✒ 滞在部屋 6
セフィが用意してくれた粉末の味見をしながら、オレは生クリームに入れる粉末を決める。
柑橘類の香りのする生クリームって好きかも!
柚子や檸檬,オレンジの粉末がある。
紫色の粉末はラベンダーらしくて、生クリームに入れるとラベンダーの香りがする生クリームを作れるみたいだ。
どんな味がするのか気になるなぁ…。
ココア味の生クリーム,苺味の生クリーム,抹茶味の生クリーム,チョコ味の生クリームは定番だから外せない。
一寸変わった生クリームも作ってみたいな〜〜〜なんて思ったりして(////)
唐辛子風味の生クリームって、どうかなぁ??
ピリッとして甘いのかな??
ベアリーチェ
「 セフィ、唐辛子粉末ってないかな?
生クリームに入れたいんだけど… 」
セフィ:セフィロート
「 パブリコの粉末ならありますよ 」
ベアリーチェ
「 パブリコの粉末?
それって辛い? 」
セフィ:セフィロート
「 辛いですよ。
激辛料理を好む国で頻繁に使われている定番の粉末です。
液体もありますよ 」
ベアリーチェ
「 粉末でいいよ 」
セフィ:セフィロート
「 分かりました。
──どうぞ、パブリコの粉末です 」
ベアリーチェ
「 有り難な、セフィ 」
オレはセフィが出してくれたパブリコの粉末をかき泡立てる前の生クリームの中に入れた。
初めての試みだから、目分量で入れてみる。
パブリコの粉末をガッツリと入れたら生クリームを泡立てる。
真っ白の生クリームが赤色に染まっていく。
真っ赤な生クリームなんて初めて見るよ!
これは色んな意味でヤバめな予感がする……かも…。
それでもオレは生クリームを泡立てる手を休める事なく、泡立て続けた。
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、そのぐらいで十分ですよ。
あまり泡立て過ぎると固いクリームになってしまいます 」
ベアリーチェ
「 あっ、そうだった!
泡立てるのに夢中になっちゃった(////)」
セフィ:セフィロート
「 20種類近い生クリームが出来ましたね。
このぐらいで止しましょうか 」
ベアリーチェ
「 待って、セフィ。
もう3種類だけ作りたい生クリームがあるんだ! 」
セフィ:セフィロート
「 もう3種類…です?
どんな生クリームを作りたいです? 」
ベアリーチェ
「 うん。
山葵味の生クリームと辛子味の生クリームと梅味の生クリームなんだ!
粉末は有るかな? 」
セフィ:セフィロート
「 名前は違いますけど、有りますよ 」
ベアリーチェ
「 やったぁ!!
味見していいかな? 」
セフィ:セフィロート
「 どうぞ。
程々の量にしてください 」
ベアリーチェ
「 うん。
分かってる 」
セフィが3つの粉末を用意してくれた。
緑色,黄色,赤紫色の粉末だ。
オレは少しずつ味見してみる。
ん〜〜〜〜っ、オレの知ってる辛さだ!
鼻にツーンと来る来る来る!!
間違いなく山葵と辛子だぁ〜〜〜!!
赤紫色の粉末は──、酸っぱい!!
確り漬けられた塩っ辛い梅干しの酸っぱさがするぅぅぅ!!
よ〜し、これで3種類の生クリームを作っちゃうぞ!
セフィにも手伝ってもらって、3種類の生クリームを作り終えた。
後は〜、これ等の生クリームをカットした果物と一緒にトッピングさせれば、オレ特製ロシアンクレープの出来上がりだぁ!!
ロシアンクレープか。
なかなか、良い名前じゃないかな?
オレって意外にネーミングセンスあるかも?!
ふへへ(////)
パブリコ味,山葵味,辛子味,梅干し味,檸檬味の生クリームが楽しめる大人向けのロシアンクレープ。
良いねぇ!
オレってば、センスあるよ!!
ベアリーチェ
「 セフィ〜〜〜、早くトッピングして盛り付けようよ! 」
セフィ:セフィロート
「 そうしたいのは山々ですけど、もう夕食の時間です。
トッピングと盛り付けは明日にしましょう 」
ベアリーチェ
「 え゛ぇ゛〜〜〜〜。
明日ぁ〜〜〜。
折角、此処まで準備したのにぃ〜〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 お楽しみは明日にしましょう。
夕食の準備をします。
テーブルの上を片付けます 」
ベアリーチェ
「 明日までお預けかよ〜〜〜 」
オレはガッカリした。
明日に繰り越しだなんて、あんまり過ぎるぅ〜〜〜。
テーブルの上を片付けたセフィは室内も手際良く片付けている。
妖精さんも手伝っているみたいだ。
待っている間、オレはクレープの食べ方を書き出してみる事にした。
紙とペンは妖精さんが出してくれたのを使う。
テーブルが使えないから、下敷きになる板──クリップボードを出してくれた。
何でクリップボードなんて有るんだろう…。
他国には有るのかな?
何はともあれ、クリップボードが有って良かった!
えぇと先ずは────。
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、夕食の準備が出来ました 」
ベアリーチェ
「 うん。
有り難う、セフィ。
──待ってる間にクレープの食べ方を書いてみたんだけど、確認してくれるか? 」
セフィ:セフィロート
「 勿論です。
確認しましょう 」
ベアリーチェ
「 訂正も頼むよ 」
セフィ:セフィロート
「 はい。
任せてください 」
オレはクリップボードとペンをセフィに手渡した。
オレが夢中でクレープの食べ方を書いてる最中に、侍女がサービスワゴンに料理を乗せて運んで来てくれたみたいだ。
今晩の料理は肉料理──ハンバーグだぁぁぁ!!
また美味しいハンバーグを食べれるなんて嬉しい♪♪
一昨日振りのハンバーグだ。
今日のハンバーグは煮込まれている。
煮込みハンバーグかぁ、良いねぇ、好きだよ♪♪♪
〈 大陸神ティトドムヒ 〉へ食前の祈りを捧げたら、料理長特製の煮込みハンバーグをいただく。
ビーフシチューみないなスープで煮込まれているハンバーグの中から、とろ〜りチーズが出て来た!
料理長、分かってるね!
子供の心を鷲掴みだよ!