⭕ 【 ベアリーチェの誕生日パーティー 】 パーティー会場 1 / いざ、戦場へ
──*──*──*── 1階・パーティー会場
ドルシーの言った通り、パーティー会場には人が多かった。
大人が多いけど子供も居る。
こんなにオレの誕生日パーティーに大勢の貴族が来てるなんて、恐いなぁ…。
陸でもない野郎共の下心をビンビン感じる。
然も、男が多い所為なのか、胸の中がムカムカして吐き気がする。
オレは無意識にドルシーの手をギュッと握っていた。
前世での事がある所為で、オレは異性の野郎共が苦手だ。
オレは前世で男だった。
オレが死んだのは多分、大学生──19歳 〜 21歳の時だと思う。
曖昧だなぁ…。
オレは中学までは至って平凡な人生を送っていた。
オレの人生が平凡でなくなってしまったのは、高校生になってからだったと思う。
オレは共学の高校に行きたかったけど、両親から却下されて男子校へ行かされる事になった。
自宅からは通わず、寮に入れられた。
男子校は全寮制の高校だったんだ。
周囲が男だらけで、やたらとBL男子の多い男子校だった気がする。
クラスメイトからストーキングやら痴漢やらもされた経験がある。
親友だと思っていた友人に告白されたり、押し倒されたりした経験もあった。
押し倒された時なんて、本気でヤバいと思ったけど、未遂で済んだから良かったよ…。
クラスメイトだけじゃなくて、他のクラスの男子生徒や男性教師からも迫られたりしたし……。
散々な思いをした所為で、オレは同性に対して苦手意識を持ってるわけだ。
異性の彼女が欲しかったから本当は共学校に通いたかったのに……男子校に入れられるなんて最悪だよな。
なんでオレを男子校に行かせたんだか……。
学費を支払うのは親だから、高校に行かせてもらえるだけでも十分に有り難いんだけどさ……。
オレの3年間はクラスに恵まれなかったと思う。
クラスメイトにはガチホモが居て、かなり特殊で癖のあるクラスだったように思う。
男性教師とデキてるなんて当たり前で、男性教師と堂々と付き合っていたり、イチャコラしていた男子学生もかなり居た気がする。
他人の目なんか気にしないで、男が男とイチャイチャするなんて日常茶飯事な男子校だった。
BL野郎ばかりに囲まれた苦悩だらけの高校生活をなんとか3年間耐え抜いて、BL野郎に染まる事なく無事に卒業した。
オレは前世の自分を全力で誉め称えたい!!
高校卒業後は合格した希望の大学へ入学して、晴れて大学生となった。
可愛くてシャイな彼女も出来て、大学生として文句なしの楽しい大学生活をエンジョイしていたオレだったけど、楽しい大学生活は意外な形で終わりを向かえてしまった。
初めて彼女の家へ遊びに行った時、彼女の兄達と初めて顔合わせをした。
妹の彼氏であるオレに対して、フレンドリーに接してくれて、直ぐに打ち解けて仲良くなって、気さくで優しくて楽しい兄達が出来たと思えて嬉かったのを覚えている。
オレの人生が狂い出したのは、彼女の兄貴達から告白されてからだ。
彼女の兄貴は3人居て、オレは3人の兄貴達からガチマジの告白をされた。
オレは愕然としたし、「 またかよ! 」って本気で思ったね!
オレは同性の男なんかと付き合う気なんて無かったし、「 男と付き合いたい 」なんて思わない人種なんだよ!!
丁重に断ったけど、受け入れてはもらえなかった。
直ぐに拉致されて、監禁された後、オレは彼女の兄貴達3人に押し倒されて、襲われた。
勿論、抵抗はした。
抵抗したけど……1:3じゃ、分が悪過ぎる。
無力なオレは結局、4Pされる羽目になって、悪魔のような3人から無理矢理●●●●を突っ込まれて、強引に容赦なくズッコンバッコンされて、大事な初めてを奪われたんだ!!
解放されても、表向きは彼女と付き合いながら大学生活を送っては、裏では彼女の兄貴達から一方的に愛されるという迷惑行為が毎日続いた。
毎日4Pされる事に耐えられなくなったオレは、とうとう大学を中退して失踪したんだ。
捜されるのが嫌だから、携帯は解約した。
彼女にも何も告げずにオレは悪魔のような3人の魔の手から逃げ出したんだ!!
失踪後、オレは何処で何をしていたのか覚えていない。
記憶がスッポリとなくなってしまっているんだ。
多分だけど、オレがセフィを助けたのは、記憶のない失踪中の最中だったんだろう。
前世のオレは行方知れずのまま、人生を終えたんだ……。
前世の死因はセフィが聞かせてくれたから、多分そうなんだろう。
陸な人生じゃなかったよな…。
男に好かれて、強姦されて、強引に初めてを奪われて、弄ばれて……後半は本当に散々な人生だったと思う。
見知らぬ犬を助けて、男子学生達にボコられ続けるとか、マジで笑えない。
オレが目を覚ました時には、もう赤ん坊になっていた。
自分の性別が女だと分かった時のオレの落胆ようは凄まじくて、絶望さえした。
だって、女だよ!
子宮があって、卵巣のある女だよ!
オレは本気で人生詰んだと思ったね!!
前世では男だったから、どんなに犯されて、中出しされて、精液を大量に注がれたとしても、孕む心配だけはなかった。
だけど、女として生まれてしまった──という事はだ、身体が女という事はだよ、妊娠してしまうわけだよ!!
胎内には子供を育てる為に不可欠な──子宮と卵巣があるんだよ!!
男女の行為によって、中出しされて、大量の精液を胎内へ注がれでもしたら……孕んでしまうんだぞ!!
前世みたいにちゃんと避妊が出来ればいいけどさ、それでも1000%完全無欠に防げるわけじゃない。
この世界の避妊方法が何れぐらい効果があるのか、9歳の小娘のオレには分からない。
恐ろしいよ…恐ろし過ぎるぅぅぅぅううううう!!
オレはもう、男と●●●●なんてしたくない!!
身体が女なら尚更だ!!
オレは妊娠なんてしたくないし、子供だって産みたくない。
況してや親になって、子育てをするなんて、絶対に嫌だ!!
前世で散々された忌まわしくて、恐ろしくて、おぞましい悪魔の儀式を女の身体なんかで出来るもんか!!
オレの心が死ぬぅぅぅぅううううう!!!!
男と結婚して夫婦になんか絶対になりたくない!!
絶対に避けられない悪魔の儀式をしないで済む為には、出来る限り自分から異性に近付かずに関わらないようにする事だ。
オレが女だって分かった日、幼いながらに決意したんだ。
オレは世俗を捨てて、修道院に入って、性欲や●●●●とは無縁な人生を送れる修道女になって慎ましく生きるんだって!!
オレが夢を叶えるには1人じゃ無理だ。
セフィの協力が不可欠になる。
きっとセフィなら、オレの力になってくれると思う。
そんなわけで大勢の男を見ると、オレは「 ウエッ!! 」てなるんだ。