石工建築
「だぁー。このコア使えねー。」
「信兄、何吠えているの?」
「あー、紅葉。エンデから、この町の維持用に
ダンジョンコアの劣化版をもらったんだが、
なぜか、維持ができないって出る場所が多くてな。
じゃあどうやって今まで維持してたんだよ!てな感じでな。」
「貸してみ。」
「あー( ゜Д゜)お前じゃ無理だろ。」
「何言ってるのよ。私は土と火、鍛冶よ。木や金属で作られているわけでもなし、
土や大地をベースに作った建造物なら、私の範囲でしょうに。」
「あーそれもそうか。ほれ。」
納得をした信幸は紅葉にコアを渡す。
しばらく、コアから敷地情報を読み取った紅葉は
なぜエラーが発生するのか看破した。
「これ、見た目重視で無理やり土を石にして、どうにか維持してるだけじゃない。
無理無理これじゃあ。支えもないし、そもそも維持の魔力が多すぎる。
はー、これは大変ね。」
「あー。なるほど。そういうことか。じゃあ俺じゃあ無理だな。
材料の確保が面倒だし、やるとすると、一から設計し直しか。」
「そうね。信兄ならそうかも。これは私がやるわ。
終わったら、壁にでも埋め込んで、誰の眼にも触れないようにする。
どうせ、これ以上の拡張は無理でしょうし、
後は人力でやってもらう他ないと思うし。」
「そうだな。とりあえず、上下水道、温水路、現状必要な水路かな。
これはこっちで、設計したものがあるから、
そっちで強度を見ながら作ってくれ。」
「それなら、下の溶岩をうまく利用して、熱を取り出せるようにしましょうか?」
「その辺もうまくやってくれ。鍛冶場の炉の余剰熱もうまく使ってくれ。」
「そうね。・・・。お酒も作っていい?」
「そこだよな。せっかく炉を持っているし、地熱もあるし、
利用しない手はないよな~。
特産品にもなるし。だがな~、作物がな~。」
「六花がいない今。私だけでは限界があるけど、この世界なら、
私だけでもできるかもよ?」
「そうだな~。・・・。やってみっか。城壁を100m外側に新たに施設して、
現状との間の土を改良、作物を植えてみて、できるかどうか。
ただ、結果は1か月先だし、果物はさらに後になるか?
いや、俺の力を使えば・・・。うん、麹菌や植物は俺の範囲だし・・・。
いけるか。」
「そうだね。土壌の改良と水さえ見つかれば、それで行けると思う。
水は青龍と玄武に頼めばいけなくない?」
「そうだな。そうしよう。あと、ポンプの設置を急がせて、
水路と地熱を使った回転エネルギーでくみ上げを自動化できれば、
よりいい感じだな。」
「それは装置を作ってからね。とりあえず、城壁、水路、上下水道、
温水路を作ってしまうわ。」
「頼ま~。水源は恐らくこの場所にあるはず。」
「そうね。さっきコアで見たとき、この城用の水路の後があるから、
恐らく大丈夫のはず。」
「だな。やった。これで政務にだけ取り掛かれる。」
「ほかの人を頼りなって。心配だから、レイとアンは兄さんに着けるよ。」
「うっ。抱えないように頑張ります。」
そういって、そばにいたアンとレイに、
信幸のアシスタントをするように伝えると、
紅葉は青龍と玄武を伴い、水源の調査に向かった。




