♥ ベアリーチェの自室 5
セフィ:セフィロート
「 ──ベリィ、紅茶です。
デザートもどうぞ 」
ベアリーチェ
「 有り難な、セフィ!
パーティーに出されたデザートだな! 」
セフィ:セフィロート
「 未だ残ってます。
他のも食べたいなら出します 」
ベアリーチェ
「 いや、これだけで良いよ。
お楽しみは明日に取っとかないとな! 」
セフィの淹れてくれた紅茶を飲みながら、パーティーのデザートで出されたスコーンを食べる。
はぁ〜〜〜……幸せぇ〜〜〜〜(////)
身体が女なのは残念だけど、生まれ変われて幸せぇ〜〜〜(////)
紅茶とスコーンを堪能していると、部屋のドアがノックされた。
誰だろう?
ベアリーチェ
「 誰かな? 」
セフィ:セフィロート
「 ドルシーしかいません。
ワタシが出ます。
ベリィは靴を履いて、姿勢を正してください 」
ベアリーチェ
「 あっ、そうだった!!
寛ぎ過ぎてたぁぁぁぁ!! 」
オレは慌てて、脱いでいた靴を履いて、背筋を伸ばしてからソファーに座り直した。
お上品にしないと、ドルシーが気絶しちゃうよ!
準備を整え終えたオレは、セフィにドアを開けるように頼んだ。
セフィが両開きのドアを開けると、オレのドルシーが立っていた。
ベアリーチェ
「 ──ドルシー、待たせてしまって御免なさいですわ〜〜 」
専属侍女:ドルシー
「 お嬢様、お勉強の邪魔をしてしまい申し訳ありません 」
ドルシーはオレとセフィに深々と頭を下げてくれる。
セフィ:セフィロート
「 休憩に入った所でしたし、大丈夫です 」
専属侍女:ドルシー
「 そうですか…(////)」
セフィと目を合わせたドルシーは顔を赤らめながら、セフィから目を逸らしす。
はっは〜〜〜ん、ドルシーめぇ、さてはセフィに一目惚れしちゃってるんだな??
セフィの美貌にクラクラのメロメロ〜〜ンなんだな?
そう言えば……、亜人類のフェロモンは人間のフェロモンより強いんだっけか??
いや、でも…セフィは精霊だからなぁ。
精霊にフェロモンなんか無い。
セフィの顔と声に「 ドッキュ〜〜〜ン 」って殺られちゃったんだな、ドルシー。
ベアリーチェ
「 ドルシー、どうしましたの〜〜?
顔が赤いですわ〜〜。
疲れてますの〜〜? 」
オレは心底心配そうな顔をして、ドルシーに駆け寄った。
ドルシーは「 大丈夫です! 元気です! 」って力一杯否定してくれた。
言えないよな?
「 セフィロートを見ていたら、子宮がキュンキュンするんですぅ〜〜(////)」なんて、オレとセフィの前で言えるわけないよな…。
なるべく早目に休ませてあげよう…。
ベアリーチェ
「 ドルシー、何かありましたの〜〜? 」
専属侍女:ドルシー
「 お嬢様宛にお手紙が3通届いております。
お持ち致しました 」
ベアリーチェ
「 お手紙ですの〜〜?
嬉しいですわ〜〜(////)」
ドルシーは持っていた3通の封筒をセフィに手渡すと「 失礼致しました 」と言って部屋を出て行ってしまった。
出てくの早過ぎないか、ドルシー。
少しぐらい紅茶を飲みながら、オレと雑談ぐらいしてくれてもいいだろうに…。
ベアリーチェ
「 行っちゃったな…。
忙しいのかな?? 」
セフィ:セフィロート
「 勉強中ですし、侍女の分を弁えたのでしょう 」
ベアリーチェ
「 別に弁えてくれなくていいのに…。
──で、誰からの手紙なんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 クルチェール,クレリエンヌ,パムミメーラからです 」
ベアリーチェ
「 クルチェ達から?!
マジか!
昨日の今日かよ。
早いなぁ。
早速、読んでみよう! 」
封筒の封を開けてくれたセフィから便箋を受け取る。
如何にも女の子らしくて可愛いバルハロン文字で書かれた手紙は、クレルからみたいだ。
へぇ〜〜、クレルって、こんなに可愛い字を書く子なんだな。
美文字ではないものの、読み易い手紙だ。
…………高校時代にも居たなぁ〜〜〜。
男なのに、女の子らしい可愛い丸字を書いてた奴が居たんですよ。
ご親切にオレ宛にラブレターを書いてくれやがった奴だ!
オレは字を見て、女子からのラブレターだって本気で思って喜んでたのに、書いたのはゴツい男子生徒だって知った時は、ラブレターを破った後、燃やして灰にしてやったよ!!
紛らわしい字で書きやがってさ!
男からのラブレターなんか要らねぇってぇのっ!!!!
嫌な事を思い出しちゃったな…。
だけど、今回、オレに手紙をくれたのは、正真正銘の由緒正しい女の子だ。
素直に嬉しい(////)
ラブレターじゃないけど、テンション上がっちゃうなぁ(////)
次の手紙は誰のかな?
セフィから2通目の便箋を受け取って、書かれている内容を読んでみる。
…………達筆な字だ。
誰が書いた手紙なのかというと──、パム……だと?!
おぃおぃ、マジかよ?!
パムって9歳になったばかりじゃないのかよ?
9歳で達筆って……どゆことだよ??
すげぇよ、パムさん…。
達筆──とは言うものの、未々子供らしいあどけなさが文字に表れている。
パムの直筆で間違いないだろう。
将来が楽しみに思える字だな…。
──さてと、クレル,パムと続いたから最後の3通目はクルチェからの手紙だろう。
クルチェはどんな字を書いてるのかな?
封筒の封を開けてくれたセフィから便箋をから受け取ると、オレはワクワクしながらクルチェが書いてくれた便箋を広げた。
────パタン。
思わず便箋を畳んでしまったよ……。
無意識って怖い!!
クレルとパムの直筆を見た後で見たのがいけなかったのか??
恐ろしい何かを目撃した気がするよ…。
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、どうかしました?
クルチェールからの手紙は読みません? 」
ベアリーチェ
「 …………読むよ。
うん……読むよ…。
うん…………チャントヨミマスヨ〜〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 本当にどうしました? 」
…………セフィが心配そうな面持ちでオレを見つめている。
クルチェって12歳なんだよな??
12歳ってさ、もう少しマシな字を書いてなかったかな??
もしかしたら…オレの字よりも酷いかも…。
鯔のつまりだ、汚文字を書くオレを凌ぐ汚文字だという事だ。
公爵令嬢だよな??
汚文字はアカンだろう…。
人の読める字を書く──ってのは、スッゴく大事なんだな。
◎ 訂正しました。
一昨日 ─→ 昨日