神の戦いは人知れず2
<ならば、これは???何で?>
スレンダーな女性が、何かをしようとするが、
何もおきない。
「考え方はいいが。それは違う。魔素そのものを固定すれば、
意思をいくら放出しても、何かが起こるはずがない。」
<な、なに!?ならこれはどうだ?>
筋骨隆々の老人がエンデに対して、思念をとばす。
「残念唯一効果がある方法だが・・・。やはりな。」
「自害しろ」という念話だけが届き、体内の魔素を動かすことに
失敗したことを理解した。
これは、流治の「無」の加護ともいうべきもので、風間家の人間は皆纏ている。
だが、それを言葉にするのは難しく、それに身内の秘密を
ペラペラと喋る気はなかった。
<なぜだ。なぜだ!お前はなんなのだ。>
「やっと、その問いを口にしたか。
おれは、つい最近『空間』の概念そのものになった。
そういう存在だ。」
<『空間』の概念、だと?いや、待て、『空間』をコントロールする存在なら、
精霊か神のはず。概念というランク・階位は存在は・・・。>
それぞれが困惑する中、首だけにされた女性の管理者がハタと気づく。
(体に魔素が流れる?魔素はどこから。)
目をさまよわせその原因を探ると魔法陣から流れてきていることに気付く。
その瞬間、その魔素が自分の世界由来であることに気付く。
そして、その他にも別の魔素が流れていることにも気づいた。
(どういうことだ、固定しているのはこの世界の魔素だけということか。
なら、この場を逃れるためにも回復して。)
効率よく使おうと、その魔素に自身の回復を促すが、反応がみられない。
そして、その魔素がどうなるのか、周囲を確認して愕然とした。
その表情をエンデは見てにやりと笑った。
「おや、ようやく気付いたかい?」
<何をだ?>
<お、お前ら!!!そうか、世界の外側でちょっかいを出してきたやつも、
この魔法陣をいじったのも。このためか!!>
「はっはっはっ!そうだ、勇者をゲートにしてこの世界のリソースを奪ったなら、
そのリソースを回収するにはどうする?お前らをゲートにして、
お前らの世界のリソースを引っ張て来ればよい。どうだ、名案だろう?」
<なっ!くっそっ!>
「無駄無駄。終わるまでそうしていてくれ。終わったら、消滅させてやるよ。
そうすりゃ。元の世界に戻る。自害はさせないよ。」
エンデの言葉が終わるよりも早く、各個人が自害をしようとするが、
魔素をコントロールできず、うまくいかなかった。




