決勝
「お客さまにお知らせです。
現状残ったメンバーがそれぞれ身内同士であることが分かりました。
そこで、準決勝、準々決勝は行わず、それぞれチームを組み、
決勝はチーム戦とします。」
係員がそう舞台上で宣言をする。
「そこで、この舞台では狭いため、観覧席前までを戦場とします。
つきましては注意点が・・・。」
係員はそう淡々と説明を始める。
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「じゃあ、マリー結界を頼むわよ。」
「本当にこんな方法をとるのですか。
私の立場からすると、再考をしていただきたいのですが・・・。」
「もう決めたことでしょ。それに、いい加減うっとうしいのよ。」
「そうですか。」
紅葉はそう言いながらそばに控えるサラをもっと近づくように手招きをする。
サラはため息をつきながらも、椅子のひじ掛けのそばまで、近づき、
腰を落とす。
そこへ、信幸が現れた。
「どうにか間に合ったか。」
「あ。信幸さま。」
マリーはそう言って礼をする。
「信兄。終わったの?」
「取り敢えずは、な。この国のやつらはほぼ牢屋だが。」
「あ、そう。」
「こっちは・・・。あ、察した。」
「そうなんです。止めてくださいよ。」
「そうは言うがな~。」
そう言いながら信幸は頭を掻き、渋い顔をする。
「被害を押さえるぐらいだな。」
そう言われ、マリーは信幸とともにしぶしぶといった感じで、結界をはり始めた。
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「では、選手入場!」
そう言うと名取、宮城、大月、日野が現れる。
「何でこうなった。」
大月がつぶやくがそれにこたえる者はいない。
「作戦はあります?」
「いんや。大野がいない以上、俺らは防御が薄い。
かく乱しまくって、一撃をお見舞いしよう。」
「了解です。」
日野の問に名取が答える。
「とはいえ。ヤな感じね。」
宮城はでてきた対戦相手を見てそうつぶやいた。
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「それでは!は、きゃ!」
司会が開始の合図を出そうとした瞬間。
その体が吹き飛ばされる。
「なっ!」
4人も接近に気づき、武器で防御をする。
「お構いなしなの!?」
「おい、あれ!」
名取が相手をさすと、そこにはいわゆる狼男のような姿に変わった、
先ほどまでの戦士がいた。
「まじで!」
「おおまじでしょうよ!」
ある者は結界を殴り続け。
ある者は先ほど吹き飛ばした司会へ、
そしてある者はでてきた通路へ、
散り散りに暴れ始める。
「まずいでしょ。」
宮城が司会へ向かった狼男に迫るが、
それを残った一体が邪魔をする。
その一体は動きが違った。
「こ、いつ!」




