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建国式の始まり

「うー。これが面倒。」


珍しく紅葉はドレスという正装をして、

演説を行うバルコニーのある部屋で、

鏡で見ながら待機をしていた。


「姫様。お似合いですよ。」


レイとアン、子供サイズのベルがその後ろで控える。

サラとクリスは外の広場で罪人を見張っている。


「ところで商業神の代わりを用意できた?」


バルコニー側の壁に勇と守ように立つ信幸に鏡越しに問いかける。


「用意して、同じように並べて置いた。人型でな。」


「本物は?」


その問いに信幸が自らの影に手を突っ込み、

狐を引っ張りだした。


「だいぶ、力が弱ってるわね。」


「六花にやりすぎるなと言われたが、まずいかな。」


「大丈夫じゃない。召喚陣の破壊の方は?」


「見つけ次第破壊をしてもらってる。流とエンデの部隊は優秀で楽ができる。」


「一つ気になるんだけど。」


「何だ?」


「それは何かにコピーできる?」


「ゼロとは言えないが・・・。エンデに言って、空間を隔離してもらうわ。

 今ならできると思うし。」


「お願いよ。精霊と神はどうにか弱くなってとはいえ、どうにかなりそうだし。

 リソースの流出をどうにかできれば、できれば。何で私がこんなことを

 気にしなきゃいけないの。」


「秋ちゃん面倒見がいいから。」


宮城が部屋に入りながらそういう。

晴れ姿を見ようとやってきた生徒たちは

深紅と白金のドレスの紅葉を見て、驚いた。


「馬子にも衣装でしょう。」


「いや、口を開かなければ、女王で通りますよ。」


「そう?」


そう言われ、紅葉はまんざらでもなさそうにほほ笑む。

その時、外で鐘が一つなった


「さて、行ってくるわ。」


そう言って、振り返り、バルコニーの外に向かって歩き始めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「エンデ。すまない急ぎだ。」


<部下から連絡を受けている。ちょうど半数を超えた。

 空間を隔離する。システムには通知して、何かあったら、

 3姉妹が対応する。人手がないからな。>


「さすがだな。」


<まだ、始まってはいないな。>


「今からだ。」


<隔離はスグだ。隔離した。外が気づくのは・・・。

 最短で1週間後かもな。そっちはそうはいかないだろうがな。>


「紅葉もそこを気にしていた。」


<さすがだな。野生の勘なのかな。>


「かもな。」


信幸はふっと笑い、外の紅葉に目を向けた。

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