温泉休暇
「ふ~。いいお湯だ。」
信幸達は祠の洞窟からでて、麓の街で温泉に浸かり、一息をついていた。
「信幸さん次は水の国ですか。」
富士が信幸に尋ねる。
「それなんだが、さっき地図を見たら遠いんだよな~。」
「どうします?」
「まぁ。ちょっと考えるわ。」
『秋ちゃーん!』
ーガシャーン!-
『もう!飲みすぎ!』
「はぁー。何やってんだよ。」
「信幸さま。ご心配なく。いつものように飲んだら、
熱さで酔いが早く回ったようです。
アンとサラが介抱しております。」
「そうか。はぁー。」
ー------------------------------
「でだ、次何だが、水の国はここなんだ。」
そう言って、浴衣のようなゆったりとした服を着せられ、
床に置かれた紅葉を後目に信幸は女神の力を使って作った世界地図を広げ、
群島のある範囲をさす。
「今どこです。」
名取が聞く。
「えーと。ここだな。この山岳地帯の場所だ。」
そう言って大陸の中ほどからやや東を指す。
「ちなみにですけど、テンクル国は?」
「ここだ。」
西側の海と大河のあるあたりを指す。
「こうみると、小国が乱立してるんですね。」
「そうだな。広い大陸でそれぞれの土地の特色を生かして生活しているようだ。
でだ、話を戻すぞ。次に行くのはここだ。
見ての通り、ここからだと南東に位置する。
もともと、ドワーフたちの国がここからやや南西側で、
南の海側にでるには大きな山脈と谷を越える必要がある。」
そういって、地図をなぞる。
「一旦、ドワーフの国に戻ると、この山と谷を迂回できる。」
そう言って、ドワーフの国を指す。
「穴や橋を作るのは厳しいですよね。」
「手間だな。それに最終目的地はここ。」
そう言って。地図の南東の端のやや西側の少し大きめの島を指す。
「へ?ここ。でもここなら、海側から・・・。
ああそうか。神の復活の必要がありましたね。」
大野が指された場所を見てそういう。
「それもそうだし。女神に聞いたところ、この大海には
リバイアサン、クラーケン、バハムートといった、
神に準ずる魔物が複数いるらしい。
船をいくら頑丈にしても、相性が悪すぎる。」
「それは・・・。そうですね。」
「でだ、神々だが、後、こことここ、そしてこことここだな。
聞いた話では、ここは芸事、ここは獣、ここは商業、そして最後が武。」
「行ったり来たりですね。」
日野がのぞき込みながら言う。
「商業神は最後でもいいはずだ。経済は回っているからな。
あいつらもそこは狂わせることはできなかったみたいだな。
動きが鈍いのは芸事、獣、武」
「なら、南の海岸沿いを行くのが正解ですか。
でも、残っているのは水と風なのに、3柱もですか。」
「武はもしかしたら別要因があるかもしれん。」
「とにかく、ドワーフ国に一旦戻って、水の国へ向かいましょう。
精霊たちを片づけて行けばわかることです。」
そう言って、神戸がまとめる。




