✒ 食堂 4
オレの前にはセフィが立ちはだかってくれている。
セフィが魔力の塊を消し去ってくれたのか??
いや…違う??
セフィは燕尾服を着ている白狼族の姿のままだ。
じゃあ、誰が魔力の塊を消し去ってくれたんだ??
もしかして…妖精さん??
妖精さんは魔力の塊も食べれちゃうのか??
魔女:マージョリナ
「 嘘っ……嘘でしょう〜〜〜!?
何で…何で……妖精が居るのよぉっ!!!!
お母様〜〜〜、此処に妖精が居るわよぉ!!
嫌ぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!
お母様ぁ〜〜〜、ワタシ、帰りますぅ〜〜〜!! 」
魔女:マジョリータ
「 煩いねぇ!
妖精如きにキンキン叫ぶんじゃないよ! 」
魔女:マージョリナ
「 だっ…だってぇ〜〜〜 」
どうやらあのマージョリナって魔女は妖精さんが苦手みたいだ。
やっぱり妖精さんが魔力の塊を食べてくれたんだ!!
妖精さん、ナイス!!
魔女:マージョリナ
「 〜〜〜〜っ!!
どうして妖精が飛天族を守るのよぉ!! 」
マージョリナは高いハイヒールで地団駄を踏んでいる。
飛天族って、庭園にあった噴水にある像の事だよな?
確か…マリウッド様がシェリアンナ様をモデルにして作らせた像で……、翼が4枚生えてたよな。
飛天族がこの食堂の中に居るのか?
従姉:シェリエッタ
「 ……ベアリーチェ様…有り難う… 」
ベアリーチェ
「 シェリエッタ様、大丈夫ですの〜〜? 」
従姉:シェリエッタ
「 えぇ…ワタシは大丈夫よ…。
セフィロートさんは大丈夫かしら? 」
ベアリーチェ
「 大丈夫ですわ〜〜。
シェリエッタ様、セフィから離れないでくださいませ〜〜 」
従姉:シェリエッタ
「 えぇ…そうするわ… 」
魔女:マージョリナ
「 一寸ぉ、どういう事なのぉ!!
どうして妖精が居るのよぉ!
説明しなさいよぉ、飛天族ぅぅぅ!! 」
え゛っ?!
コワッ!!
めっちゃ恐い鬼のような形相でマージョリナが此方を睨んでいる。
魔女って怒らせると恐いのかよ…。
お祖母様:ジークリンデ
「 マージョリナ様……、飛天族と言われますけれど、何か勘違いをされているのではありませんか?
飛天族は古の民……今や “ 古代人 ” として伝説となっている種族です。
此処に飛天族は居ませんわ 」
魔女:マージョリナ
「 何が『 古の民 』よ!
何が『 古代人 』よ!!
アンタの目の前に4人も居るじゃないのよぉ!!!! 」
お祖母様:シェリアンナ
「 …………………… 」
ベアリーチェ
「{ なぁなぁ、セフィ──、どういう事だよ?
マージョリナが言うように飛天族が此処に居るのか? }」
セフィ:セフィロート
「{ 居ますね。
生粋の飛天族はシェリアンナだけです。
コルネリット,クルセイラ,シェリエッタ,クルチェールは飛天族と人間の血が混ざっています。
シェリエッタとクルチェールは4代目なので飛天族の血は大分薄まってますね }」
ベアリーチェ
「{ マジかよ…。
じゃあ、シェリアンナ様,コルネリット様,クルセイラ様は精霊の力を使えるって事かよ? }」
セフィ:セフィロート
「{ いいえ。
精霊の力を使えるのは、生粋の飛天族のみです。
多種族の血が混ざっているコルネリット,クルセイラ,シェリエッタ,クルチェールには精霊の力は使えません。
老化を遅らせる効果はあるようですけど、それぐらいです }」
ベアリーチェ
「{ 老化を遅らせる効果だけでも凄いよ。
そっか……だから歳を取っても元気なんだな…。
だけどさ…それなら何で人間のジークリンデ様まで元気なんだ?
人間なんだから、シェリアンナ様達と一緒に元気なのっておかしくないか? }」
セフィ:セフィロート
「{ ジークリンデは人間ではなく吸血鬼です。
種族を偽り生きています }」
ベアリーチェ
「{ 嘘……マジで?!
ジークリンデ様が吸血鬼?!
えっ…じゃあ、セフィが生み出した妖精さんも見えてるって事かよ?
初めから見えてた??
オレが精霊憑きで、妖精さんに守護られているのも出逢った時から知ってた──って事になるのかよ? }」
セフィ:セフィロート
「{ そうなりますね。
吸血鬼は精霊,妖精と話せますからね。
初めから知っていて、敢えて知らない振りをしてくれていたのでしょう }」
ベアリーチェ
「{ そう…なのか…。
ん…じゃあ、ジークリンデ様の息子のフェルディナンド様は吸血鬼の血を継いでるって事になるよな?
コルネリット様は飛天族の血を継いでるから、クルセイラ様は飛天族と吸血鬼と人間の血が混ざってるんだ?
シェリエッタ様とクルチェも飛天族の血だけじゃなくて、吸血鬼と人間の血が混ざってる事になるよ!
じゃあ、やっぱり精霊の力を使えたり、精霊や妖精が見えたりするんじゃ…… }」
セフィ:セフィロート
「{ しませんよ。
吸血鬼同士の子供,子孫,末裔でなければ意味がないです。
他の種族の血が混ざると、精霊の力は使えませんし、精霊も妖精も見えず、話も出来ません。
老化を遅らせるか、長命ぐらいです }」
ベアリーチェ
「{ それでも凄いよ!
そっか…ジークリンデ様は長命なんだ。
だから元気なんだな。
じゃあ、マージョリナが言ってる事は本当なんだ…。
本気で飛天族を狙ってるんだ… }」
セフィ:セフィロート
「{ そうなりますね。
さて、ベリィ。
どうします? }」
ベアリーチェ
「{ どうって?
マージョリナに襲わせるわけにはいかないよ!
此処に居る人達を魔女から守りたいよ!!
クルチェの大事な家族だし、オレの親戚でもあるんだからさ! }」
セフィ:セフィロート
「{ 良いでしょう。
ベリィの想いを汲みましょう }」
そう言ったセフィはオレに微笑んでくれた。
何も無かった空間から沢山の光が現れ始めた。
妖精さんだ!
セフィが妖精さんを生み出してくれてるんだ!
凄い、凄いよっ!!
妖精さんがどんどん増えてる!!
魔女には妖精さんが見えないのかな?
マージョリナの杖の先から魔力の塊が6つも出来ている。
あれを此方に放とうとしている?!
そんなに飛天族が欲しいのかよ!!
ベアリーチェ
「 セフィ〜〜。
大丈夫ですの〜〜? 」