女教師へのお願い
紅葉が龍が起きる分のリソースを譲渡したことを確認し、
信幸は鍛冶の神へと向き直る。
「この場は守護者にして、管理者の火龍がいた。
そして、周囲の岩盤からはもう一体の土龍の気配がする。」
「あやつか・・・。あやつは~。」
「その社の裏だ。裏に卵がある。彼奴が一番ここの精霊の影響を受け、
力を吸われ、あと一歩で消滅するところだった。」
火龍は鍛冶の神が考えているのをみて、体を持ち上げながら答えた。
それを聞いた富士が祠の裏手に回り、何かないかを探す。
そして、15Lほどの大きさの卵を抱えて、戻ってきた。
「これぐらいしかなかったけど。これ?」
「それだな。土の気配が濃い。だが・・・。俺らのリソースでは無理だな。
孵化させることはできても、元通りにするには、足らない。」
「信幸様。これを。」
悩む信幸にアンが現れ、鏡を渡す。
「これは?ああ。なるほど。六花謹製のリソース充電池か。うん?
満タンじゃないか。紅葉~。」
「てへっ。忘れてた。」
信幸に睨まれた、紅葉は舌を出してすっとぼける。
「は~。」
信幸はため息をつきながら、魔法陣を描き始める。
その中央に鏡を倒して置き、その上に卵を乗せる。
すると卵と魔法陣が光り始める。
暫くすると、卵が宙に浮き、鏡は信幸の腕の中に納まる。
そして、卵が割れ、その中から光が現れ、そして徐々にその光が大きくなる。
近くにいた火龍ほどの大きさになると、光は地面に始め、鱗と尾びれを纏った、
トリケラトプスのような龍が現れた。
「ここは。我は・・・。もとに戻れたのか。」
「おお。友よ。」
「鍛冶の。すると、あの忌々しい精霊は消えたのか。」
「そうだ。そちらの女神の代行者が片付けてくれた。」
そういって、信幸たちを鍛冶の神は指す。
「おお。感謝する。これで、この地は元通りだ。」
そういって、土龍は深々と頭を下げた。
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「次の目的地はお決まりですかな?」
「いいや。しかし、それを聞くってことは言ってほしい場所があるのか?」
「はい。できれば、火山と温泉の国 フィン、
そしてその後、水の国 ヴェネアテへと。」
「火と水か。」
「そうです。実際には薬の神と芸事の神のです。あと水の竜。」
「どちらも、お前たちに近しく、また精霊の影響を受けやすい。っか。」
「そうです。そこはおそらく、火の精霊、水の精霊の拠点。」
「あー。なるほど。う~ん。」
「あの何か?」
「いや、決定打がなくてな。水はともかく、火はな~。火の気をとるなら、
風と水なんだが。俺も紅葉も不得意なんだよな。」
「では、水の国 ヴェネアテを先に攻略するのは?」
「いや、先に火山と温泉の国 フィンを片付けるのが筋だろう。
属性的に。まあ、考えるは。」
「次は温泉?」
「そうだが、分かっているよな。」
「い、嫌だな~。遊びに行くわけではないことぐらいわかっているよ。」
慌てて、目をそらして、そういう紅葉にため息をついて、
信幸はエンデに相談して、対策を考えることにした。
「は~。面倒。」




