確保しよう
生徒たちとわかれ、紅葉と信幸は話し合いをするために
信幸の執務室へと向かった。
「テスト週間か~。でも、中間なら一日だろ?」
「そう、ね。でも、生徒は1週間前から、準備をしないと。」
「そりゃそうだ。幸い、俺が理数系、紅葉が文系が行けるか。」
「中学程度ならね。でも、信兄は、仕事があるでしょ?」
「それな。あと、土着の神の話を集めなきゃならん。」
「そっちは、式神と私の部下を使いましょう。」
「それもそうだな。情報収集はあいつらならお手の物か。」
「信兄は、取り敢えず、目の前のことを片づけたら。」
「だな。都市機能の簡略化と産業の復興か。う~ん。人を出すか。」
「私の部隊も使っていいから。」
「そうだな。そうすりゃどうにかなっか。
えっと~。これが地図か。辺境の領地はっと。
王国側はともかく、フィンとレンカーン側は割きたいな。
紅葉の部下なら分隊で十分のはずだから、
こことここと、ここで・・・。
60人程貸してくれるか?」
「問題はないわ。」
「俺の方は、地方に派遣する文官と、中央、技術者、判事、検事、あっそうか、
工兵を別で60ほしいな。」
「分野は?」
「建築、土木、農林業。」
「それは兄さんや、六花や流のところでしょ。」
「建築、土木はそうだな。農林業は、教材頼みつつエンデに問い合わせするか。」
「それがいいと思うわ。」
「だな。あとは、魔道具、筆記用具、ハウツー本、
そうだ、巫女やシスター、神官も必要か。」
「それは後にしようよ。問題でそうだよ。」
「それもそうだな。よし、こんなもんかな。紅葉、エンデを。」
「はいは~い。コールっと。」
ージリリリリ、ジリリリリー
「なぜ、黒電話調?」
そんな音がしばらくなると、コールがやむ。
失敗か?と頭に「?」浮かべていると
ートントンー
「ちわー。ユグドラ便でーす。」
とおちゃらけたエンデの声がドアの外で聞こえる?
「はぁ。入れ。」
ため息をつきながらも、エンデを招き入れる。
「失礼しま~す。で、ご用件は?」
「人員の派遣と、魔道具、専門書、筆記用具が欲しい。」
そういって、信幸から差し出された紙を見ながら、エンデは話を聞く。
「生贄や術のせいで、動かせる人員がいない、とりあえず、派遣をして、
各地方の地力を回復させて、地元民の囲い込み、
育成を行うのにそれらを入手したい。」
「ふむふむ。魔道具は話からすると、工事、農林業、
工業及び商業で使うもの全般、
本もそれに沿った教育用のものってところかな。
おや、この最後のは?」
「あーそれは、生徒が勉強したいっていうから。」
「あーなるほど。5教科の教科書にそった問題集ってそういことか。
それは用意するよ。教師も必要?」
「できるなら。」
「う~ん。俺か、それともお母か。」
「あー。うん。その辺かな。」
「まあ。どっちかがこっちに来るようにするよ。
工兵は、農林業の専門が強いやつかー。
取り敢えず、募集はかけてみる。
兵や役人系は信と秋の直下だから、直ぐ連れてこれる。
物品系も図書室の本をコピーしてすぐ用意できるし、
魔道具も倉庫にそこそこあるから、
すぐにもってこれそうかな。
うん。そんなところ。」
「要望どおりだな。じゃあよろしく。」
「送迎場所は?」
「地下にちょうどいい場所がある。」
「どれどれ。うん。いいね。じゃあ、うーん明後日にその場所に来るよ。」
「よろしく。」
「はいはーい。」
そういって、エンデは消えた。




