箱庭持ちの物量戦-海戦-
「さ～始まるわよ～。」
六花は双眼鏡とソナーで、各港から、編隊を組んで動く船を見て、
通信管に叫ぶ。
「腕輪の機能の通信で今後は指示を飛ばすわ。
機関はとりあえずいつでも動かせるように、温めておいて。
砲手は日野さんと富士くんの支持に従って。
発砲は自由にやっていいわ。」
『了解です。』
「じゃあ、景気付けに一発行ってみようか。
秋姉。炎系の小規模の玉を装填。」
『了解。いつでもいいわよ。』
「じゃあ、日野さん。」
「はい！えーと。多いのは、ここですね。」
事前に決めていた通り、日野は、大規模な艦隊を見繕う。
「方角、2時の方向、距離、えーと。１、２、３だからー、1500ｍ。」
『日野ちゃん、距離はざっとで大丈夫よ！打った後で調整できるから。』
「すみません。ありがとうございます。」
『２時方向。角度、う～ん。ざっと30度。』
『準備よし！』
「『じゃあ、発射ー！』」
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「提督！向こうの船から何かが飛んできます！」
「バカ言え！この距離で届くものか！」
「ですが！」
そう見張り員が叫んだ瞬間！船の前で火球がはじけ、
甲板に小さなといっても親指ほどの火種が降り注ぐ。
「な！消火をしろ！急げー！」
副官らしき男が慌てて消火の支持をだす。
「何を相手にしているのだ。」
船員が右往左往するのを呆然としながら提督はつぶやいた。
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「じゃんじゃん行くよ～！打て打て！」
一方的に船を打ち、近づかせることなく船を無力化していく。
『秋姉。船の数が減らない。それどころか、
今までなかった場所に船がどんどん出来上がっていく。』
「は？！何それ？！」
『わからん。取りえず、船尾の副砲も打っているけど、打ち漏らしがでそう。
減りはするんだけど、すぐに復活するっていうか。何というか。』
「何が起きているの？」
『リソースが使われている気配があるんだけど、どういう仕組みなのか、
不明なんだよね～。』
そんな話をしながら、紅葉は甲板にでる。
すると、船尾のほうから、何かが飛び立った。
よく目を凝らすと流治が、どこかへ飛んでいくところだった。
「あれは？ねぇ。六花。流治のポジションは？」
『え？流？えっと。船尾飛行甲板だけど。』
「今生身でどっか飛んで行ったわ。」
『はぁ？！』
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「ここかな？」
＜ふーん。僕に気づくんだ。＞
「お前だけではないだろう。」
＜あら、ばれちゃった。＞
「なぁ。どうやって、あの船生み出してんだ？
お前らだろ？作ってんの。」
そう言って、流治は今まさに発生した、木造船を指して問いかける。
＜ふ～ん。そんなこともわかるんだ。＞
＜あいつらの仲間だものそりゃあわかるでしょうよ。
発生個所まで当てられるとは思わなかったけど。＞
「で、どうしてるんだ？」
流治は再度、威圧をかけて、問いかける。
＜いいわ。見せてあげる。＞
そういって、水の精霊は水面に何かを映し出した。
それが、終わりの始まりになると思わず。
