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建国準備

「おっわったー!」


メモ書きの紙をばさーと打ち上げ、紅葉は大きくのびをする。


「これで、これで、重要な案件以外は私のところに来ない。

 これで、これで、ふらふらしても国がまわる。」


「おい、片づけろよ。」


紙を頭にかぶった信幸がジト目で紅葉にいう。


「ああ、ごめんごめん。」


そう、謝りながら、指を鳴らすと、紙が酸化して、

まるで落ち葉のように砕けて、最後には砂埃のようになって消えた。


「さて、後は発布して、各部署にルールブックを配布して・・・。

 あれ?でも、監督部署がない。」


「そこは、しょうがないから、俺の部隊から、6名ぐらいだして、

 国から分離させる。」


「お手数をおかけします。さて、法もできたことだから、

 新法に則って、旧体制を裁きますかね。」


「教会と協会が騒いでいるぞ。」


「あー。そうだ。教会と協会があった。あれらもついでに裁くとしますかね。」


「罪状が面倒だぞ。」


「騒乱罪でいいでしょ。教会は邪神を信奉し、世界を混沌に、

 協会はトップが王を謀っていたって感じで。」


「まぁ。理屈は通るが・・・。」


信幸は果たして民衆がそれで納得するかが怪しいと頭を悩ませる。


「僕はいいと思ったんですが、何がまずいんです。」


名取は信幸が悩む理由が分からず、問いかける。


「一つ目は、民衆の意識がそこまで高くないというか、

 宗教が正義だという意識が根強く、個の意識・思想が未成熟。

 二つ目は、どちらも上位存在が問題で、しかも無力化した後で、

 証言や証拠に乏しい。

 三つ目は、協会は個の利益を追求しているだけだから、

 納得するとは思えない。」


「はー。わかったのは現代の考え方では対応が難しいってことですね。」


「まっ、地球の先進国のように、自由に学問を修められる制度がないからな。」


「なるほど。うーん。想像がしにくいです。」


宮城や神戸も同様に難しい顔をする。


「信兄は難しく考えすぎだよ。レギオンを使えば、

 私の威光を示せるし、従うわよ。」


「お前がそれでいいならいいがな。」


「何その不安になる言い方。」


そのやり取りを聞いた宮城が納得顔をして指摘する。


「それをやると身動きがとりづらくなるんですね。」


「正解。」


「神に近しい力を見せつけると、人は萎縮するか、媚びるか、嘲るかだ。

 どれもこれも、対応を間違えれば、面倒なことになる。」


「「「確かに。」」」


名取たちはその言葉に納得する。

だが、紅葉はえーっという顔をして、


「そんな奴らは叩き切ってしまえばいいのよ。」


「どこの暴君だよ。」


「だって、そんな面倒な人はいてもいなくても、変わらないでしょ。」


「お前な。それを決めるのは俺らじゃないだろうが。

 だが、まあやってみろ。それで、面倒になったら、

 その時は王権神授を行えばいいだろうからな。」


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