夏の花嫁
余りもので
永遠な空気を
わたし不埒なかおで
うんと食い潰していくの
星の見つからない夏
いまだけは 花嫁のように
きみの前でわらう
体温は
嘘をつかない
叶わない夢の
欠けらをまだ大事そうに
熱を保ったままだよ
そしていまは
哀しみに目を閉じ
過去と余韻を味わっている
あまり似ないようにして
きみという虚ろを見つめている
なにも感じない
ただなにもないだけ
この背中を ざっくりと
きみの唇づけが裂いて
古新の記憶がさまざまと
あり余る永遠を固定させる
それはわたしの身を
夏へと変える
あからさまな魔法
うだる熱のはざま
わたしは いまだけ
花嫁のようにわらう