包囲殲滅戦②
「やれ。」
そう、エンデが口にしながら思念を飛ばす。
<了解です。>
すると、それに答える思念が8人に届く。
暫くすると、土壁が、島を包みこむようにせりあがり、
あわや空を隠かと思われたその土壁は、
頂点を円型に残し、そのせりあがりを止めた。
「「「「「「「え~!?」」」」」」」
それを、7人は驚くが、エンデは
腕を組んで満足そうにうなずく。
「あれ、でもこれだけ高い壁を生成すると、薄くなるし、
必要な地面が広いのでは?」
大野がそう口にする。
「さすがに、土壁を主軸に使っているな。
そうだ。これだけの壁を作るには広い大地が必要だ。
しかし、今回は深さを重視し、壁の両サイドの十mを
使って」
ードカーン!!ー
エンデが説明をしていると、遠くで爆発音が聞こえる。
「やはりか。」
「え?乗り越えることも、まして、壁に近づくこともできないはずでは?」
日野がそう言うが、エンデは首を振る。
「魔法があるから、壁に穴を開けさえすれば、人一人は通れるだろうよ。
だが、逃げれるかは別だがな。」
気絶させた襲撃者を縛り、車座になって待っていると。
<一名捕えました。ところで、後何名です?>
「ちょっと待て。」
そう言って、エンデは目を瞑る。
暫くして、目を開けて答える。
「悪い、リーダー格が後2名。壁の内と外に1名づつ。
その他のレベルのやつが、壁の近くの内側に5名。
俺らのそばに2名程度。だな。
外のリーダー格に今のところ動きなし、
場所はイメージで共有する。」
<受け取りました。数名を対処に回します。
あとはそちらで対処を?>
「ああ。対処する。」
そういって、エンデが指をパチリとならすと、
男と女合わせて、3名が車座の中心に落ちてくる。
「「「なっ!」」」
ードサッ!ー
ーバチッ!ー
地面に接した瞬間、名取が、雷光の如く動き、
3人を感電させる。
「流石、祐樹ね。」
「少しピリッとしたっす。」
宮城が拍手をして、喜ぶ横で、富士がぶすっとした顔で文句をいう。
<いいメンバーがいるようですね。
あと、5名はお任せします。
外に出ないよう警戒はいたします。>
「たのまー。さて、お前ら、行くぞ。」
そう言って、エンデがパチリと指をならすと、
縛った襲撃犯ともども、黒い穴へと落ちて、
その場から消えた。




