♥ 滞在部屋 3
ベアリーチェ
「 それでだけでいいのか? 」
セフィ:セフィロート
「 人間を与えるのは駄目なのでしょう? 」
ベアリーチェ
「 当たり前だろ!
だけど……悪い事してる奴等の心臓なら別にいいかも? 」
セフィ:セフィロート
「 例えば、どんな人間です? 」
ベアリーチェ
「 人様の子供を誘拐する奴等とか、人身売買する奴等とか、集落や村落を襲って奴隷売買する奴等とか、動物を乱獲する奴等とか……かなぁ?
あっ、他国の国民を拉致る奴等とか!
前世ではさ、●朝●って国が、色んな国から国民を拉致して集めてたんだよ!
“ 拉致なんてしてない ” って嘘ついて、拉致してる事を認めやしないんだ。
拉致した被害者達を母国へ帰す事もしないし、拉致した事を認めたかと思ったら “ もう死んでます ” って嘘ついてさ、知らばっくれてる酷い国があるんだよ!
●朝●みたいな国って≪ ティトドムヒ大陸 ≫の中にもあるのか? 」
セフィ:セフィロート
「 そんな国なら普通にゴロゴロありますよ 」
ベアリーチェ
「 あるんだ…。
ゴロゴロ……へぇ…へぇ……普通にあるんだ… 」
セフィ:セフィロート
「 珍しくはないです。
誘拐した者や拉致した者を人身売買する事も奴隷売買する事も臓器売買に使う事も割りと普通にやってます。
動物を乱獲する密猟者も魚介類を乱獲する密漁者も普通に居ます 」
ベアリーチェ
「 そうなんだ……ははは…。
≪ ティトドムヒ大陸 ≫って凄いんだな… 」
セフィ:セフィロート
「 〈 皇 〉が不在している大陸は何処も同じですよ 」
ベアリーチェ
「 そうなんだ…。
〈 皇 〉が不在してる大陸は荒れてるわけだな? 」
セフィ:セフィロート
「 そうですね。
ベリィの言った輩を妖精の餌にして良いなら、≪ ティトドムヒ大陸 ≫も少しはマシになるかも知れませんね。
ベリィ、妖精の餌にします? 」
ベアリーチェ
「 ………………仮にさ…仮にだぞ、オレが “ 餌にしてくれ ” って言ったらさ、直ぐに反映されちゃうのか? 」
セフィ:セフィロート
「 勿論です。
ワタシの生み出した妖精は≪ ティトドムヒ大陸 ≫のあちこちに居ますからね。
死体の心配はしなくて良いですよ。
妖精は喰べ残しはしませんから、骨まで確り喰べます。
傍から見れば、 “ 神隠しにでも遭った ” と騒がれるぐらいでしょう 」
ベアリーチェ
「 騒がれはするんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 当然です。
妖精を見える人間は稀ですからね、大陸中で多くの人間が忽然と消える事になります。
最初は騒がれるでしょうけど、数日経てば慣れます。
忽然と消えるのは、ベリィが許可した悪人達だけですからね 」
ベアリーチェ
「 何時まで続くんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィが “ 止めろ ” と言うまで永久に続きますよ。
どうします? 」
ベアリーチェ
「 …………責任重大じゃないかよ… 」
セフィ:セフィロート
「 そうでもないですよ。
被害者を減らせますし、動物や魚介類も多少は守られます 」
ベアリーチェ
「 多少は?? 」
セフィ:セフィロート
「 では、こうしましょう。
お試しで1ヵ月だけ妖精の餌にしてみましょう 」
ベアリーチェ
「 お試しで…1ヵ月?!
…………じゃ、じゃあ…、1ヵ月だけ…してみようかな?? 」
セフィ:セフィロート
「 その様に妖精へ伝えときます。
──ベリィ、クレープを食べてください 」
ベアリーチェ
「 あっ、そうだった!
クレープを食べなくちゃだ!
妖精さんが見付けてくれた国では、クレープは皮だけで食べられてるんだっけ? 」
セフィ:セフィロート
「 そうですね。
トッピングと盛り付けはワタシがしました。
ベリィは此方の方が好きでしょう? 」
ベアリーチェ
「 うん!
クレープはこうでなくっちゃだ! 」
オレはセフィが贅沢に盛り付けてくれたクレープを食べる事にした。
クレープに手を付ける前に〈 大陸神ティトドムヒ 〉へ食前の祈りを捧げる。
本当は手掴みで食べたいけど、オレは侯爵令嬢だ。
右手にナイフ,左手にフォークを持って、セフィから学んだテーブルマナーを守りながら御上品にクレープを食べる。
うんまぁ〜〜〜〜♪♪♪
幸せぇ〜〜〜〜(////)
クレープの生地には、ほんのりと味が付いてるだけだから、皮だけで食べると物足りない感じがする。
クレープの皮だけだと、デザートって言うよりも食事って感じかも知れない。
惣菜をくるんで食べたら、人気が出そうだよな。
オレは惣菜より果物をくるんで食べるスイーツの方が好きだけどな。
ベアリーチェ
「 セフィ、このクレープのレシピってあるのかな? 」
セフィ:セフィロート
「 ありますよ。
≪ バルハロン王国 ≫で手に入る材料で作れます。
少し工夫すれば、レシピより美味しい生地を作れますよ 」
ベアリーチェ
「 クレープ生地が作れたら、クレープバーム,ミルクレープ,ミルクレープロール,クレープ包み,クレープシュゼットなんかも作れちゃうよな! 」
セフィ:セフィロート
「 クレープ生地には小麦粉があれば作れますね。
薄力粉と強力粉を合わせて作れば、もちっとした食感の生地になるそうです。
米粉を使えば、更にもっちりとした食感になるともレシピには書かれてますね 」
ベアリーチェ
「 小麦粉の他に何を入れるんだっけ? 」
セフィ:セフィロート
「 薄力粉,砂糖,卵,牛乳,塩,無塩バターと書かれてます 」
ベアリーチェ
「 基本は薄力粉なんだな。
強力粉を使うか米粉を使うかは好みなんだな 」
セフィ:セフィロート
「 バターは生地によって無塩を使ったり、有塩を使ったりするようです 」
ベアリーチェ
「 そう言えば、蕎麦粉を使ったりガレットもあったよな。
クレープのレパートリーが増えるなぁ♪♪♪ 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、楽しそうですね。
ワタシも嬉しいです 」
ベアリーチェ
「 このクレープをクルチェとシェリッタ様と一緒に食べたいなぁ…。
クルチェが風邪を引いてなかったら一緒に食べれたのに…… 」
セフィ:セフィロート
「 差し入れしてみてはどうです? 」
ベアリーチェ
「 差し入れ? 」
セフィ:セフィロート
「 クレープは生地だけでも美味しく食べれるスイーツです。
生クリーム,チョコクリーム,ジャム等はクルチェールが選べるように別の小皿に入れます。
果物は食べ易いように薄切りにしてフルーツ皿に入れます。
どうです? 」
ベアリーチェ
「 良いと思うけど、クルチェもシェリッタ様もクレープの食べ方を知らないと思うよ。
どうするんだ? 」