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女教師生徒に説明す

宰相の呼んだメイドの先導で城の客間へと各々が通された紅葉たちは、

一度、紅葉の客間へと集合した。


「さて、秋ちゃん先生。説明してもらおうか。」


3年生の宮崎 芽衣子が紅葉に切り出した。

彼女は今年の6月まで、副部長を務めており、

真面目でかつムードメーカー的存在であった。


「そうね~。どうやって説明しようかしら、

 口下手だから、ディスカッション形式にしない。」


そういって紅葉は7人の生徒を見渡した。

生徒たちはそれでもいいかとうなずいた。


「じゃあ。だれから?」


「私から聞かせてもらうわ。この世界は?」


宮崎が一つ目の質問をする。


「それは、私もわからない。ただ、そうね~。わかりやすくいうと、

 剣と魔法のファンタジー世界ってことだけはわかってる。

 これでいい?」


「今はその解答でいいです。」


「じゃあ次は俺が、どうして俺たちが選ばれたんですか?」


6月まで部長だった名取 祐樹が口を開いた。

彼は誰よりも責任感が強く、だれよりも一生懸命に努力をする生徒で

下級生からの人望も厚い。


「そこもどういう判定であの黒い穴があの剣道場に開いたかはわからないけど、

 さっきのこの国の人の話からすると、

 勇者か英雄の力を持つにふさわしい人物がいたから、

 ってとこかしら。」


「あやふやですね。じゃあ、どうして、この世界の言葉がわかるのですか?」


同じ3年生の神戸 龍也が話の流れで、質問をする。

彼は几帳面で丁寧な物腰の男の子で、部長と副部長のブレーキ役だった。

なんでも吹奏楽部に彼女がいるらしい。


「ああ。それはこの腕輪のおかげ。これは長くなる話なんだけど、

 向こうの世界でも、裏世界と呼ばれる世界があって。

 その世界はファンタジーの世界なの。その世界で、行動するために、

 私の弟が魔素と呼ばれる目に見えない物質を用いて

 翻訳やら魔法の発動やらのサポート機能を付与したアイテムなの。

 まあ、その仕組みはおいおい説明するわ。」


「じゃあ、じゃあ、次は私が」


そういって、一番若い日野 岬が手を挙げる。

彼女は元気で、活発な女の子だ。


「帰れるって言っていましたけど、いつ帰れるんですか?」


「正確な日時は不明だけど、たぶんしばらくすれば、元の世界から、

連絡があると思うわ。そしたら、ちゃんと答える。」


「それは、本当に来るんですか。」


懐疑的な意見を同じ学年の富士 信也がする。

彼は、大人を信じていない節があり、教師の言動も常に疑ってとる感があり、

自分の保身に走ることもある。


「問題なし。うちの弟は、何度も経験して、その編はエキスパートだから。

 あっ。でも、この世界の人にその辺を話さないでね。

 戻れなくなるかもしれないから。」


紅葉は釘を刺す。


「今後の方針はどうしますか?」


中2現部長の大野 鉄平が紅葉に尋ねる。

彼は、堅実に1歩1歩、慎重に事を進める真面目な性格の男の子だ。


「さっき王様に言った通り、私たちがこの国に利益を生むことを示して、

 不自由のない生活を手に入れるのが、主目標。

 なので、知恵と知識を総動員して、兵の訓練やら、研究やらをします。

 その中で、自由研究やら、夏休みの課題を片付けてもらいます。」


何人かは「うげっ。」っとつぶやいた。


「さ、最後に、後ろの方たちは~?」


そういって、中2の副部長の大月 健也が手のひらで指す。

いつもは礼儀ただしい彼も今の現状には戸惑いを隠せないようだ。


「あ~。彼ら?彼らはそうね~。」


「我々は姫様の従者です。姫様の妹君が姫様のために作った~、そうですね~、

 九十九神のようなものと思っていただけたらと思います。」


「「「は、はあ。よろしくお願いいします。」」」


「はい。よろしくお願いいたします。」


そういって、レイたちは執事がするような礼をする。


「ありがとう。レイ。まあそういうこと。

 さて、ある程度は疑問が解消したかな?

 明日からまた、頑張るとして、今日はそうね~。

 アン。何かないかしら?」


「はい、姫様。とりあえず、トランプはいかがでしょうか。

 気がまぎれますし、大人数で楽しむにはよいかと。」


そういって、アンはどこからともなくトランプを取り出した。


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