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女教師は叱られる

「で、だ。レイから昨夜、いやすでに今日だったのか、顛末を聞いたぞ。」


食堂でまっていたのは頭を抱えた信幸とジト目の生徒たちだった。


「あはははぁ~。」


「あのな。いい大人なんだから少しは自重しろよ。」


「ほ、ほらご飯食べてからにしよう~。」


「お前な。話のそらし方が都合が悪い時の母さんに似てきたぞ。

 お前らは先に食べてていいぞ。」


「はい!」


「そんな~。」


そう返事して、生徒たちは食べ始める。信幸は紅葉を真っすぐ見つめて

こんこんと話し始める。


「は~。やはり懸念した通りになったか。

 どうせ。エネルギーの回復が済んだから、一人で行こうとしたんだろう。

 お前、昔っから取り敢えずやってみる、取り敢えず突っ込む、

 みたいなところがあるもんな。

 それに巻き込まれて、流治や六花がどれだけ被害を被ったか。

 あいつらがやっていないのに、怒られたこともあったな。

 そん時は俺が止めて、知らん顔していたお前を引きづって、

 しっかりと責任を取らせたっけ。なー。いい加減よー。

 社会人になったんだから、責任の取り方ってやつを分かれよ。

 今も、表ではお前の手伝いを六花や俺、下手したら流治がやってるんだぞ。

 は~。これなら、まだ流治の方が、責任の取り方ってやつを知っている。

 あいつ、大分苦労したのか、

 それとも親父とおかあが反面教師的な感じで学んだのか。

 まあ、それはいいや。なんで、流治ができることをお前ができないんだよ。

 行動する前に考えろよ。足りないものとか必要なものがあんだろうが。」


「信兄。言葉遣いが崩れてるよ。ビビってるビビってる。」


「おっとー。ふー。」


信幸は深く息をついて、一口コーヒーをすする。


「でだ、一応確認だ。任せた仕事は終わったか?」


「?」


紅葉は何のことかと首を傾げる。


「秋ちゃん。兵の訓練。」


横にいた宮城が指摘する。


「あ、ああ。うん。終わってる。

 今はこっちに来た分隊に混ぜて実地と演習で、学びつつ。

 それとは別に警邏と衛兵の任務を与えて、それらをローテーションさせる。

 もう、私は手をださなくてもいいかな。」


「俺らのリソースを回収するタイミングは?」


「えーっとそれはー。」


すぐに回答できない紅葉をジト目で見つめる。


「考えてませんでした。」


「だろうな。お前にその辺は期待していない。」


「あはは。すみません。」


「今日はその辺の打ち合わせとこの国の今後の運営方針の話し合いがある。

 それに、お前も参加するように。」


「僕たちはどうすればいいですか?」


名取が予定の話になったので、質問をする。


「取り敢えず、試験も終わったと思うから、ゆっくりしてくれてかまわない。

 買い物行くもよし、そこにいる偉丈夫の侍から、剣術を教わるもよし。

 魔法の自主練でもいいぞ。俺の式神を御伴に着けるから、

 グループごとに分かれてくれると嬉しい。

 打ち合わせの前までに決めて、来てくれ。」


「了解です。」


その話の横で、紅葉はパンに手を伸ばす。


「まだ、食べていいとは言っていない。」


そういうと、紅葉の前のパンの皿ににょきっと足が生え、

信幸の前に移動する。


「すごっ。」


生徒はその発動スピードとイメージに驚く。


「フフフ。こほん。紅葉。お前本当に反省しないな。

 そんなお前に今日は一日俺の横で、軍備に関する資料と申請書の確認作業だ。」


「そんな~!!」


「ほら、急いで食べて、仕事にかかるぞ。」


うなだれる紅葉に皿を戻し、信幸は食事を始めた。

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