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召喚陣

「さ~て。ここわっと!」


ードゴッン!!ー


紅葉が壁に手を当てるとはでな音を立てて、砂へ変わる。


「ワッ!プッ!砂が口に。ペッ!次はうまくやろう。」


何度目の宣言かは忘れたが、この方法をとる度に言っている気がする。

アンとレイはそう思うが、口には出さない。


「これは・・・。クリスタル?なんのために・・・。媒体?

 とりあえず。魔素の反応もないし。回収で。さて、次はっと。」


アンの能力でしまってもらい、反対側の壁へと向かう。


ーサラーー


「うん!一気に崩さなければいいのだよ。」


一応、ある程度は学習するらしい。


「こっちは・・・。魔素の反応ありっか。これもさっきの水晶みたいだけど。

 うーん。何だろう。楔?呪い?まぁ。後で信兄に見てもらうで良いか。

 こっちも回収で。」


様々な魔素の水晶が置かれていたが、紅葉にはそれがなんであるのか

判断ができなかった。

この手の物は信幸や六花、流治が解析を得意とするため、

紅葉は一切手を出したことがない。

何せ、すべて力技で解決するのが、紅葉である。


「さてっと。あとは地下があるかの調査かな。」


そういって、紅葉はいったん建物の外へとでる。

建物が黄金と木のため、紅葉は干渉しづらい。

そのため、建物周辺の大地から、干渉をし、地下があるか

調査をする必要があるためである。


「これは・・・。随分と広い。お堂のようになっている。

アーチ型をつかって、建物を支えているし、

 儀式を行うのかしら・・・。入口は・・・。ダメね。 なさそうだわ。

 取り敢えず階段らしきものがある場所はわかったからそこから降りましょう。」


そういって、建物の側面に回る。


「この辺りのはず・・・。」


そういって、壁を砂に変えながら、歩いていく。


「姫様。どうやらあたりです。」


角から1mほど進んだところに穴が空く。それに気づかず進む紅葉を

レイが声をかけて止めた。


「さて、何があるのかしら。」


覗くが階段の先は暗く見ることができない。


「アン。」


「はい。姫様。」


そう返事をしたアンはどこからともなく太陽電池搭載のLEDランプを取り出し、

先頭を歩き出す。


「燭台の類はなし。完全に人が使うことを想定していないわね。

若干空気が肌寒いわ。」


そして、やっと階段が終わる。しかし、光源がないため、真っ暗でなにも見えない。


「困ったわね。」


「姫様。こんなこともあろうかと。

水銀灯と発電機を4つほど購入しておきました。」


「どんなことよ。まぁいいわ。四隅に設置しましょう。」


3人で設置・稼働をさせながら、壁にそってぐるっと一周する。


「以外と重労働だったわ。さてっと。」


紅葉は明るくなった部屋の中央をみる。

するとそこには、魔法陣と北側に何かを載せる台が置いてあるのが見えた。


「ははーん。これを使って住人を拉致したのね。」


いつも脳筋と呼ばれる紅葉も最近見たことのあるこの魔法陣の構成と

また、上の階で手に入れた水晶からこの場所でなにが行われたのか推測ができた。


おそらく、この魔法陣を起動させたとき、

町の特定の場所を通過した個人を召喚し、

かつ水晶に魂なり魔力波長なり記憶させ、

それを媒体に隷属させるのであろう。


「アン。写真を。」


「はい。姫様。」


「その後、私が地面を隆起させて、破壊する。」


パシャリ、パシャリと部屋に音が反響する。

そして、一通り写真を撮り終えたのを確認すると、紅葉は地面に手をつき、

剣山のように隆起させた後、地面を柔らかくする。


「さて、脱出しましょう。」


そういって、水銀灯を回収し、外へと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「まだ、時間はかかるだろうし、あの長屋もどきを調べましょうか。」


そういって、紅葉は屋敷から離れた位置にある牛舎のような長屋へと向かった。

そこは、地面がむき出しとなった床に鎖や枷をつなぐのであろう鉄の輪、

藁を敷き詰めただけのねぐらのような場所が鉄格子で仕切られた場所であった。


「とりあえず、地面に接しているのは、

 あの屋敷の構成からして、すぐに見つけているだろうから、

 藁やそうね~、屋根の梁を確認しましょうか。

 アン、流動食と回復薬をバスケットに入れて用意しておいて。

 私のカンだと3人ぐらいだと思う。」


そういって、適当だとおもう歩き方で各小部屋にはいると、

藁を引っぺがして、宣言通り、3人の女の子を見つける。

いずれも衰弱し、手かせが外れていた。


「治療を。私は本当に3人か確認をするわ。」


そういって、今度は丁寧に藁をどこしながら、各小部屋を探っていく。

追加で2人ほど男の子を見つけ、アンに引き渡すと、

梁にひょいと登り、見回し、何もいないことを確認すると、

再び、何事もないように降りてきた。


「あなたたちでこの場にいるのは全員?」


そう尋ねると、男の子の一人がビビりながらもうなずいた。


「落ち着いて食事と回復薬を呑みなさい。この二人の近くなら安全だから。」


そういって、紅葉は胸糞が悪くなる建物をでると外にでてのびをする。

すると腕輪が鳴った。


<信幸から『限定解除』の申請があります。>

<許可OR否認 選択してください。>


(あ~。切れたな。)


ー許可ー


「ぽちっとな。」

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