✒ ベアリーチェの自室 ３ ／ 領地開拓 １
──＊──＊──＊── ８日後
──＊──＊──＊── ベアリーチェの自室
中庭で花図鑑を作った翌日から今日まで、ずっと雨が降り続けている。
ずっと強い雨が降り続けているわけじゃなくて、小降りになったり、中降りになったり、大降りになったりして、雨の強さはバラバラだ。
今は中降りの雨が降っている。
庭の畑を借りれるように話が付いたのに、雨の所為で畑に野菜の種を撒けれないのが残念でならない。
ベランダ菜園をする野菜と苺の種は既にプランターに撒けた後だ。
何でプランターがあるのかって？
セフィの生み出した妖精さんが世界中に散らばっていて、各国を偵察をしてくれているのは、知ってくれてるよな？
セフィが用意してくれた家庭内菜園やガーデニンなんかに使う道具が掲載されているカタログを見ながら、欲しいプランターや上木鉢，必要な道具なんかをチョイスしたら、セフィが妖精さんに伝えてくれるんだ。
妖精さんに同じ様なプランター，上木鉢，道具類なんかを見付けてもらって、 “ 妖精の悪戯 ” 現象を使って一時的に拝借してもらう。
妖精さんが拝借してくれた道具類をセフィが〈 テフ 〉で構成して、同じ物を作り出してくれる。
１つあれば十分だから、拝借した道具類を妖精さんに元の場所へ戻してもらう。
この作業を繰り返すお蔭で、０Ｅからベランダ菜園を始められたわけだよ！
この方法を駆使しまくれば、０Ｅから農業チートも建設チートも好き放題にやらかせるってわけだよ！
領地を楽々開墾チート，開拓チートする事だって出来るんだ！！
チートって最っ高！！
チート、万歳！！
世界をチートで無双したいっ！！
…………オレがチートなわけじゃなかったな…。
セフィと妖精さんが居てくれて、本当に有り難い！！
雨が止まずに降り続けている間に、オレとセフィはお父様を前にして、手作りのプレゼン資料とプレゼントークを炸裂させて、領地開拓の了解と許可を勝ち取る事が出来ていた。
妖精さんが描いてくれた完璧過ぎるシュケルハン侯爵領の地図で恩も売れたし、セフィと妖精さんに手伝ってもらって完成させたプレゼン資料も大いに役に立ってくれたみたいだ。
授業の一環として、【 領地開拓 】をテーマにして取り組んで作成した資料なのが良かったのかも知れない。
問題点に対する適切な改善点や適切な改善方法なんかもお父様の目を惹いてくれたんじゃないかな。
銭子ちゃんさえたんまりあれば、実現可能な事ばかりだ。
資金さえあれば、何でも出来る。
資金がないから、領地開拓をしたくても出来やしない。
他所に頭を下げ回って資金援助を頼んで、多額の借金をして、利子まで付けられて、一族総出で子々孫々まで辛くて苦しくて惨めな思いをしてまで領地開拓する捨て身の覚悟もない。
そんなシュケルハン侯爵領には、精霊憑きのオレが居た。
オレがお願いすれば、妖精王のセフィと妖精さんが惜しみ無く手助けをしてくれる。
０Ｅからでも楽々に領地開拓だって出来ちゃうんだ！！
此処は大事な所だから、１０回は言いたい。
これこそがシュケルハン侯爵領の強みなんだ！！
──というわけで、この大きな強みを最大限に活かしまくって、領地開拓をしたい事をお父様に力説したわけだ。
元手０Ｅから始められる領地開拓は、あくまでも授業の一環だから、大々的に領地開拓をするんじゃなくて、目立たない場所から進めて行くのを条件にしてお父様に『 イエス 』と言わせた。
セフィが言わせました。
精霊のセフィは巧みな話術で人間を滴込むのが上手いんだ。
言霊の力って言うのかな？
精霊の言霊は強い力を秘めているらしくて、人間は骨抜き状態になって逆らえなくなるらしい。
精霊の言霊力──、恐るべしだ。
怖いよ…セフィ…。
頼むから、オレには使わないでくれよ〜〜〜。
そんなわけで、沢山の妖精さんが雨の中で粛々と道路建設チートを進めてくれている。
精霊や妖精は天候には左右されないらしい。
先ずは手始めに≪ 集落 ≫ ←─→ ≪ 集落 ≫を繋げる道路を建設してもらっている。
ぶっちゃけると、オレは道路の作り方──行程を知らない。
アスファルトの原料が何で、どう加工したらアスファルトが出来るのかって事も知らない。
此処が前世の代日本なら、スマホで検索して簡単に道路の建設動画を見られるんだろうけど……、それは出来ない。
セフィも前世は犬視点からの道路は見慣れているとは思うけど、犬だからなぁ……。
道路の事で悩んでいたら、道路を建設していた大陸が過去にもあった事を教えてくれた。
どうやら前世の日本と酷似していた文明が別の大陸には、あったらしい。
何で滅んでしまったかって？
それはオレも気になったからセフィに聞いてみたら、自転の向きが変わった事で滅んでしまったらしい。
自転の向きが変わった……はぃぃぃぃ？！
自転の向きが変わっちゃう事ってあるのかぁぁぁぁぁ！！
何で自転の向きが変わってしまったのかと言うと──、遥か昔の人類が科学文明を発達させ過ぎてしまった所為で死の星になりかけたから、手遅れになる前に精霊達で星の自転を「 あ〜らよっ 」と変えてしまったらしい。
精霊って、そんな事まで出来ちゃうのかよ！！
遥か昔の人類がやらかした所為かぁ！！
実は、この星の自転の向きは５２４８回ぐらい変わってるらしい。
自転、変え過ぎだよぉぉぉぉぉ！！！！
精霊曰く、人類は科学文明を発展させ過ぎると陸な事をしないらしい。
………………人類って…学習しないんだぁ……。
そんなわけで、過去に存在していた物と現在存在している物は〈 テフ 〉で構成する事が出来るから、道路や外灯に関しては心配する必要はないらしい。
因みに外灯じゃなくて、照明灯って言うらしい。
何でセフィがそんな事を知ってるんだよ。
前世は犬だったんだよな？？
精霊になってからの知識なのか？？
◎ 訂正しました。
≪ 廃村 ≫ ←─→ ≪ 廃村 ≫ ─→ ≪ 集落 ≫ ←─→ ≪ 集落 ≫
◎ バルハロン王国の通貨は、Ｅです。
１エモイ ─→ １円 黄銅貨幣
１０エモイ ─→ １０円 青銅貨幣
１００エモイ ─→ １００円 銅貨幣
1.000エモイ ─→ 千円 銀貨幣
10.000 エモイ ─→ １万円 白銀貨幣
100.000エモイ ─→ １０万円 金貨幣
1.000.000エモイ ─→ １００万円 白金貨幣
