女教師代替案を聞く
「さてと、こんなもんかな。
ユグラドシアへのゲート開通したぜっとぉ。」
エンデが床に魔法陣を描き終えると、とたんに白衣を着た人間と
ベストと迷彩色のシャツを着た人物たちが現れた。
「ほぅ!この世界が!」
「レベルは中世程度ですかな!」
「指令!指令は!」
各々が興味がある場所や何かを探すもので混沌とした。
「てめーら!」
ービクッー
踏まれてもみくちゃになったエンデが怒鳴りながら立ち上がった。
「すっ、すみませんでした!!」
来たものたちは慌てて土下座をするのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さてっと。これでいつでも元の世界に戻れるわけだけど・・・。」
「この前も言ったけど学校と両立しながら探索しなければならないし、
仕込まれた悪意も探さないとならない。
それは結構厳しいと思うのよね。」
「だろうね。」
「指令!その程度の些事我らが。」
すっと紅葉が左手を挙げると黙る。
「あなたたちには別の案件があります。それをこなして欲しいの。」
「わ、わかりました。」
その一言で迷彩服の男はだまる。
「でっ、何か方法か秘密道具はない?リツえもん。」
「は~。ようはこっちとあっち同時に存在し、行動をしたい。
そういうこと?」
「そう。」
「ずず~。は~。無いわけではないの。でも、まずおさらいをしようかしらね。」
「おさらい?」
「そう。魔素と元の世界の関係。」
「元の世界には魔素はなく。操るには魂に刻まれているゲートを利用して、
力を使わなければならない。ゲートは親から子へと複製される。
例外としては、私たち兄弟のように魂が変質しないものと、
何等かの術により裏世界の者と契約をしたものってところ?」
「そう。それ。では、魂に刻まれたゲートという存在。
それはどこにつながっていると思う?」
「えっと~。それは~。あれ?」
「そう。それは知られていなかったの。裏世界の存在たちはもともと、
魔素に浸っている関係で所謂第六の感覚器官で
具体的なイメージと結果が伴えば、
魔法や超能力というものは使えるの。
では、ゲートを使う側の表の世界の人間は、どこから魔素を呼びだし、
どうやって使うのかそれは知られていなかった。
使い方は過去の文献やイメージと結果がより具体的に練り上げられる
表の世界の人間の方が強い力になるけど、魔素の呼び出し元が不明だった。
調査の結果、ランダムでつながりそれは星だけではなく宇宙空間や冥府など、
魔素が満ちている場所だと分かったの。」
「え~と、その研究結果と今回の話のつながりが見えないのだけど?」
「は~。やはり、脳筋だな。ようは、魔素が満ちている場所であれば、
ゲートをつなぐこともでき、
疑似的な術者を人工的に作ることもできる可能性がある。
そのためには魔素が満ちている場所に
ゲートの起点となるものが必要になるってこと。」
「えっと。で?」
「そのために、このテストをしようと思うの。」
六花が左手を挙げると8体のシリコンで作成したと思われる人形を
白衣を着た人達が運んできた。
「これは?」
「所謂。形代ね。内部に魔素を圧縮して作成した魔石が入っている。
これに、魂の一部を入れるとその人そっくりに変形し、
かつ、魔石が魂と混じることで、元の世界とのゲートの役割もしてくれる。
それにより、こちらの世界での経験とリンクでき、
また、この世界で自由に動くことができるの。
デメリットは本人が同じ世界空間にいると、元の人形に戻る点。
まあ、デメリットたり得ないけどね。」
「すごいじゃない!」
「そうでしょ。そうでしょ。苦労したんだから。
なんせ最初のテストで動かなくて、
壊れたのかと思って泣きそうになったぐらいだし。」
「じゃあ。早速明日の朝に魂を入れて、明日の午後には帰りましょう。」
意気揚々と生徒に日程を説明しにでた紅葉を六花とエンデはあきれ顔で見送った。




