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生徒と信幸VS紅葉

「おや?」


「これは・・・。」


名取と宮城はスムーズに動く自分の体に驚きつつ、

紅葉の胴と足を狙いに行く。


「ほっ。よっ。」


それを目線の動きで読んだ紅葉は、片足を上げ、一方をかわし、

胴の件ははじくようにして、その力を使って回転をする。


「うん?ほー。これはこれは。」


回転しきって、止まった紅葉はうれしそうに笑いながら、

再び竹刀を構える。


「いいね。いいね。」


「あまり本気になるなよ。」


「大丈夫。大丈夫。」


「ホントかぁー?」


信幸は紅葉の様子を見ながら苦笑をしつつ、

ドールの動きをよくする魔法と魔法の発動を早くする魔法をかける。


「これなら。」


大野が思いっきり踏み込み、上段から思いっきり竹刀を振り下ろす。

紅葉はそれを少し後ろに下がりかわし、隙と見て面を狙いに、

逆に踏み込んで竹刀を振るう。


すると大野の頭上に土の盾が現れ、弾き返す。


「ふふふ。いいねいいね。」


弾かれて、バランスを崩した紅葉に日野と富士が左右から挟み込むように迫り、

紅葉の前後から、胴を薙ぎに迫る。


それを持ち替えた竹刀と腰に差していた、小さめの竹刀を抜いて、防ぎ、

バランスを元に戻すと、小さい竹刀を腰に戻し、再度、正眼に竹刀を構え直す。


「おお。危なかった。」


そして、生徒の怒涛の攻めに嬉しそうに笑った。


「う、ん?」


その様子に生徒も信幸も嫌な感じを受ける。


「ふふふ。ハハハハハ。」


「あー。やっちまった。」


紅葉が狂ったように笑い始めたかと思うと、

近くにいた、大月に向かって、すごい速さで、

迫った。


「しまっ。」


大月は防げないと思いつつ、竹刀でガードをする。


「ばかっ。」


それを大野が土の盾を間に挟み防ぐ。


「お前ら、自分の属性で盾を出すことをしろ。

 大野、今のはナイスだ。」


「うっす。」


信幸はアドバイスをしつつ、紅葉の動きを警戒する。


「あー。どうすっかな。」


紅葉のスイッチが入って、バーサーカ状態になっていることはわかる。

だが、止めるには何でもありにしないと自分でも難しい。


「お助けしましょうか?」


「うん?」


振り返ると、アン達武具が立っていた。


「主の暴走を止めるのも従者の勤め。」


「そうだな。頼もうかな。」


そう返すと、信幸は各生徒にあった武具を割り当てる。


「信さん。戦いやすくもなったし、戦えはするんですけど・・・。」


「無理、無理、無理。」


「武器の性能が良すぎて、振り回されちゃいます。」


生徒たちは、神具に近いそれぞれの性能を十全に発揮できず、

紅葉と互角に戦えはするものの、立ち回りが上手くいかず、

致命打を出せずにいた。


「アッツ!」


「ひぃー。秋ちゃん。燃えてる。燃えてる。」


しまいには炎をまとい始めた紅葉に右往左往する。


「あと少しまってくれ。」


信幸はレンに雷をまとわせ、自身にも雷を纏う。


「よ、し。」


そう言った瞬間、ドゴーンという大きな音が空間に響き、

二人がぶつかったあたりを中心に衝撃波が広がった。


「くっ。」


生徒たちは、飛ばされないようにそれぞれ、踏ん張り、耐えた。


そして、顔を上げると石突を紅葉の鳩尾にあてた信幸が苦悶の表情で立っていた。


「あー。面倒だった。」


そういうと、崩れ落ちる紅葉を支えて、ぐったりとするのであった。

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