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芸能神はダ女神さま?

「ふー。やっと起きれたわ。」


その女神は手が4本、青い髪、踊り子のような様相で、

伸びをしながら現れた。

生徒たちは現れたときは綺麗な女性だと、思ったが、

その言動が紅葉に近かったため、残念な人なんだろうな~と思い直した。


「うん?あなたたちが起こしてくれたの?

 人間?よね。」


「ああ。そうだ。」


女神からの問いに信幸は曖昧に答える。


「それにしても、かわいい子たちね。一人を除いて。」


女神の空気を読まない発言に一瞬場が凍る。

しかし、すぐにその空気は元に戻った。


流治が海龍を思いっきり、社側に吹き飛ばしたからだ。

社の上に浮かび、信幸達を見下ろしていたため、

女神は気づくのが遅れ、岩壁と海龍に挟まれる形になった。


「流。」


信幸はため息をつきながら振り返り。

紅葉は親指を立てて、笑顔で振り返った。

生徒たちは唖然として振り返った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ちょっと!退きなさいよ!ちょっとー!」


「ぐぅー。」


衝撃でのびた龍に押しつぶされて、身動きがとれず、

声を上げるが、のびているため、退く気配はない。


しばらくすると、入り口から、何かが勢いよく泳いでくる音が聞こえる。

そして、水から飛び出てくる


「姫!ひ、め?」


洞窟の入り口で突っかかってきて、壁にめり込んだ、緑龍が現れた。


海龍の後ろから声が聞こえるため、首をかしげるが、

やっと、状況を理解して、海龍をどこし、女神を助け出す。


「病み上がりなのに。なんでこんなことに。」


助け出された女神は地面に下され、

そのまま、手と膝をついて四つん這いになって、泣き始めた。


それを流治達は面倒くさい奴だなと思いながら見ていると、

急に緑龍が吠える。


「この方をだれと心得る、芸能と美の女神であらせられるぞ。頭が、」


「ああん?!」


えばり始めた緑龍に流治がガンを飛ばす。


「「ひっ。」」


緑龍と女神は怯え、伸びていた海龍は目を覚まし何事かと、周囲を見回す。


「あのな。そんな口上はどうでもいいんだよ。

 お前ら、さっきまで怯えて隠れていたくせに、えばるんじゃねえよ。」


流治が右足を鳴らしながら、怒鳴る。


それの姿に尋常ではない殺気を感じ、ぶるぶる震えながら、

身を寄せ合う。


「流、流。その辺にしときなよ。話が進まないから。」


六花が落ち着くように窘める。

それでようやく深く呼吸をして、流治は落ちついた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目の前には人化して女性の姿になった2人の龍と、

女神がそろって正座をしている。


あの後、信幸が鍛冶神からの依頼で急いで助けに来たこと、

女神が神々と龍たちを心配していることを説明した。


それでも助けられて当然という態度でいたため、

再度流治が切れそうになり、3人をビビらせたため、

慌てて、生徒と信幸と六花が総出で止めにはいった。


それを見ていた紅葉は腹を抱えて大笑いをしていた。


「流治ほどではないが、俺もいい加減怒りたくなるわ。

 水の民や、上のやつらにチヤホヤされていたからかもしれんが、

 お前ら自分たちが消えると、この辺りや世界がどうなるか分かっているよな。

 それに、説明したのにさっきまでのえばった態度はどうかと思うぞ。」


「「「すみません。」」」


今にも泣きそうな顔で返事をする。


「まあ。いい。それで今後どうするかだ。」


そういって、信幸は建設的な話をするように促した。

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