商業都市へ
「で、次は?どこに行きます?」
「残っているのは?」
「武神を除けば・・・・。」
「商業神と獣神?」
富士、日野、宮城、神戸が考えながら口にする。
「そうです。その2柱です。」
セレスが肯定し、続ける。
「獣神は獣人、動物、動物型の魔物全般を管理しています。
そして、商業神は流通、作物の管理を行います。
そして、商業神は・・・。」
「獣の形をしている。っか。」
流治が言葉を引き継いで言う。
「精霊がやったんだろう。奴ら主だった、召喚者の知識から、
まず物流を抑えようと、商業神を唆し、狂わせた。
その影響は特に獣神に影響を与えた。
そうだな。」
「そうです。」
その言葉に大野が問いかける。
「どういうことです。」
「商業をつかさどるのは、大概、狐狸か、
打ち出の小槌を握った人型と決まっている。
狐狸っていうのは狐と狸のことだ。」
流治はそう補足し、続ける。
「そして、獣神は狼そうだな。」
「そうです。」
「オオカミ、大きな神と書いて、大神と読ませることもある。
だからか、獣の神は狼の形をとる。
俺らの世界のフェンリル、山の神も狼の形で信仰される。
そして、厄介なのは理性をなくしたとき、
すべての動物を喰らってしまうこと。」
そこまで、流治が一息で言うと、暫く沈黙が落ちた。
セレスはそれ知らなかったのか顔を青くする。
「そして、今は迷いの森の奥、
コリンという都の中のユグラドシアの下で眠っている。
限界は近い。っか。」
生徒たちはそこまで聞いて、慌てだす。
「まずいじゃないですか。」
「早くいかないと。」
「待ちな!」
紅葉が一喝して、鎮める。
「信兄?」
紅葉が、信幸に問いかける。
信幸は一泊置いて、考え、流治に問いかける。
「ふ~。流、獣神を先にどうにかしても無駄なんだな。
先に商業神をどうにかしないと。」
「さすが信兄。そう、先に獣神をどうにかすると、暴走の危険あり。だよ。」
「そうか。なら、次は商業の中心である、連邦国家レンカーンだな。」
「そう。でも、俺も六花もタイムオーバーかな。手伝いはできないかもしれない。
いや~、あいつらに仕返しをしたかったんだけどな~。」
そういって、おどけた調子で流治がいう。
六花は怪訝な顔をするが、
すぐに自分と流治のドールに限界が来ていることに気づいた。
「流。あんた。」
「悪いな六花。とばっちりで。システムの制限を超えて力を使った反動だ。
システム側も情報が欲しかったから、時間を引き延ばしてくれたみたいだが、
どうやらお目こぼしはここまでのようだ。強制解除がもうすぐで起きる。
秋姉、信兄。急ぎの用があるなら、今言うか、そうでないなら、本体へどうぞ。
ちなみに、ペナルティはこの調子なら、2週間ってところかな。」
「了解だ。要件は特にない、エンデとアル、忍を送ってくれればそれで。」
「了解、ここに送るから、後ほど合流してくれ。ドールは預ける。
では、な。」
そこまで、流治がいうと、六花とともにドールへと戻る。
(システム。)
<是。>
(停止期間は?)
<3週間です。>
信幸は頭の中でシステムに問いかける。
その期間を聞いて、ギリギリかとため息をついた。




