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腹減りのまま攻城戦

「ふ~。やっと腹八分よ。」


「3日分の飯だった気がするが。まぁいつものことか。

 動けないよりはましかな。それに、後のことを考えれば、

 8分が最良か。」


「えっ?この後なんかあるんですか?」


あまりに紅葉の食べっぷりに驚いていた名取は

信幸の最後にいった不穏な言葉に我に返り、尋ねる。


「何って、攻城戦でしょうが。でも、兵のほとんどがこの場にいた以上、

 そんなに大変ではないと思うけど。」


「いざとなったら、紅葉。」


「わかったよ。私の奥の手を使う。」


そんな会話をしながら、神将と生徒に監視をさせた

護送車を引きつつ、少し先の王都を目指す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これは・・・。」


「ふむ。こう来たか。」


「これは王都なんですか?」


眼前に見えてきたのは、どこに門はなく、立派な煙突がずらりと並び、

山肌にそって窓が並ぶ、正に山を丸ごと利用した都市であった。


「理にかなっているな。」


「水は地下水。鉱物は山の中から。重要な施設は山の中央部ってとこかしら。」


「見てわかるもんなんすか?」


たまたま横にいた富士が紅葉に尋ねる。


「中が彼らの作ったものならね。そうしないと。

生産と政治、採掘が行えないのよ。

 この世界では、一歩外に出れば、モンスターがいる。防衛や避難を考えれば、

 最適解は少ないわ。」


「な、なるほど。」


「でも・・・。信兄。」


「ああ。だろうな。迷宮化している可能性がある。

 コアは精霊。外観は迷宮化していない。内部になるほど複雑化し、

 モンスターもいるだろう。」


「どうする?人質連れてじゃ。無理だよ。」


「そうだな。まず、正攻法。紅葉をマッパーにして、

お前のバルキリー部隊で殲滅。」


「私もバルキリーも火を使えない時点で、戦力的に半減。よって却下。」


「だよな。俺をマッパーで神将で突撃。」


「神将が精霊よりで力半減。信兄じゃ、都市の性質上マッパーはできない。」


「だよな。」


「私の本気。」


「地形を変えてどうする。お前の奥の手は・・・。無理だな。」


「回復されて、中央に到達できないと思う。」


議論がひと段落したタイミングで、紅葉は地面に手を着き、目をつぶる。

しばらくそんな体制をしたかと思うと。


目を見開き、少し思案して、口を開いた。


「地下に火山があって、その熱と火力を利用している。

 あと、ざっとだけど、コアの位置を特定した。」


「マジか?!」


「大マジ。できるかわからないけど。こんな方法はどう?

 コアの周囲数センチを切り取って、迷宮化していない地中を移動させて、

 引っ張りだすの。緻密さを必要とするけど・・・。」


「それなら、俺の木の力で相手を取り囲んで、手伝ってやるよ。

 神将、周囲を警戒。」


「クリス。」


紅葉が呼ぶと大楯が出てくる。


要塞(フォートレス)


その叫ぶと周囲に高さ5mほどの壁が現れる。


「さすがだな。戦略戦最強は。さて、これをコアの真下まで移動させろ。」


そういって、一つの種を紅葉に渡す。


「任せてよ。あんたたち、戦闘準備。」


「「「はい!先生。」」」


紅葉は地面に種を埋めると、再び、目をつぶる。

信幸もそんな紅葉の肩に手を置き目をつぶる。


そして、ぼそっとつぶやいた。


「小腹が減った。」

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