表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/160

群島と水の国ヴェネアテ

「皆~潮の香がしてきたよ~。」


「「おー!」」


小高い丘に、馬車を止め、屋上から海のほうを見渡す。


「フーン。あれがヴェネアテっか。」


「水の国っていうからどんな感じかと思ったけど、

 長崎っぽいですね。」


「長崎とオランダ、あとイタリアを足した感じだな。」


眼下には風車と色とりどりの畑、縦横無尽に張り巡らされた水路、

それらをもった中ぐらいから大き目の島が無数に見えた。


「う~ん。これはどうしようかな。」


「どうしたんです?」


「いや。水と風の精霊のホームグラウンドで、かつ、祠の位置がもしかすると、

 水中となると、やっかいだな。てな。」


「あー。秋ちゃんと信さんの相性が微妙ってことですか。」


「倒すだけなら簡単なんだ。紅葉の土、俺の木でどうにかできるから。

 ただ、水中、水上行動には向かんのよ。こりゃ、流治と六花に手伝ってもらうべきかな?

 とりあえず、ここをキャンプ地とするか。」


そういって、杖を突くと、高床のログハウスができあがった。

ー------------------------------

『でっ、連絡してきたと。』


「ああ。馬車を浮かべてもいいんだが、動力がな。玉龍たちにひかせてもいいんだが・・・。

 いざというときに困るだろう。」


『それもそうね。見た目馬が水の上を走っていたらなんだと思うし、

 大きいから小回りも効かないわね。』


「でだ、何か案はないか。」


『精霊と流の分御魂をかしてもいいんだけど・・・、

 解決にはならないわね。青龍、天后、白虎、天一、太陰。

 彼らにお願いするのは違う気がするのよね~。

 精霊の妨害は2体の可能性あり、とするなら、戦力の増強は必要。

 船、船ねー。船体は信兄。問題は動力。水か風。火はだめね。

 人数を増やしても邪魔になるだけだし。

 やっぱり、そうすると私か流ね。はぁ~。』


六花は溜息をついて、しばらく無言になった。


『わかったわ。ドールを使う。私と流。二人で出るわ。はぁ~。

 エンデが水晶と黒水晶でドールを作り上げ終えてるはずだから。

 力を十分に使えるはず。』


「ご迷惑をお掛けします。」


『お兄にそれを言われると気持ち悪いわ。明日にはドールを座標に転移するわ。』


「了解。こっちは船を上げておく。」


『船の図面は送っておく。いいのがあるわ。オランダの船の家。

 2艘にすれば、全長が短くてすむはず。』


「了解。作っておく。」


『楽しみにしておく。通信終了。』


通信終了と同時に、船の断面図、側面図、正面図が書かれた紙が現れる。


「こりゃー。作り甲斐があるな。」

ー---------------------------------------

「でっ。これ?」


「そう。水晶のドール。作るの苦労したんだー。」


「でしょうね。なにこれ、水晶の骨格標本。違うわね。なんて言ったらいいの。」


そこには、頭は骸骨。体が骨格の外側に蛇腹の外殻でコーティングされた人形があった。


「どうよ。力作だぜ。2体も作ったしな。俺以外は作れないぜ。」


「そうね。空間の能力がないと無理ね。これ以上のものはないわね。

 オーバーテクノロジーをいいところよ。はぁ~。」


エンデは腕を組んで満足そうにうなずいた。

六花は頭に手を当てて大きなため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ