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❗✒ 侯爵令嬢は悪役令嬢になって、王子殿下に「 婚約を破棄する 」と言わせた~~~い!!  作者: 雪*苺
【 二十四日目 】 シュケルハン侯爵領 シュケルハン侯爵邸 ─→ エンディミン邸 ─→ フィールド ─→ シュケルハン侯爵邸
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✒ 【 さぁ、宴の時間だ! 】 訓練場 3


 モタモタしているライエルに向かってキツい口調で言うと、ライエルは素直に従ってくれた。


 従順な子供は好きだ。


婚約者:ライエムント

「 リーチェ… 」


 オレ(ベアリーチェ)の態度が豹変した事にライエルは戸惑っているみたいだ。


 まぁ、そりゃあ……普通は驚くよな。


 たけどさ、ライエルの序でに殺そうとされてるのに、お嬢様のフリなんてしてられないだろがよ!


 オレ(ベアリーチェ)だ10歳になったばっかりなんだぞ!


 簡単に殺されて堪るか!


 オレ(ベアリーチェ)はドレスに付いた汚れを払いながら、老執事ナイロートを見上げて睨み付ける。


ベアリーチェ

「 ナイロートさん、ライエルを殺すなら、別にじゃなくてもかったろ?

  でも殺せたわけだしな。

  でないとまず()ゆう()でもあるのかな?

  例えば──、シュケルハン領を手に入れる為に、ライエルの滞在先でライエルを殺害するとかさ。

  あらかじめ、シュケルハンに王子殿下の暗殺疑惑がある事を流しといての犯行だ。

  そうすればシュケルハンをライエムント王子殿下殺害犯として裁けるよな。

  邪魔なシュケルハン侯爵から爵位を剥奪して、シュケルハン領を没収して、大貧民にでも落とせば、アンタの御主人様はシュケルハン領を手に入れられる──ってところかな?

  オレ(ベアリーチェ)は子供だから、なんでアンタの御主人様がシュケルハン領なんかを手に入れたがってるのかは知らないけど、馬鹿な真似はめた方がいいよ。

  アンタ自身の為もあるし、アンタの御主人様の為でもあるんだ。

  ライエルを殺すのも、オレ(ベアリーチェ)を殺すのもめた方がいい。

  後悔したくないだろ? 」


老執事:ナイロート

「 お喋りなお嬢様ですな。

  ワタクシの御主人様がシュケルハン侯爵を邪険にしているのは事実です。

  シュケルハン領を手に入れたいと言われているのも事実です。

  御主人様が目障りなライエムント王子殿下の殺害を計画されたのも事実です 」


 マジかよ…。


 適当に言ってみただけなのに当たってたよ…。


ベアリーチェ

「 ──なら、オレ(ベアリーチェ)をライエルの婚約者に選んだのは、ライエル殺害の罪をシュケルハンに擦り付ける為か?

  目障りなライエルは死ぬし、邪険にしてるシュケルハン侯爵から爵位を剥奪して、シュケルハン領地を没収して、シュケルハン一家を没落させて大貧民に落として、シュケルハン領地を我が手に治める。

  なんだよ、一石五鳥じゃないか! 」


婚約者:ライエムント

「 リーチェ…なにを…… 」


ベアリーチェ

「 全く、迷惑旋盤な話だよなぁ!

  アンタの身勝手で自己中で計画の所為で、オレ(ベアリーチェ)の家族を不幸のドン底に叩き落とそうなんて、黙って見過ごせるかってぇの!

  オレ(ベアリーチェ)も鬼じゃないからさ、殺害計画を断念して尻尾を巻いて御主人様の所に帰るなら、オレ(ベアリーチェ)の慈悲で見逃してやってもいいよ?

  オレ(ベアリーチェ)はセフィと違って優しいからさ! 」


老執事:ナイロート

「 セフィ?

  あの執事か。

  あんな執事になにが出来ると言うのかね? 」


ベアリーチェ

「 お祖父様と互角に──って言うか、押してるだろ。

  きっけんしんって呼ばれて恐れられていたお祖父様を相手に押してるんだ。

  現役時のピークの強さは過ぎちゃってるだろうけど、アンタよりも強いと思うよ。

  精霊の加護憑きは伊達じゃないだろうし。

  でもさ、オレ(ベアリーチェ)のセフィは現役時代にバリバリマックスチートだったピーク全盛期のお祖父様よりも強いんだ。

  アンタもアンタの仲間も、王国騎士団が束になって掛かってたって、セフィには敵わないよ。

  大人しく裸足でトホホしながら御主人様の所に帰りなよ。

  命あっての物種って言うだろ? 」


老執事:ナイロート

「 目の前に極上の獲物がるのに狩らずに帰れといいますかな。

  それは無理ですな 」


ベアリーチェ

「 そうだよ、帰るんだよ。

  回れ右して手ぶらで帰るんだ。

  そうすればアンタの御主人様だって、五体満足な身体からだのままで生きていられるよ。

  でアンタが、オレ(ベアリーチェ)とライエルに剣を降り下ろしたら、アンタもアンタの御主人様も人生の終わりだよ。

  オレ(ベアリーチェ)は優しいからさ、チャンスを与えてるだよ。

  まさか──、オレ(ベアリーチェ)の慈悲を見す見す無駄にするつもりじゃないよね、ナイロートさん? 」


老執事:ナイロート

「 私は任務を遂行するのみ!!

  ライエムント王子殿下とベアリーチェ侯爵令嬢にはで永久の眠りについていただく!! 」


ベアリーチェ

「 あっそ──。

  残念だよ、ナイロートさん。

  ライエルがアンタの事を気に入ってるみたいだからさ、出来る事なら助けてあげたかったんだけどなぁ……。

  ライエル、ナイロートさんが自分で選んだ選択なんだから、オレ(ベアリーチェ)を恨むなよ 」


婚約者:ライエムント

「 え…?

  リーチェ……どう言うこ──── 」


 ライエルがオレ(ベアリーチェ)だ言い掛けている最中なのに、オレ(ベアリーチェ)の背後で老執事ナイロートの断末魔が聞こえた。


 血飛沫が派手に飛び散る。


 ライエルの方を向いていたオレ(ベアリーチェ)の顔に老執事ナイロートの血が付く事はなかったけど、外出用のドレスは台無しだ。


 それにライエルの驚愕した顔が物すんごい。


 そうとうショッキングなシーンをガッツリと目撃してしまったんだろう。


 両目を見開いたまま立ち尽くしている。


 開けっぱなしの口がアワアワと動いているけど、声は出ないみたいだ。


 両目には溢れんばかりの涙が溜まっていて、今にも放水が始まりそうだ。


 オレ(ベアリーチェ)の周りにはセフィが生み出した妖精さん達がなんじったいも浮いている。


 オレ(ベアリーチェ)が自信まん(まん)に強気でリアル殺人キラー(ナイロート)と話が出来ていたのは、妖精さん達のお蔭だ。


 断末魔を上げたリアル殺人キラー(ナイロート)は、オレ(ベアリーチェ)の忠告を無視して、オレ(ベアリーチェ)に剣を降り下ろしてしまったんだろう。


 その結果、リアル殺人キラー(ナイロート)は妖精さん達にべられてしまったわけだな。


 容姿が光の玉の妖精さん達が一体どうやって、リアル殺人キラー(ナイロート)べたのか、ライエルを見ていたオレ(ベアリーチェ)には分からない。


 だけど、ライエルは見てしまったんだ。


 信頼して好いていた専属執事ナイロートの死にざまを瞬きしないでガッツリと目撃してしまったんだ。

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