⭕ 【 ベアリーチェの誕生日パーティー 】 ベアリーチェの自室 3 / ウータンに、あばよ
──*──*──*── 誕生日パーティー・当日
──*──*──*── ベアリーチェの自室
何やらかんやら色々とあったけど、オレは無事に誕生日パーティーの日を迎える事が出来た。
待ちに待った御馳走が食べれる日だ!!
テンションアゲアゲMAXタイフーンだぜ!!
パーティー中に御馳走を食べれる気がしないから、料理の確保はセフィに頼む事にした。
この世界にはタッパーが無いから料理を入れて部屋に持ってく事が出来ないのが辛い。
なんだけど、妖精に頼めば料理を部屋に移動させる事が出来るらしい。
妖精さん、最高にイケてるぅ!!
妖精さんが料理を預かってくれている間、料理が冷めたり、痛んだりしないらしい。
だから、パーティーが終わった後に、冷めてしまった料理じゃなくて、出来立てホカホカの料理を食べる事が出来るんだ!!
妖精さんに足を向けて寝れないな!
御馳走を食べるまで、オレは “ 侯爵令嬢ベアリーチェ ” として頑張ろうと思う。
人間ってさ、何処の世界に居ても “ 御褒美 ” がないと頑張れないんもんなんだよ!
オレの場合は御馳走なんだ!
ベアリーチェ
「( セフィ、デザートに出されるスイーツの確保も頼むな。
出来れば全種類がいい! )」
セフィ
『 任せてください。
御馳走とデザートは全種類5人前ずつ確保します。
妖精に預けていれば、食べたい時に食べれます。
楽しみにしていてください 』
ベアリーチェ
「( 任せた!
妖精さんにも宜しくな )」
セフィ
『 ふふふ 』
専属侍女:ドルシー
「 お嬢様、終わりました。
如何ですか? 」
オレのメイクアップをしてくれるのはドルシーの役目だ。
たった1人でオレの身の回りの世話をしてくれる出来る侍女だ。
ドルシーはセンスがあるし、抜群に良いと思う。
可愛いに関したら、ドルシーに任せておけば先ず間違いないだろう。
ドルシーはオレの可愛さを如何に引き出して、相手に見せるかって事に全身全霊を注いで全力で取り組んでくれる信頼の出来る侍女でもある。
オレの発作を爆発させてくれるのは、何時だってドルシーだ。
男の身体じゃなくて、本当に良かったよ。
男の象徴の●●●●が付いてたら、ヤバい事になってるからだ。
9歳の女の子に勃起なんてしまくってたら、オレは確実に犯罪者だ…。
ま、まぁ…それだけ姿見に映るオレの容姿が激鬼レベルでヤバ可愛いって事なんだけどな!(////)
この可愛さはガチマジでバズりそうだ。
ベアリーチェ
「 可愛いですわ〜〜(////)
別人みたいに見違えりましたわ〜〜。
本当に…この子はワタクシですの〜〜?? 」
専属侍女:ドルシー
「 勿論ですわ、お嬢様!
ベアリーチェお嬢様で間違いありませんわ 」
ベアリーチェ
「 ドルシーに任せて良かったですわ〜。
有り難うございますわ〜〜ドルシー。
ポッ(////)」
オレは胸に抱いているウータンをギュッと抱きしめて、頬を赤らめながら、嬉しそうに微笑んでみた。
くぅ〜〜〜鏡越しのオレ、クッソ可愛いな!!
ドルシーなんて両目に涙を溜めて潤ませてるよ…。
今にも号泣しそうだ。
ベアリーチェ
「 ドルシー、お色直しもお願いしますわ〜。
次のドレスが楽しみですわ〜〜 」
専属侍女:ドルシー
「 お嬢様〜〜(////)」
わぁお……本気で泣きそうだよ…ドルシー。
ベアリーチェ
「 ドルシー。
ワタクシ、そろそろ行きますわ〜〜 」
専属侍女:ドルシー
「 あっ──、そうで御座いますね。
旦那様も奥様も、お嬢様の登場を首を長くしてお待ちして居られますわ。
──お嬢様、ウータン様には、お部屋でお留守番をしていただきましょう 」
ベアリーチェ
「 ウータンも一緒ではいけませんの〜〜? 」
専属侍女:ドルシー
「 お嬢様、パーティー会場へウータン様を連れて行くと無くしてしまう恐れがあります。
パーティー会場は人が多いですから 」
ベアリーチェ
「 そうですの〜〜?
ウータンを無くすのは嫌ですわ〜〜 」
オレは今にも泣きそうな顔で、困ったように呟いてみた。
まぁあね、誕生日パーティーの会場に迄ぬいぐるみを持ち込むのは、オレ自身もどうかと思う。
ドルシーの言う通りだ。
確かに人が多く集まるような場所に大事な物を持ち込むと、無くしてしまう可能性は高い。
此処は持ち込まない方が吉だ。
オレは今にも泣きそうな顔をして、ウータンをソファーの上に座らせた。
ウータンはオレが生まれた日に兄貴から贈られたプレゼントらしい。
オレとウータンの付き合いは9年ある。
そりゃ、愛着だって湧くってもんだ。
幼い子供の最初の友達になるのは、大体が生まれた日に家族から贈られるぬいぐるみだったりする。
足の裏に生まれた日にちや名前を刺繍して生まれた日に赤ちゃんに贈るのが貴族の間では恒例行事になっているらしい。
お貴族様の道楽だな。
愛着のあるぬいぐるみを手離すわけだから、別れを惜しむようにしないとな。
1度ソファーに座らせたウータンに両手を伸ばして、掴んだら胸の前でギュッと抱きしめる。
「 ウータン…… 」と小さく呟いてみる。
ドルシーには名残惜し気に見えてるかな??
こういう仕草を態と計算的にするのって、 “ あざと可愛い ” って言うんだったっけ??
あざとく見えても困るんだよなぁ…。
オレは一応、天然系おっとりお嬢様を目指してるわけだから、自然体に見えないとさ。
態とらしく見えるのはNGなわけだよ。
専属侍女:ドルシー
「 …………お嬢様…(////)」
ドルシーはウータンとベアリーチェを見て潤んでいる。
どうやらオレの杞憂だったようだ。
チョロいよ、ドルシー。
専属侍女:ドルシー
「 さぁ、お嬢様…。
お部屋を出て、パーティー会場へ行きましょう 」
ベアリーチェ
「 分かりましたわ〜〜。
ウータン、行って来ますわ〜〜 」
今度こそ本当にウータンをソファーの上に座らせたオレは、ウータンに手を振りながらドルシーと一緒に自室を出た。