♥ 子供部屋 4
セフィ:セフィロート
「 そうなります。
精霊の加護を受けた者は、加護を与えた精霊の命には逆らえません。
ステイン様は必ず王子殿下の後ろ楯となってくださいます 」
婚約者:ライエムント
「 …………貴殿は何処まで知って── 」
セフィ:セフィロート
「 ワタシはただの亜人です 」
ベアリーチェ
「 セフィはワンコ族ですわ〜〜 」
婚約者:ライエムント
「 ワンコ…族??
聞いた事のない種族の名前だね… 」
護衛騎士:ナルギフ
「 王子殿下、人犬族の事ではないですか?
犬人族にも犬獣族にも見えませんし… 」
婚約者:ライエムント
「 人犬族…確かに── 」
セフィ:セフィロート
「 ワタシは人狼族です 」
婚約者:ライエムント
「 人狼族…。
人狼族と言えば珍しい種族だと教わったな… 」
ベアリーチェ
「 お父様も同じ事を言ってましたわ〜〜 」
婚約者:ライエムント
「 人狼族の執事は初めて見たよ 」
ベアリーチェ
「 セフィはタシィの専属執事でしたから、タシィと一緒に≪ ヤブカニズダ帝国 ≫へ行く予定でしたの〜〜。
でも…≪ ヤブカニズダ帝国 ≫は亜人類の入国を禁止していて……セフィはタシィに着いて行けませんでしたの〜〜。
タシィが護衛も兼ねたセフィをワタクシの専属執事になれるように斡旋してくれましたわ〜〜 」
婚約者:ライエムント
「 そうなのか…。
確かに≪ ヤブカニズダ帝国 ≫は必要以上に亜人類に対して敵対心を持っているようだね。
理由は分からないけれど… 」
セフィ:セフィロート
「 ≪ ヤブカニズダ帝国 ≫が亜人類を敵視している理由は、学院の授業で教わると思います。
今、知る必要もないでしょう 」
婚約者:ライエムント
「 そうか? 」
セフィの淹れてくれる紅茶を飲みながら、オレ達は、他愛のない色んな話をした。
無礼講って事で、身分なんか関係無く、笑ったり、呆れたり、怒ったり──、和気藹々とした楽しい時間を過ごした。
時間が過ぎるのは早くて、時計を見た時には3時間も経っていて、既に22時を回っていた。
打ち解けれたのが嬉しくて、未々話足りなかったけど、ライエルはナルギフと一緒に子供部屋を出て、3階に用意された部屋へ戻って行った。
オレもセフィと一緒に部屋へ戻る事にした。
子供部屋を出ると、侍女と侍女見習い達が廊下で待機していた。
何時から待機していてくれたのか分からないけど、子供部屋の後片付けを代わりにしてくれるみたいだ。
22時を過ぎているのに有り難いな。
オレは侍女と侍女見習い達に「 お願いしますわ〜〜 」と声を掛けてから、セフィと一緒に部屋へ向かった。