女教師水源を調査す。
「さて水源を探して、ここまで来たけど・・・。これ、完全に真裏よね。」
「そうだな。」
「水路を作るのも面倒ね。水量は?」
「問題はないかと。」
「力技でいくわ。」
そう言って、紅葉は地面に手をつく。
「コアを使えばよいのでは?」
「ここまで領域の拡張はできない。それに、水路は3種類必要なのよ。」
「3?2では。上下水道ですよね?」
「ここ、想定した水源ではないのよ。」
「は?水の反応はここだけですよ。」
「僕もそうだよ?」
紅葉の発言に青龍と玄武は困惑する。
「手をついて、この辺りの確認をしたんだけど、
王城につなぐには高さが足りないの。
それに、コアで見た機構がもう少し火口よりに見つかったわ。」
「なら、町用の上下水道だけ、この水源で賄えばよいのでは?」
「どう考えてもあの機構では水量が足りないのよ。
だから、いっそのこと、ここの水源とつながるようにするわ。」
「どうやって?」
「それは・・・。蒸気を使った水車でよ。」
「うまくいくんですか?」
「できなかったら、青龍に車輪と軸をお願いするもの。」
「結局最後は人任せなんですか。」
がっくりとしながらも、青龍は覚悟を決める。
この兄妹は従者の扱いが酷い。
紅葉は目をつぶり王都までの水路のイメージをする。
山肌に沿って、地中を通り、直径30cm程度の円形の滑らかな管をイメージする。
ふとそこで、思い立つ。
変身をして、作れば、燃費よく作れるのではないかと。
紅葉は変身をする。
「「うわ!」」
「あ、ごめん。」
「言ってくださいよ。ビックリしたじゃないですか。」
「それが変身ですか?すごいっすね。」
「そうね。ある意味。オーバーテクノロジーの塊たからね。」
変身が完了したのを見計らい、再度、地面に手をつき水路のイメージをする。
先ほどよりも簡易的なイメージと目標で
すんなりとイメージが固定化される感触がある。
「すごいわね。出力がサポートされるって。こういうこと。」
そんなことをつぶやきながらも、王城への上水道も併せてイメージする。
「できたわ。」
「・・・。さすがですね。」
紅葉の完成の言葉を聞いた玄武が目をつぶり、水の流れを確認する。
問題なく、流れるのを確認し、歩き始めた紅葉の後ろを追いかける。
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「青龍、ここに軸と軸受けを作るから、板7枚と水車の車輪をお願いできる。」
「板の大きさは?」
「そうね・・・。車輪の直径分の長辺と、短辺がその1/4ぐらいかしら。
なくてもいいんだけど、動力の補助としてつかいたいのよね。」
「車輪の大きさは?」
「この水路から、あの水路まで、より30cm大きいくらい。」
「フーム?」
「こんな感じで作りたいのよ。」
そういって、紅葉は手ですくった土で、イメージを形にする。
「なるほど。そんな感じか。桶が倒れて、水を汲み、
また倒れて水を落とす感じか。
なら、稼働範囲が決まっているから、桶の軸も作りやすいな。」
そういって、青龍は自らの手の平から木の板やら、棒やらを生み出し、
加工をしていく。
接着剤の代わりに泥を紅葉が固めて接合をしていく。
そして、数時間で大きな水車が3人の前に横たわった。
「よし、軸を付けて設置しちゃおう。
王城側の水路はもともとの水路に繋げたから、
すぐにでも使えるし。」
そういって青龍の力で水車を持ち上げ少し持ち上げた軸に差し込む。
「あとは軸を泥でくっつけてっと。よし、ゆっくり、降ろして。」
ゆっくりと水路に落とす。
するとゆっくりと水車が動き始める。
「うん。良い感じ。」




