⭕ 廊下 2 / クルチェールSide 2
マチルフォント公爵家って、魔女の末裔が身内に居るから、ヤバい意味で有名だったりするんだ。
お母様のお父様──オレのお祖父様はフェルディナンドって名前で、シェリーお姉様とオレは、親しみを込めて “ フェルお祖父様 ” っ呼んでる。
フェルお祖父様の両親も健在で、シェリーお姉様とオレにとっては曾祖父母に当たる。
曾お祖父様の名前はフェリムゼンで愛称はフェリムお祖父様──、曾お祖母様の名前はジークリンデで愛称はリンデお祖母様だ。
お母様のお母様──オレにとってのお祖母様の名前はコルネリットって言って、シェリーお姉様とオレは親しみを込めて “ コルネお祖母様 ” って呼んでる。
コルネお祖母様の両親も健在で、シェリーお姉様とオレにとっては曾祖父母に当たる。
曾お祖父様の名前はマリウッドで愛称はマリスお祖父様──、曾お祖母様の名前はシェリアンナで愛称はシェリーお祖母様だ。
シェリーお祖母様にはお兄様が居て、名前は確か…………キーディルイスだったかな?
シェリーお祖母様は “ キール兄様 ” って呼んでいたと思う。
──で、この伯父様の奥さんが魔女の末裔であるマージョリー・ダルファシクなんだ。
伯父様と伯母様の間には3人の娘が居て、名前は確か…………長女がクロウディアで女剣士,次女がガリオエンで女騎士,3女がチャイオルで魔女だった気がする。
マチルフォント公爵邸で暮らして居るらしいんだけど、オレは見掛けた事がない。
本当に暮らして居るのかすら怪しいんだけど、お祖母様ズとは面識があるらしい。
マチルフォント公爵家が “ 王族の剣 ” と言われている由縁は、マチルフォント公爵家の男子は代々王国騎士団の一員として≪ バルハロン王国 ≫を衛っているからだ。
マチルフォント公爵家は先祖代々王族に忠誠を誓っている騎士の家系だ。
お祖父様ズと領主に専念しているお父様は騎士を引退しているけど、長男と次男のお兄様達が、王国騎士団の一員として≪ バルハロン王国 ≫を衛っている。
マリスお祖父様以外のお祖父様ズはマチルフォント公爵邸の別荘で暮らしていて、マチルフォント公爵領の騎士隊へ入団した新人騎士達の教育に明け暮れているから、あまり会った事がない。
お祖母様ズはマチルフォント公爵邸で暮らしていて、晴れた日には良く庭園に出向いては、お茶会を開いていたりする。
お祖父様ズもだけど、お祖母様ズも御高齢の筈なのに何故だか生き生きとしていて元気なんだよなぁ…。
オレは密かにお祖母様ズの御先祖の中に魔女の末裔が居たんじゃないかと疑っている。
もしかしたら、お母様,お兄様達,お姉様,オレにも魔女の血が流れているかも知れない。
なんちゃって、な☆
廊下に出るとベリィが既に居て、ソニアと親しそうに話をしていた。
クルチェール
「 ベリィ、お待たせ!
厨房へ行こう 」
ベアリーチェ
「 はい、ですわ〜〜 」
クルチェール
「 ソニア、お母様から許しをもらったから護衛を頼めるかな? 」
護衛騎士:ソニファニア
「 畏まりました。
お供させていただきます 」
クルチェール
「 うん、頼むよ 」
ソニアに護衛を頼んだオレは、ベリィと一緒に厨房へ向かった。