✒ 中庭 3
魔女:マージョリナ
「 ──な゛っん……超絶究極奥義が──!?
一瞬で…… 」
セフィ
「 マージョリナ、精霊には魔法攻撃も物理攻撃も効きませんよ。
ワタシは虹属性を司る精霊。
全属性を操る事が出来るのですから、効くわけがありません 」
魔女:マージョリナ
「 …………嘘よぉ……全属性…ですってぇ……。
虹属性の精霊が…妖精王なんてぇ…… 」
セフィ
「 ワタシが妖精を生み出せる時点で気付くべきでしたね。
今の攻撃で貴女は精霊を敵に回しました。
残念ですけど、貴女には此処で消えてもらいます 」
魔女:マージョリナ
「 ヒイッ……来ないでよぉ…!! 」
セフィ
「 おやおや、先程までの威勢の良さは何処へ行きました?
ふふふ…。
では、こうしましょう。
貴女に最後のチャンスを与えましょう 」
魔女:マージョリナ
「 チャンス……ですってぇ… 」
セフィ
「 そうです。
ワタシの妖精からサバトの集会場まで逃げ延びる事が出来たなら、今回だけは命を助けてあげましょう。
どうです?
逃げ延びる自信はあります? 」
魔女:マージョリナ
「 …………アタシに妖精と鬼ごっこでもさせる気なのぉ… 」
セフィ
「 そうですよ。
ワタシの可愛い妖精達は、貴女を喰べたがっています。
貴女に攻撃をされて、とても怒ってますからね。
捕まったが最後──ですよ。
では、始めましょう。
生死を懸けた鬼ごっこを── 」
セフィが生み出した妖精達に合図を出すと、妖精達は「 待ってました!! 」とばかりにマージョリナを捕まえる為に一斉に動き出した。
妖精に喰べられたくないマージョリナは、必死で逃げ出した。
空の上で、魔女と妖精の鬼ごっこが繰り広げられる事になった。
セフィ
「 ベリィには……、 “ マージョリナは飛天族を諦めて帰ってくれた ” とでも伝えましょう。
マージョリーと娘達,アクージョと姉妹ぐらいは助けてあげるとしましょう。
残りの魔女はサバトの集会場で、マージョリナと共に喰べてしまえば良いです。
サバトの集会場へ戻ったマージョリナの反応が楽しみですね♪
お前達も行きなさい。
妖精王の慈悲を無下にした愚かな魔女と遊びたいでしょう。
呉々も楽には殺さないように。
妖精王に2度と歯向かえないように十分に恐怖を魂へ刻み込んでから喰べるのですよ 」
マージョリナを追い掛けた残りの妖精達を見送ったセフィは、ベアリーチェの元へ戻った。
セフィ:セフィロート
「 ワタシのベリィ──。
遅くなりました 」
ベアリーチェ
「 セフィ〜〜!!
空に霧が掛かっちゃって、どうしたのかと思ったよ…。
マージョリナはどうなったんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 示談は成立しましたよ 」
ベアリーチェ
「 示談?? 」
セフィ:セフィロート
「 マージョリナは渋々ですけど、サバトの集会場へ戻って行きました。
金輪際、飛天族を狙う事も襲う事もしないと誓ってくれました 」
ベアリーチェ
「 そっか。
良かったぁ〜〜〜。
シェリアンナ様達は、もう安全なんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 そうですね。
妖精達は各国の偵察へ向かわせました。
もうマージョリナから守る必要がなくなりましたからね 」
ベアリーチェ
「 そっか…。
セフィ、マージョリナを止めてくれて有り難な! 」
セフィ:セフィロート
「 どう致しまして。
それではベリィ、美術の授業の続きをしましょう 」
ベアリーチェ
「 そうだな… 」
オレはセフィと一緒に屋敷の前を離れた。
これから先、シェリアンナ様達の安全が保証された事が分かって、オレは心の底から安堵した。
これで心置き無く美術の授業に身が入るってもんだ!
ベアリーチェ
「 ──セフィ、空に出た霧って何だったんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 あの霧です?
あの場には、ジークリンデとシェリアンナ以外にも大勢居ましたからね。
目隠しに霧を発生させました 」
ベアリーチェ
「 そうだったんだ。
じゃあ、シェリアンナ様達の方からも、セフィとマージョリナの姿は見えなくなってたんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 そうですね。
ワタシなりに配慮してみました 」
ベアリーチェ
「 セフィ…。
有り難な! 」
セフィ:セフィロート
「 どう致しまして。
ワタシはベリィの願いを叶えただけです 」
セフィは完璧無欠の素敵な笑顔をオレに向けて来れた。