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トーナメント4

同級生対決最終試合、名取と神戸がステージに上がる。


「結局こうなる。」


「恨むなら運命の神か籤運を呪うんだな。」


たわいない会話をしながら、名取はカードを懐から取り出す。


「『召喚』。」


すると、カードが光になり、背後で、大きな白い4枚の羽を持った鳥が実体を持つ。


<オオオ!>


その姿に会場が驚嘆の声を上げる。


「なら、俺もだな。『風龍』!」


緑色の胴の長い龍が神戸の後ろに現れる。

しばらくすると、龍を風が包むと大きな翼とがっしりとした胴体の竜が姿を現す。


その姿に、また会場が驚嘆の声で揺れる。


『この場はこの姿の方がよいでしょう。さあ、そこな者よ。開始の合図を。』


そう、風龍が会場の端にいた審判に声をかける。

その声で我を取り戻した審判は開始を告げる。


「ナスカ。自由に。」


『言われずとも。憑依が必要になったら声をかけろ。』


そう言うと、それこそ、光の如く、スピードで、風龍に体当たりをする。

が、その体を突き抜ける。


『ちっ。やはり経験がたりないか。』


ナスカは生まれたばかりの光と雷の属性の聖獣であった。

そのため、上位種の強さをいやというほど知っていた。

なぜなら、ユグラドシアには龍種の原初やフェンリルといった、

神と同等の力を持つものがおり、その存在に育てられたからだ。


『ほう。坊やかと思えば、わきまえている。』


『やり、づら、い!』


光は屈折し、雷は霧散する。その間も風の槍のようなものが、飛んで傷をつけようとする。


「ま、こうなるはな。」


<キン!>


「だな。」


<カン!>


純粋な剣技で、名取と宮城は切り結ぶ。


「そらそら!」


「やっかいな!」


槍の間合いに翻弄されて、致命打が打てずにいた。

しかも、内側に入ったと思ってもに、蹴りや拳打によりすぐに、

槍の間合いに付き合わされる。


「もういいだろう。」


「だな。やっぱ剣より槍なんだな。」


「突きや篭手の方が得意だしな。」


「なら、ここからは魔法ありだな。」


そういうと、名取は消える。


「チッ!」


それを見た神戸は槍を縦にし、身を躱す。

が、それでも、指と脇腹を斬られる。


「やる。」


先ほどとは違い、幻想的な戦いに、会場は興奮していた。


「だが、『邪眼』!何!」


レンの力である邪眼で動きを止めようとするが、

現れると思った場所に名取がおらず、視認ができず失敗に終わる。


『やるな。あの坊主。レイさんの力かね。読まれていたぞ。

 それほど、スピードを緩めず、曲がって、そして。』


そうレンが解説していると、真横から気配を感じ、慌てて、

風を使って、後方にすっ飛ぶ。

無理に移動をしたことで、ゴロゴロと地面を転がりながらも、

急いで飛び起きる。


「やる。名取。」


「そうだろう。」


そこにはいつ取り出したのか最初の片手剣ともう一つレイピアを握った名取が立っていた。

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