✒ ベアリーチェの自室 5 / 領地開拓 3
収穫する時期を考えて種を植える時期をずらさないといけないよな。
≪ 集落 ≫≪ 村落 ≫ ≪ 町 ≫≪ 街 ≫に暮らす領民には近くの田畑の収穫をしてもらおう。
大きな田畑で稲,小麦,砂糖黍,甜菜,大豆を栽培したいな。
まぁ、此処等辺もセフィに相談だな。
あっそうだ、他所の領地に開墾,開拓をしてる事を知られないようにしないとだよな。
王族にも知られないように手を回さないと!!
オレはセフィに領地開拓している事を各領地や王族に知られないように出来ないか相談してみた。
セフィ曰く、既に手を打ってくれていたみたいだ。
頼まなくてもしてくれるなんて、セフィってば気が利くなぁ(////)
セフィが魔法で目隠しをしてくれているから安心して領地開拓を進められるわけだ。
良かったぁ〜〜〜。
道路の完成が楽しみだよ(////)
領地開拓の授業ばかりしているわけにもいかないから、合間にセフィから他の授業も受けている。
亜人類についてや亜人類にしか発音の出来ない亜人類語,亜人類にしか使えない魔法,亜人類のみが使える能力解放,亜人類の生態,亜人類の歴史,各国における亜人類への対応なんかをセフィから学んだ。
思いっきり雑学的な感じだ。
亜人類も大陸語を話すし、大陸文字を書くけど、亜人類同士だと亜人類語で話したり、亜人文字を書いたりするらしい。
人間には発音は出来ないけど、亜人文字を書く事は出来るから、セフィに教えてもらった。
亜人類から見た場合、大陸語を話ながら、亜人文字を使う人間に見られるわけだ。
前世で例えると、日本語を話しているのに書いている文字はポルトガル語やスペイン語とかの外国語だったりするって感じだ。
亜人類は人類と違って色んな種族があって、種族からも◯◯◯◯族って幾つかに分かれるらしい。
覚えるの大変そうだな。
亜人類語は、どの種族にも通じるけど、種族毎にも言葉や文字があるらしい。
建国した国が自国専用の文字を作るみたいな感じかな?
種族語を理解出来るのは、その種族だけらしいから秘密の暗号みたいな感じがする。
のめり込んで沼にハマらないようにしないといけないよな。
後は、現在の国々が栄えている前は、どんな名前の国が栄えていたのか──とか、滅んだ理由は何なのか──とか、大陸の歴史なんかもセフィに教えてもらった。
他にはどんな名前の大陸があるのか──とかも教えてもらった。
セフィは11万年も精霊として生きてるから、物凄く物知りで話を聞くのが楽しくて仕方無い。
ファンタジーな世界っていいなぁ。
セフィに教えてもらった知識を使って、物語でも書いてみたいかも知れない。
物語を書けれる程の文才力がオレにはないけど……。
ベアリーチェ
「 ──セフィ、開墾や開拓を進めるのは良いんだけどさ、魔素が噴き出してる所はどうしたらいいんだ?
亀裂をどうにかしないといけないんだよな? 」
セフィ:セフィロート
「 心配無用です。
雨が降る日は魔素も出ません。
特殊な泥水を亀裂へ流して塞ぎます。
魔素も出て来ません 」
ベアリーチェ
「 そうなのか?
そんな事が出来るなら聖女なんて居なくていいんじゃないのか? 」
セフィ:セフィロート
「 聖女は必要ですよ。
ワタシはベリィの授業を成功させる為に苦肉の策を使った迄ですし 」
ベアリーチェ
「 苦肉の策??
どゆことだよ? 」
セフィ:セフィロート
「 特殊な泥水を使うと言ったでしょう?
亀裂の中に泥水を流し込み、妖精を入れます。
その上に泥水を流し込み、妖精を生き埋めにします。
こうすれば亀裂を塞いで魔素が噴き出さないように出来ます 」
ベアリーチェ
「 …………は??
妖精さんを生き埋めにする?? 」
セフィ:セフィロート
「 そうです。
亀裂の中に流し込んだ泥水の間と上から流し込む泥水で妖精をサンドイッチします 」
ベアリーチェ
「 お゛……鬼ぃ゛!!
妖精さんは精霊からしたら弟妹みたいなもんなんだよな??
なのに生き……生き埋めにするのかよ!? 」
セフィ:セフィロート
「 そうですね 」
ベアリーチェ
「 『 そうですね 』じゃ、ないだろう!
オレは嫌だよ!
妖精さんを生き埋めにしてまで領地開拓なんてしたくないよ!!
オレは……領地開拓なんて止めるっ!!
領地開拓なんてしないっ!! 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィ……。
生き埋めにしたからといって、妖精は死にません。
精霊にも妖精にも寿命はありませんからね 」
ベアリーチェ
「 セフィ!!
寿命がなくて死なないからって、生き埋めにするのは良くないよ!!
酷いよ、非道だよ!! 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィの役に立てるのですよ。
喜んで生き埋めになってくれてます 」
ベアリーチェ
「 は…??
生き埋めになってくれてる??
既に──って事かよ?? 」
セフィ:セフィロート
「 はい♪
言わなければ良かったです? 」
ベアリーチェ
「 …………妖精さんが…オレの所為で生き埋めに……。
こんなのって……ないよ… 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、落ち込まないでください。
魔素が噴き出す亀裂は、雨が止んでしまう前に塞いでしまう予定です 」
ベアリーチェ
「 セフィ…………。
何でそんなに平気で居られるんだよ… 」
セフィ:セフィロート
「 精霊ですし。
自ら犠牲になってくれた妖精達の為にも領地開拓を進めましょう。
『 止める 』なんて言わないでください。
犠牲なくして成功はないですし、何かを成し遂げる事も出来ません 」
ベアリーチェ
「 セフィ〜〜〜…… 」
セフィ:セフィロート
「 ふふふ♪
ワタシが生み出した妖精ですし、ベリィが気にする事はないですよ 」
ベアリーチェ
「 気にするよぉ〜〜〜。
もぅ……。
勝手に妖精さんを犠牲にするのは金輪際止めてくれよな… 」
セフィ:セフィロート
「 安心してください、ベリィ。
シュケルハン侯爵領以外ではしません 」
ベアリーチェ
「 当然だろ!!
妖精さん……オレなんかの為に…… 」
なんてこったい……だ。
こんな酷い事が許されちゃって良いのかよ……。
オレには精霊と妖精の考えが分からないよ……。
なんで……オレの為に簡単に犠牲になれちゃうんでよぉ……。
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、夕食後は音楽の授業をしましょう 」
ベアリーチェ
「 音楽の授業??
夜に音楽って……大丈夫なのか? 」
セフィ:セフィロート
「 防音魔法を張りますし大丈夫です。
今夜は歌の練習をしましょう 」
ベアリーチェ
「 う…歌ぁ?!
歌うのかよ…。
オレ……歌は苦手なんだよ。
前世は音痴だったんだ…。
カラオケに行って歌うのは好きだったけど、歌い出しはズレるし、音程はズレるしで最悪だったんだぞ! 」
◎ 領地開拓の為に妖精を生き埋めにする主人公が居るでしょうか??
個人的には他にも居て欲しいと思っています。