♥ 滞在部屋 2
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、午後の授業は詩の朗読にしましょう。
貴族令嬢は詩も嗜む必要がありますからね 」
ベアリーチェ
「 うげぇ〜〜〜〜………。
詩ってポエムみたいなヤツだろ〜〜?
オレ……痛いポエマーにはなりたくないよ〜〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、詩人は〈 ポエット 〉,吟遊詩人は〈 ミンストレル 〉と呼ばれてます。
ポエマーとは何です? 」
ベアリーチェ
「 痛い自称詩人だよ… 」
セフィ:セフィロート
「 痛い自称詩人…です? 」
ベアリーチェ
「 詩人気取りの恥ずかしくて痛々しい奴──って事だよ! 」
セフィ:セフィロート
「 成る程…。
安心してください、ベリィ。
朗読をする詩は、詩人気取りの自称詩人が考えた詩ではありません。
時人ライセンスを持つプロの詩人が考えた詩です。
プロの詩人の考えた詩を朗読するのですから、ポエマーとやらにはなりませんよ 」
ベアリーチェ
「 …………そうなのかな…?
オレ…騙されてないよな? 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィ…、授業で教え子を騙したりしませんよ 」
ベアリーチェ
「 …………そうだといいけど…。
オレは心が男なんだから、こっ恥ずかしい詩だけは読みたくないからな! 」
セフィ:セフィロート
「 読むのではなく、朗読です。
──昼食の準備を始めます。
ベリィ、テーブルの上を片付けますね 」
ベアリーチェ
「 オレが片付けるよ 」
オレはセフィがテーブルセッティングを出来るように、テーブルの上に置いてある勉強道具一式を片付けた。
昼食を終えたオレは、セフィが用意してくれた詩集や詩詞を朗読しないといけない辱しめを受けている。
国語の授業で教科書を淡々と読むのとは違って、朗読ってのは感情を込めて読み上げないといけない。
然もだ、選りに選ってセフィと来たら、こっ恥ずかしい詩ばかりを集めやがった!!
もうっ、こっ恥ずかしい詩は「 嫌だ!! 」って言ったのにぃ!!
一体何時まで、この酷く恥ずかしい朗読地獄に耐えないといけないんだ……。
セフィ:セフィロート
「 ──そこまで!
ベリィ、朗読は恥ずかしいですか? 」
ベアリーチェ
「 恥ずかしいに決まってるだろ〜〜(////)」
セフィ:セフィロート
「 ふふふ。
では…もう1詩、朗読してもらいましょう 」
ベアリーチェ
「 え゛ぇ゛〜〜〜………。
そりゃないよ〜〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 朗読が終わったら、休憩にしましょう 」
ベアリーチェ
「 …………分かったよ 」
セフィめぇ〜〜〜!
オレで遊んで楽しんでるなぁ〜〜〜!!
セフィがチョイスしてくれた声に出して読み上げるには恥ずかし過ぎる詩をなんとか朗読し終えたオレは、どっと疲れてしまった。
こんなに疲れたのって、ダンスレッスン以来だよ…。
あ…ダンスレッスンは昨日したんだっけ……。
きっとエグい精神攻撃が効いたんだ…。
オレのHPは既に1だよ…。
誰かオレを…たっけてくれぇ……。
精神的ダメージを受け過ぎて無駄に疲れたオレは、ベッドの上で寝っ転がっている。
セフィ:セフィロート
「 ──ベリィ、詩の朗読は終わりましたし、そんなに不貞腐れないでください。
羞恥心にも負けず、最後まで頑張り、朗読しきったベリィへ──、とっておきのスイーツを用意しました。
食べてください 」
ベアリーチェ
「 ………………食欲出ないっつ〜〜〜のぉ〜〜〜 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィ、クレープですよ。
食べません? 」
ベアリーチェ
「 ………………え゛っ?!
クッ…クレープ?!
クレープって、あのクレープ?? 」
セフィ:セフィロート
「 どのクレープなのか分かりませんけど、クレープに間違いないと思います 」
ベッドの上で横になっていたオレは、セフィの「 クレープですよ 」って声を聞いて、ガバッと上半身を起こした。
クレープ、クレープ、クレープ、クレープっ!!
≪ バルハロン王国 ≫では、未だ出回ってないって言うか、知られてないスイーツだ!!
オレはベッドから出るとテーブルに走った。
テーブルの上には確かに前世で食べた事のあるクレープちゃんがスイーツ皿の上に盛り付けられているぅぅぅうううううッッッ!!!!
ほわわわわ……(////)
オレの目の前に憧れのクレープがぁぁぁぁぁ(////)
ベアリーチェ
「 セフィ〜〜〜!
このクレープ、どうしたんだよぉ!!
はぅあ〜〜〜〜(////)
完璧なクレープだよぉぉぉ(////)」
セフィ:セフィロート
「 嬉しいです? 」
ベアリーチェ
「 嬉しいに決まってるだろ〜〜〜!!
だって、だって、クレープだよ!!
はぁぁぁぁ〜〜〜(////)
生クリームとカット果物とチョコレートぉぉぉ♪♪♪
本当にどうやって手に入れてくれたんだよ、セフィ〜〜(////)」
セフィ:セフィロート
「 他国を偵察している妖精が見付けました。
実際は飾り気がなく、もっとシンプルな状態で売られてました。
どうやら皮だけをくるんで販売しているようです 」
ベアリーチェ
「 妖精さんナイス過ぎる!!
……って言うか、妖精さんに他国を偵察させてるのか?
何で…そんな事させてるんだ? 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィの為です 」
ベアリーチェ
「 オレの為?? 」
セフィ:セフィロート
「 ベリィは前世で食べていたスイーツや料理を食べたいのでしょう?
全く同じスイーツや料理は無くても、似ているスイーツや料理は存在してます。
他国には≪ バルハロン王国 ≫にはない珍しいスイーツや料理、美味しいスイーツや料理があります。
転生者が居るなら、ベリィが前世で食べていたスイーツや料理を見付ける事も出来るでしょう。
妖精にはスイーツや料理をチェックしてもらう為に偵察させてます 」
ベアリーチェ
「 セフィ…(////)
有り難な、オレの為に(////)」
セフィ:セフィロート
「 ベリィの為になるなら、妖精も喜んで偵察してくれます 」
ベアリーチェ
「 エヘヘ(////)
妖精さんに御礼したくなっちゃうよ。
何をしたら妖精さんは喜んでくれるかな? 」
セフィ:セフィロート
「 活きのいい人間が1番です。
人間の心臓が1番の御馳走ですから 」
ベアリーチェ
「 …………そういうのじゃなくてさぁ… 」
セフィ:セフィロート
「 ふふふ…冗談です♪
妖精が見付けたスイーツや料理をベリィが美味しそうに食べるだけで妖精は満足しますよ 」