トーナメント2
「槍で倒せればと思いましたが。やはり、本戦は無理ですね。」
そう言って、扇のように輪を構える。
「それが、本気ってことね。」
「ご存じの通り、巫女ですから、ね。」
先ほどと違い、間合いを詰めてくる。
「こ!れ!は!」
輪を風を纏った扇ではじく。
甲高い音が静まり返ったステージに響く。
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「やはり、同じ武器種同士だと戦い辛そうね。」
ステージのやり取りをほほえましそうにみる。
「ま、どっちが勝っても採用かな。それでも、やはり、ね。」
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「見切ったわ。」
「え?え?!」
宮城は怒涛の攻撃を捌きつつ、足さばきと重心を観察し、
反撃のタイミングを計っていた。
そして、タイミングを見て、水と風を使って、地面を凍らせ、
足場を不安定にした。
「くっ。あ!」
「勝負あり、でいいかな?」
「はい。魔法に対する研鑽が足りていませんでした。」
「そこまで!」
審判が試合を止める。それを聞き、宮城は扇をしまい、ゆっくりと控室へと戻る。
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「ま、妥当よね。魔法と武術両方を戦えるレベルでやれる人がいないものね。」
「姫様、それはどの世界でもできる人は数えるぐらいですよ。」
「そうかしら。」
「そうですよ。それに、姫様じきじきに教えている方たちは、
この世界では上位ですよ。」
「そうかしら?そうかもね。」
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その後も富士、日野、大月、大野、神戸も勝ち進み、
次の試合、宮城以外はそれぞれ同級生対決となった。
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「よう。大月。」
「えーと。お願いします。」
大月と大野はステージの上で向かい合う。
「なー。派手に行こうぜ。」
「あー。うん。そうだな。」
そういうと、二人は武装と龍を身にまとう。
そして、それぞれ武器を構え、精神を統一する。
間を見て、審判が手を上げる。
「はじめ!」
「『城壁』!チャージ!」
「『心眼』!って、危な!」
迫りくる壁を炎を纏った刀身を抜刀術の要領で振り切る。
「ちっ!」
心眼の効果により壁の後ろにいた大野をとらえるが、
辛うじて、盾で刀がそらされた。
「やるな。」
「どうも。」
互いに一当てし、再び向かい合う。




