーチェ)老執事ナイロートと話した内容を包み隠さず話す事にした。


 その前に、お祖父様とセフィの打ち合いを見ている最中に、いきなりライエルから突き飛ばされた事も忘れずに話しておく。


 これでライエルが、いきなりオレ(ベアリーチェ)を突き飛ばさないといけなかったのか──()ゆう()をライエル自身の口から聞ける筈だ。


 まぁ、大体の事情は分かっているんだけどな。


 オレ(ベアリーチェ)じぃさん(ステイン)と似てるなぁ。











 オレ(ベアリーチェ)が知っている事は話終えた。


 紅茶菓子に出されているクッキーを摘まんで口に入れる。


 ティーカップに注がれた紅茶を飲んで、口の中を潤した。


ベアリーチェ

「 ──ワタクシの知っている事は、これで全てですわ〜〜 」


 ほっこりした笑顔をじぃさん(ステイン)に向けて微笑む。


 じぃさん(ステイン)はまるで自分が知っている情報とオレ(ベアリーチェ)の話した内容を擦り合わせているかのように聞いていた──ように思う。


 実際にどうかは知らんけどな。


お祖父様:ステイン

「 成る程な…。

  ──して、ライムエント王子殿下よ。

  貴殿が、ワシの可愛い孫娘を地面へ突き飛ばさなければならなかったのか──、詳しい事情を聞いてもよいですかの? 」


婚約者:ライエムント

「 ………………お話します 」


 ライエルは戸惑いながらも、覚悟を決めたように頷いた。


 オレ(ベアリーチェ)は左手をライエルの右手の上に重ねた。


 ライエルはチラリとオレ(ベアリーチェ)の顔を見る。


 だからオレ(ベアリーチェ)は、ライエルに対してニコリ──と笑顔を向けた。


 ホッとしたのか、ライエルもオレ(ベアリーチェ)に柔らかい笑顔を向けてくれた。


 オレ(ベアリーチェ)の中身が男じゃなかったら、オレ(ベアリーチェ)はライエルに惚れていただろうか。


 うん、分からん。


 ライエルは自分が体験した事を包み隠さず話始めた。


 オレ(ベアリーチェ)の知らないライエル視点の話だ。


 護衛騎士ナルギフに剣術の稽古を受けていただけの事はあるのだろう。


 ライエルは “ なにか ” を察知し、違和感を覚えたらしい。


 「 ヒュッ── 」と言う風が切られた音が聞こえたのが、ライエルの命を救う事になったらしい。


 でライエルが「 ヒュッ── 」と言う不可解な音に気付かなければ、ライエルは老執事ナイロートの剣を避けきれず、心臓に剣が突き刺さっていた──との事だ。


 オレ(ベアリーチェ)を突き飛ばしたのはやり過ぎだとあとから思ったらしいが、その時は無我夢中だったらしい。


 なにせライエルの視界に入ったのは、首を跳ねられて胴体だけになった身体からだが地面に倒れていて、大量の血で地面を汚していたからだ。


 なにが起きたのかライエルにも把握は出来なかったようだが、くない事が起きた事は理解出来たらしい。


 兎に角オレ(ベアリーチェ)から逃がさないといけないと強く感じたらしく、婚約者である自分を盾にしてオレ(ベアリーチェ)なんとか護衛騎士ナルギフの元へ走らせようと思ったらしい。


 オレ(ベアリーチェ)を突き飛ばしたのは、やり過ぎだったと後悔しながら──、剣を構える老執事ナイロートと対峙していたそうだ。


 ライエルの表情は辛そうだった。


 声を絞り出すように話すライエルの声は震えるている。


 老執事ナイロートの失礼極まりない発言にキレたオレ(ベアリーチェ)が、ライエルを後ろへ下がらせて、オレ(ベアリーチェ)じか老執事ナイロートと対峙して話始めた事も正直に話しやがった。


 ライエルめ──っ!!


 は馬鹿正直に話さなくてもいいんだ!


 少しはオレ(ベアリーチェ)の身になってくれよ…。


 老執事ナイロートと話終えて、オレ(ベアリーチェ)がライエルへ振り返ったのを見逃さなかった老執事ナイロートは剣をオレ(ベアリーチェ)の頭へ目掛けて降り下ろしたらしい。


 その瞬間、剣が地面に落ちる前にオレ(ベアリーチェ)の背後で大量の血が飛び散ったらしい。


 なにが起きたのかライエルにも分からなかったらしく、老執事ナイロート身体からだが “ なにか ” がぶつかったように消えて行くのが見えたそうだ。


 風は吹いていなかったらしい。


 声を発する前に、老執事ナイロートの姿が消えてしまい、ライエル自身もなにが起きて、どうなってしまったのか分からなかったんだとか。


 ただライエルに分かっていたのは、飛び散っている大量の血と、老執事ナイロートが愛用していた剣が血まりの中に落ちている事ぐらいだったとか。


 8年間、共に過ごして老執事ナイロート、自分に剣先を向けて殺そうとしてたのか──、ライエルには分からなかった。


 だけど、オレ(ベアリーチェ)老執事ナイロートの会話を聞いて、ライエルは────。


 信じたくないと──、これは悪い夢なのだと──、自分は悪夢を見ているだけだと──、起きたらベッドの中にて、老執事ナイロートもみたいに起こしてくれるんだと──、老執事ナイロートが目の前で死んでしまった事を認めたくなくて、信じたくなくて……そう思い込もうとしていそうだ。


 なければ、老執事ナイロートは死なずに済んだし、オレ(ベアリーチェ)だって序でに命を狙われる事はなかっただろう。


 ライエルの殺害はか別の場所で行われたかも知れない。


 老執事ナイロートにライエルが殺害される日がる迄は、ライエルは老執事ナイロートと偽りだらけの楽しい()を過ごせていたかも知れない。


 それはそれでどうなんだろうな…。


 ライエルは悲運な星の下に生まれた王子なのかも知れない。


 それと婚約破棄は別問題だけどな!


 ライエルも知っている内容を話終えた。


ベアリーチェ

「 ライエル様〜〜 」


 オレ(ベアリーチェ)はライエルの名前を呼んで、ライエルの右手をギュッと握ってあげた。


 話終えれたライエルは少しだけ顔色が戻ったように見えた。


お祖父様:ステイン

「 ──成る程な…。

  セフィがワシ宛に送ってくれた報告書と類似しているな。

  馬鹿弟子めが…。

  選りに選って王子殿下の殺害に手を貸すとは…情けない…… 」


セフィ:セフィロート

「 正気を失っていたのかも知れませんよ 」

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