女教師旅にでる
「さて、旅の方針も決まったし、次に向かうのは工芸と鍛冶の国、ビエツね。」
「うれしそうだね。秋姉。」
「そりゃぁ。私自身が鍛冶と戦をもともと管理している存在だもの。
いい剣をめでるは大好きよ。」
「そんな秋姉にお知らせです。お目付け役件、教師として、
信兄を呼びました。」
「よぉ。なんか大変なことに巻き込まれたんだって。」
「げっ。兄さん。仕事はどうしたのよ。」
「お前と同じだよ。この体は分け御霊だ。
ただ、俺の方は俺のオリジナルの術だがな。」
「いいよ~。ついてこなくって~。」
「ごめんね。そうはいかないの。ここを拠点にする以上、
人員は裂けないの。流のドッペルは私とこの拠点の防衛、
情報の整理、解析及び、この国での社交がある。
だから、エルやフレイといった人員を秋姉といっしょに行かせられない。
たしかに、秋姉は武器たちに頼れば、いいかもしれないけど、
生徒の引率と情報収集は同時にできないでしょ。
だから、信兄に来てもらったの。
流はどちらの世界によんでも影響が大きすぎるし、
あの子は社交的ではないしね。」
それを聞いて紅葉はだんだんとあきらめ顔になった。
「そういうこった。お前は相変わらず、戦略的視点が抜けているな。
それじゃあいざというとき、戦えないまま終わるぞ。
それに、俺は結界の張り直し、という役目も担っている。
神に力を戻しても、聖域を直さないことにはまた襲われるだろう。」
「むー。」
「あと、信兄は生徒の魔法教育の補助を行ってもらうわ。」
「はーなるほど。ということは連絡要員でもあるの?」
「そういうことだ。納得いただけたかな?」
「はー。うん。」
紅葉はあきらめて、うなずいた。
「じゃあ。準備があるからいくね。」
「姫様。準備と荷造りは私とレイ、ベルで行っておきました。」
「あっ。そう。」
いつのまにか、紅葉の後ろにベルが控え、出ていこうとする紅葉にそう告げた。
「マー、いえ六花様。」
「ふふふ。何、アン?」
「お着換えに関しては皆さまの物をそろえたのですが、
サバイバル、キャンプ用品と乗り物をご用意していただきたいのです。」
「あーそうか。そうだよね。日本みたいに、車で移動したら、
すぐ町ってわけにはいかないよね。」
「えぇ。地図を宰相様に移させていただいた際に気付いて、聞いたのですが、
村には宿はなく大きな町ぐらいにしか、宿がないとのことです。
また、いくら疲れないからと言っても、
乗り物なしでは、周りきるものも周り切れません。」
「そうね。キャンプ用品は流が一時期はまって、
防災用品としても使える便利用品っとかいって調べて、ユ
グドラシアの面々に作らせていたからあるけど、
乗り物は馬車がいいと思うけど。あったかしら?」
「あるぞ。最新式。」
「へっ?」
「俺が、頼んで作ってもらったんだ、ただ、軍司令部も兼ねたでかいやつで、
普通なら馬が6頭いないと動かないがな。」
「何を積んでいるの?」
怪訝な顔で、六花は尋ねた。
「屋上にも座席を作り、屋内の座席数は分隊輸送を考え、3x4列の12席、
トイレは異次元に流す方式を採用、後部に2段ベッドを2つ、
魔法なしでの世界を考え、水とガスタンク接続可能な
魔石式水道とコンロをつけている。
前長はそうだな、約8m 幅約3m。
まぁ、馬車の形をしたマイクロバスだな。」
「何を作っているのよ。」
苦笑いをしながら、六花は突っ込んだ。
「どうやってこの世界まで運ぶの?」
「俺の管理する倉庫に入っているから、術式で呼び出し可能だな。」
「どうやって動かすの?」
「それはだな。」
「私がユグドラシアで保護している。馬を呼び出すわ。」
「いたね。軍馬。」
「なら、2頭で十分だ。軽減の術式がかかっているから。
紅葉の軍馬なら、2頭で行ける。」
「ほんと最新式ね。」
「嫌味かよ。」
「じゃあ。明日には出発できるわね。」
「じゃあ、俺は生徒の様子を見に行ってくるかな。」
「私も行くわ。」
そういって二人は部屋を出ていく。
その後ろをアンがしずしずとついていく。
六花はその3人を見送って、この世界に来て何度目かの溜息をついた。




