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女教師ダンジョンアタックをす

ーボッ!ー


ーバッシン!ー


「いったーい!何すんの信兄!」


「何すんの!じゃねぇ!洞窟で火を燃やすやつがいるか!アホ!

 いくら人形の器でもやるんじゃねえよ。」


「え?何で?」


ダンジョンへもぐり暫くしてから、火球を掌にともした紅葉の頭を

思いっきり信幸が叩く。


「秋ちゃん。閉鎖空間で火を燃やすと呼吸がしづらくなるからだよ。

 あと、爆発系の気体が充満していることもあるから。」


神戸が紅葉の疑問に答える。


「おい。生徒より馬鹿なのかお前は。」


「あはは・・・。」


「そうでもないよな。俺ら旅をするようになってから、

 キャンプ雑誌やら旅ガイドを読むようになったことで初めて知ったもんな。」


信幸は、紅葉にあきれる。そんな紅葉に富士がフォローする。


「名取くん。」


「ああ。」


宮城が名取に声をかけると、名取が光球を掌に浮かべる。


「上出来だ。だが、これでは戦闘がしづらいな。」


一連のやり取りでしょぼーんとする紅葉の後ろに急にアンが現れる。


「姫様。あれほど準備するようにといったではないですか。

 こちらをご用意しましたので、皆様どうぞ。」


そういって、アンは人数分の水晶のようなものがついた指輪を渡していく。


「これは?」


「六花様が作った。光球を生み出す指輪型の魔道具です。

 生成後は周囲の魔素を吸収して、維持されます。」


「すごいですね。」


「まあ、こちらも試用品ですが・・・。問題がありましたら、

 ご報告ください。」


「流やエンデ作ではない分、問題はないはずっか。」


「ええ。そのはずです。」


そういって、アンはすっと消えた。


「おー。これは。」


名取は自ら光球を作成するよりもすっと光球が発生し、

自らの頭上に安定するのが分かった。


「これはいいですね。」


「さすが、だな。」


信幸もその無駄のない作りに感心した。


「さて、行くぞ。」


そういって、はしゃぐ周囲を落ち着かせ、信幸は先を促した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「どうです?」


「だめだな。確かにダンジョンだが・・・。」


「う~ん。大分前から眠っている感じかな。

 これじゃあ、元に戻すのに時間がかかるかも。」


「そうですか。」


大月が、二人にこのダンジョンの様子を聞くとそんな答えが返ってきた。


「にしても、やりにくい。」


そういって、名取は剣に光を纏わせて振るう。


ただ、素振りをしているわけではなく。

でてくる敵がレイス系に偏っているため、

付与系の魔法を得意とする3年生が主に戦っているが、

消えては現れてを繰り返すため、中々当たらない。


「これは、厄介な。」


「魔法も範囲型でないと当たらないかもね。」


紅葉と信幸はその戦いを見ながら、つぶやいた。


「しょうがない。青龍!頼むよ。」


<御意。>


信幸の呼びかけに青龍が現れ、一振りでレイスを一掃する。


<主。これはちと、生徒には荷が重いですね。>


事もなげにレイスを一掃した青龍が振り返って、信幸に言う。


「と、いうと?」


<魂というより、思いによって生じているので、これは純粋な魔物に近いです。

 土地神の残留エネルギーとこの麓の人間の不満とが結びついて

 生じたもののようです。

 われらのようなエネルギー体ならともかく、生徒には・・・。>


「なるほどね。そういう存在か。

 しょうがないけど、今回はお客さんかな。俺らも含めて。」


<それが良いかと。主なら、手段もあるかと思いますが。

 それでも奥につく前に尽きることが考えられます。>


「だな。紅葉。」


「周辺警戒は任せて。」


「おう。はりきっているな。」


やっと出番がきた紅葉は後方と強襲に備えるのだった。

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